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2011年8月30日 (火)

詩の紹介 道具  山崎夏代(2011年9月・詩誌「流」35号)

「道具」  山崎夏代

鳥の声 虫の声なら はるかにましだ/あれらは 本音だけを/ 叫んでいるのだもの

ひとの言葉は/あんまりにも手軽な道具である/本音を隠すにも 優しさを装うにも 使えて

あなたは しゃべりながら/あなたは自身を改竄してしまう/からっぽな語彙だけを口から転がし/いくつものいくつもの舌からあふれ咲かせる/ああ サヤボン玉の花だ

あなたの 使う言葉は/すでにロゴスでなく 神のものでもなく/その場 その場 をしのぐだけの/せつなの煙幕/なんという悲しい道具だ/ひとが あやつりながら/ゆがめてしまった 言葉とは
                    (川崎市宮前区・宮前詩の会)
紹介者・江素瑛(詩人回廊
言葉がいかにも「手軽な道具である」を作者は嘆く。共感を喚起される詩です。
「あなたの 使う言葉は/・・・・/その場 その場 をしのぐだけの/せつなの煙幕/なんという悲しい道具だ」。その「悲しい道具」を使ってこの詩を書かれたのでしょう。
ひとの言葉はクッションのようなもの、人と人の衝突を軽くさせる道具である。もともと言葉は人のこころの深層までに表す能力はない。知らないうち、日常生活に粉飾した言葉でひととひとを騙しあって、人は広告のなかに生活しているようなものである。動物のペットは言葉が話せないから、言葉のウソが言えない。言葉よりゼスチャーの方がいくらか真実なこころを伝わるかも知れない。賢明な人はその真実を見逃がさないかも。

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2011年8月28日 (日)

京極夏彦氏最新作を単行本・ノベルス・文庫・電子書籍で同時発売

 講談社は京極夏彦氏の最新作『ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔』を、単行本・ノベルス・文庫・電子書籍の4形態で同時発売すると発表した。
 発売予定日は10月14日。価格は、単行本(四六判)が税別3200円、ノベルス(新書判)が同1400円、文庫(上下巻)が同各700円。専用アプリならびにPC・アンドロイド・iOS対応の各電子書店で販売予定の電子書籍は、税込1400円となる。
 講談社は、京極氏の『死ねばいいのに』の電子版を5月に、iPad、iPhone、パソコン、ケータイ向けに同時配信した。その話題性により、かえって紙の本が良く売れたという。《参照:大沢在昌氏が語る電子書籍

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2011年8月27日 (土)

同人雑誌季評「季刊文科」2011年8月16日発行

◆松本道介氏「書くことの難しい時代」
「龍舌蘭」(181号、宮崎市)は鮒田トト追悼特集号、同氏作「季刊文科」41号転載の「天国泥棒」、同誌より久保輝巳「井戸」(「幼幻記一一)、さとりあい「十九歳」(「季刊作家」74号、名古屋市)、同誌より小森好彦「ひとことに、はかなき夢をおい波の」、来住彰作「むぎわら帽子」(「土曜文学」第6号、立川市)、磯崎仮名子「冴え冴えとした笛の音」(「火涼」63号、鈴鹿市)、同誌より衣斐弘行「金閣火番」、安芸宏子「第六回レイクサロン およびその他の収穫」(「半獣神」91号、高槻市)
◆勝又浩氏「戻り道からの発見」
荒木武「ぼやき」(「残党」32号、神奈川県高座郡)、垂水ゆう「一筆地・乙森四四」(「胡乱」2号、福島市)、「塩分」(春日部市)52号より小関智弘「二〇一〇年を送る」他10人の文章、「海塔」(45号、大和市)も「四十五周年記念号」、同誌より源哲鷹「『海塔』四十五年を顧みて」、同誌より宮乃井八千代「■世紀のローズたち」、丸山修身「銀子の話(「文芸復興」23号、東京都)、「法螺」(64号、枚方市)より高橋惇「茶髪」、同誌より西向聡「鬼火」、中川由布子「大釜のある職場」(「京浜文学」17号、横浜市)、同誌より新井知次「南北線の女」、大森盛和「遊行柳」(「風の道」4号、東京都)、同誌より泉紀子「貝のふうりん」
●「同人誌の現場から」投稿は以下
「だから書き続けている」川上悦子(作品・Tグループ)、「川崎彰彦という地場で」島田勢津子(「黄色い潜水艦」編集人)、「『同人誌』と言わない雑誌」定道明(「青磁」代表)、「雪の伊勢本街道」水田まり(「勢陽文芸」)
(「文芸同人誌案内」掲示板・ひわきさんまとめ)

