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2011年8月16日 (火)

萩原朔太郎のトラウマ

051107AE【萩原朔太郎のトラウマを長女・葉子さん遺作で明かす】《白石明彦》
萩原葉子さんの遺作「朔太郎とおだまきに花」(新潮社)に、父、朔太郎の幼児体験が語られている。神経質な朔太郎に医師業を継がせるため、ショック療法として自宅の医務室で死体解剖を見せたという。記事には、出世作となった朔太郎の詩集「月に吠える」の「酒精中毒者の詩」から〈まっしろい腹のへんから、/えたいのわからぬものが流れている〉という例や、未発表詩「瓶」から〈アルコール漬けのかえる、ネズミ……人間の耳、病気の手〉などの詩句を引用紹介している。「文芸研究月報」2005年12月号(通巻60号)
 この記事は、2005年11月7日付け朝日新聞夕刊にある。実家が裕福で、生活のほとんどを仕送りで賄えられた。まさに詩文学にすべてを費やせられた境遇の天才詩人であった。こういうことがあったのは興味深いので記録しておいた。朔太郎本人は、詩より生活が大事というメモを残している。その生活とは、仕送りに頼らない一般人としての生活を求めたのであろう。

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