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2011年8月26日 (金)

第10回新潮ドキュメント賞は堀川惠子氏、第10小林秀雄賞は高橋秀実氏に

 第10回小林秀雄賞(新潮文芸振興会主催)は25日、高橋秀実さん(49)の「ご先祖様はどちら様」(新潮社)に決まった。また第10回新潮ドキュメント賞(同主催)には堀川惠子さん(41)の「裁かれた命 死刑囚から届いた手紙」(講談社)が選ばれた。賞金各100万円。

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2011年8月25日 (木)

同人誌「胡壷・KOKO」10号(福岡県)

【「散文詩三題」井本元義】
 散文詩というと叙情的なものを根底に置くのだが、これらの作品は、どれもそのなかに、ぴりっとした刺激、小さな火器のような爆発物を内臓している。欧州の影響をうけた近代文学の伝統的な味も籠めている。「春の光、病めり」では、死にゆくものの視線。若い牧師と未亡人の心中という伝説。現実の人生の幻想性と芸術の永続性を浮き彫りにしているようだ。「図書館」も、現実の人生から乖離した男が、それを読破して、膨大な現実の残滓、抽象化に浸る、その源である現実はどこにあるのか、男の意思を描く。「顔」も図書館で読書にひたる男の現実の幻影性と芸術について想いめぐらされるものがある。

【「プライド」ひわきゆりこ】
 姉と妹の性格と人生感のちがいを、姉妹という立場で描く。母親の介護をという子供の課題を透して、具体的に書き上げていく。親から絶大な信頼を無条件に得ている姉と、二の次にされてきてために、姉に比べて客観的に、バランスをとってみる妹に描く。母親を介護し、母親をどれだけ大切にしているかという誠意を軸に姉妹のライバル心が交錯するところが面白く読める。これを書く立場から見ると、視点のちがいを明確にし、章分けをした書き方である。これは分かりやすく、読みやすいので娯楽物に多く使われる。細かい神経質なやりとりが面白いが、文章的に「……たのだろう」という推察的なものが多用する癖がある。その分示す意図をぼやかしてしまい、効果をそぐところが気になる。たとえば「なぜ泰則はあんな向上心も自尊心ない男になってしまったのだろう」とあるところは、「なってしまった」と断定しないと、読者に陽子の性格がはっきり伝わらない。それが、月子のイメージづくりを曖昧にしていると感じた。同時に、姉妹の思いとは別に認知症状態になった母親は、それをどう思っているのか。月子がよくやってくれるので、月子に頼る心理ならば、月子の価値感の勝ち。あくまで長女の陽子に信頼を寄せるようなら、月子のプライドも傷つく。そこまで書き込む余地はあったように思う。

【「渓と釣りを巡る短編Ⅱ」桑村勝士】
 自然と人物のなかに失われた日本の原型。炭鉱の事件があるが、何か人間がうごめいて文明と富を築いてきた過程を思い起す。

 納富さんのあとがきには、ひとごとに読めず。なにかを言うと、同病相哀れむになりそう。納富さんや、病と闘うみなさん、自分にも向けて、大事にしましょう。

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2011年8月24日 (水)

豆本作家。文筆家。赤井都さんの活動から

 全部のプレスに豆本が入っています。「プレス」と言っても、見た目は単に本が床に散らばっているだけのように見える「積ん読」ですが、本の下で豆本が押されています。
 床がもういっぱいです。もう握力も視力もありません。
 夜にもなって、くるみ表紙の角を金槌で叩くうるさい作業ができなくなったので、手を止めました。こうしてようやくお知らせのメールができるようになりました。
『雲捕獲記録』で126冊のくるみ製本を作って以来の、くるみ表紙の限定版です。しばらく、ハードカバー製本をしたくなくなっていたのですが、ワークショップ以外で、ようやく再びハードカバーの自分の本を作りました。
 自分で中身の超短編を書き、活字を一文字ずつ拾って、組んで、印刷して、製本しました。自分で組版した活版印刷の部分でけっこう遊べて、ちょっと新境地かなと思います。
 超短編の余韻が、豆本の遊び紙や余白にたっぷりあります。ふわふわした触感。見かけはスリップケースに入って本らしい本。表紙のドイツ切手は新品のお取り寄せ。タイトルのスタンプは特注。そんなに凝って、値段は安すぎるかも…。でもいいです。今回は。もう幾らだっていいような心境です。印刷は若干へたです。製本は手が速くなって、職人値段になってきたかも。
《参照:言壷の活動

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2011年8月23日 (火)

東電と核兵器開発

 原発は核兵器開発に必要だとする論がでている。《参照:東電が軍需産業並みの調達力を持つ理由》すると東電は原子力研究技術者を使って、核兵器開発もする国策会社ということになる。ただ、そうなるなら、原発は防衛庁か、アメリカに管理をしてもらいたい気持ちになる。

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2011年8月21日 (日)

直木賞受賞の池井戸潤『下町ロケット」の斬新性

 直木賞受賞の池井戸潤『下町ロケット』(小学館)は、町工場の題材をこれまでにない視点で描き、斬新で、爽快感のあるなエンターテイメントである。
 作者はかつて、銀行員だったらしく、中堅的町工場の経営と技術力のバランスを軸に、町工場この先は倒産か発展的拡大か、という テーマではらはらどきどきさせる。殺人などの血を流すパターンから脱皮した新趣向で、ミステリーと同じ醍醐味を味わえる。WOWOがTVドラマにするのに撮影場所に選んだのが、都立の能力開発センター。町工場にある機械の主な設備がそろっている。ここには技術習得のための看板などのデザイン科もあるので、主人公の会社「佃製作所」の看板もここで安く作ったそうだ。これからの町工場のロケにはここは最適であろう。
「下町ロケット」のドラマ化撮影の能力開発センター

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2011年8月19日 (金)

鶴岡一生氏の初の短編小説集「曼珠沙華」地元から販売拡大

 短編小説集「曼珠沙華」は、地元の書店でベスト1を記録したりして売れ行き好調だという。「曼珠沙華」の特長は3人称スタイルの小説として安定感のある手法であることだ。
「老人は山を登っていた」で始まり、「山道はお同じような景色をみせながら老人のあとにつづいた」という描写に作者の距離感がとれている。そのなかに老人の感覚と重なるように、山の描写が、光と影、匂いの描写が入る。
 山の間伐材は、輸入品に負けて放置される説明があり、
「それゆえ、老人が持ち帰って薪をにするのに文句をいう者もなかった」
とあるのは、作者の視点、老人の視点を重ね合わせ、、社会的背景を合理的な描写法で、巧みに説明している。
 鶴岡一生氏の初の短編小説集「曼珠沙華」

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2011年8月18日 (木)

【エンターテインメント小説月評】死が孤独なら生も孤独(読売新聞)

「死様(しにざま)」藤岡陽子/加藤元(げん)の短編集『嫁の遺言』(講談社)/川瀬七緒の『よろずのことに気をつけよ』(講談社)/乾ルカ『四龍海城(しりゅうかいじょう)』(新潮社)。(文化部 村田雅幸)
【エンターテインメント小説月評】死が孤独なら生も孤独(読売新聞)

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2011年8月17日 (水)

職業作家と同人誌作家の大きな相違点

 作家・大沢在昌氏の講和を連載しているが《参照:電子書籍論》まだそこに行かないものの、盛んに強調していたのが、出版社の編集者の存在の重要性である。いくら電子書籍が流行ろうと、編集者なしに、出版をすることはない、と断言する。それに対して同人誌作家には注文をつける編集者がいない。逆に言えば編集者なしで傑作を書いたとしたら、これはすごい才能ということになる。

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2011年8月16日 (火)

萩原朔太郎のトラウマ

051107AE【萩原朔太郎のトラウマを長女・葉子さん遺作で明かす】《白石明彦》
萩原葉子さんの遺作「朔太郎とおだまきに花」(新潮社)に、父、朔太郎の幼児体験が語られている。神経質な朔太郎に医師業を継がせるため、ショック療法として自宅の医務室で死体解剖を見せたという。記事には、出世作となった朔太郎の詩集「月に吠える」の「酒精中毒者の詩」から〈まっしろい腹のへんから、/えたいのわからぬものが流れている〉という例や、未発表詩「瓶」から〈アルコール漬けのかえる、ネズミ……人間の耳、病気の手〉などの詩句を引用紹介している。「文芸研究月報」2005年12月号(通巻60号)
 この記事は、2005年11月7日付け朝日新聞夕刊にある。実家が裕福で、生活のほとんどを仕送りで賄えられた。まさに詩文学にすべてを費やせられた境遇の天才詩人であった。こういうことがあったのは興味深いので記録しておいた。朔太郎本人は、詩より生活が大事というメモを残している。その生活とは、仕送りに頼らない一般人としての生活を求めたのであろう。

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2011年8月15日 (月)

詩の紹介 ピーちゃん 作者・内田麟太郎 (騒・第86号)

ピーちゃん       内田麟太郎
ちんぷん かんぷん とってんかん
   凸転換
    凸転換
     凸転換

( ああ 希望の歌だね)/小枝で小鳥もうわずっている/うわずってさえずっている/(そのとき道は真っ直ぐで)

 いらっしゃいませー

(そのとき未知は真っ直ぐで)/性度の精度を制度で測り/制度に凭れてたの ボクも /千年 万年 百万年/マンネ・リアリズム リアリズム/ありゃ りゃ。

アリス つかれちゃった/つかれたアリスのアンネ アンポンタン/あんぽんたんのひょう流れ/アンネ乱れて 見えたね ほくろ/・・うん ちょこっと

で、突然ではありますか。/耳が爛れまして。/ほう、耳がね

爛れた耳 垂れて聴く 風の音
 東京仏壇/ 東京仏壇/ 東京仏壇/ 東京仏壇/ 東京仏壇
ひとの消えた東京に/いつものように夕陽沈み/沈みながら黄金色に光って

あっ、カエルのピーちゃんだ!
2011年6月30日 町田市 騒の会

紹介者 江素瑛
音韻を踏んで、だじゃれを入れてユーモアとエスプリの味。大人の童謡であろう。純粋な少年時代から、人生をマンネリ化させ大人になって死んでいく。人の運命の脱けることの出来ない、幾つものの転換期を描いているのでしょうか。全編は問答と独白形式で織っていくが、終りのフレーズの童心に帰るところが光って、面白く読ませる作品である。

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2011年8月14日 (日)

第21回「紫式部文学賞」に 多和田葉子氏『尼僧とキューピッドの弓』

  第21回「紫式部文学賞」(京都・宇治市と同市教育委員会主催)は、多和田葉子氏『尼僧とキューピッドの弓』(講談社)に決まった。同賞は、女性作者により実施前年に刊行された文学作品のなかから選ばれる。多和田氏には正賞と副賞の200万円が贈られる。


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2011年8月13日 (土)

我々は数時間のはらはらどきどきするものを商品として売っている

大沢在昌氏の電子書籍論》私はエンターテインメントの作家ですから、自分が芸術をやっている、文学をやっているとはこれっぽっちも思いません。私がやっていることは、本を読んで2時間~3時間、ああ面白かったと、時間が一瞬で過ぎた~そう思ってくれるような娯楽作品をつくることです。それを願って書いています。
 それは商品以外のなにものでもない。我々は数時間のはらはらどきどきするものを商品として売っているのです。そのはらはらどきどきがおおきければ大きいほど、お客はこの値段で得したなと思うわけです。
 でも、ブックオフオフでそれをさらに得したなとは思って欲しくないのです。

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第23回「日本ファンタジーノベル大賞」は、勝山海百合さん(44)「さざなみの国」

第23回「日本ファンタジーノベル大賞」は、勝山海百合氏(44)の「さざなみの国」に決まった。優秀賞は日野俊太郎氏(34)「吉田キグルマレナイト」。応募総数は695編だった。勝山氏には賞金500万円、日野氏には同100万円が贈られる。両作品は11月に新潮社から刊行される予定。

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2011年8月12日 (金)

文芸時評7月(毎日新聞7/27)田中和生氏

「戦後」の外に出る言葉/戦前と戦後結びつけて提示/フィクションの形で挑戦に成功。
《対象作品》三輪太郎「海の碧さに」(文学界)/辻原登「韃靼の馬」(日本経済新聞出版社)/小野正嗣「残された者たち」(すばる)/丸谷才一文芸評論集「樹液そして果実」(集英社)。


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2011年8月11日 (木)

文芸時評7月(東京新聞7/28)沼野充義氏

庄野潤三「逸見小学校」戦時、一瞬のオアシス/小野正嗣「残された者たち」「浦」の笑いと生命力。
 的確な比喩が持つ力――(引用抜粋)7月の9日にNHKテレビの討論番組で、奈良林直氏(北大教授・原子力安全委員会専門委員)による「日本は原発のおかげで空を飛んでいるジェット機のようなもの。原発というエンジンが止まったら失速する」という主旨の発言を聞いて考え込んだことだった。福島県南相馬市に住む93歳の女性が原発事故の収束を悲観したすえ、6月下旬に「お墓にひなん(避難)します」という遺書を残して自殺してしまったというのだ。(後略)
 ここで、奈良林教授の比喩は、不正確であり言い換えが可能であるが、南相馬市の女性の比喩は素朴だが、言い換えは不可能である、とする。
《対象作品》評論・陣野俊史「『3・11』と『その後』の小説」(すばる)「庄野潤三「逸見小学校」(新潮)/小野正嗣「残された者たち」(すばる)/村田沙耶香「タダイマトビラ」/間宮緑「塔の中の女」(群像)。

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2011年8月 8日 (月)

西日本文学展望「西日本新聞」8月1日朝刊・長野秀樹氏

題「余情」
立石富生さん「独白日和」(「火山地帯」166号、鹿児島県鹿屋市)、西村敏通さん「或(あ)るカメラマンの死」(「飃(ひょう)」87号、山口県宇部市)
「西九州文学」32号(長崎市)より昨年亡くなられた川道岩見さん「うつろ船考」、エッセーの浦川ミヨ子さん「もがりぶえ」
「ほりわり」25号(福岡県柳川市)は「南雲景介追悼特集」
「ARTING福岡」6号の特集「福岡デザインの底力」と「生成する身体~福岡のダンスパフォーマーたち」
「宇佐文学」50号(大分県宇佐市)は創刊三十周年記念号
(「文芸同人誌案内」掲示板・ひわきさんまとめ)


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2011年8月 7日 (日)

同人誌「文学街・作家&読者の集い」のことなど。

060402BK【「文学街・作家&読者の集い」開催】
同人誌「文学街」(森啓夫主宰=〒168-0065東京都杉並区浜田山2-15―41)では、4月2日、「文学街・作家&読者交流の集い」を東京グリーンホテル水道橋で開催した。会員総数は261名だという。ほぼ毎月のペースで機関紙「文学街」を発行。毎号読者の作品評や感想を掲載し、ほかに類のないコミュニケーションの良さが発揮されている。特に全国の同人雑誌結社推薦作品掲載は、好評で会員の評価が高い。
 会員は全国にひろがっており、三田村博史・中部ペンクラブ会長のほか、提携関係にある文芸思潮主宰の五十嵐勉氏、文芸東北主移動宰の大林しげる氏、札幌文學の小南武朗氏など、同人誌運営幹部のほか、佐賀の白石すみほ氏、千葉の遠藤美地子氏、長野の「構想」の崎村裕氏など約60名の参加があった。当日は、文芸評論家の岩谷征捷氏の「文学街に発表された文芸作品を通して」という講和があり、その後、参加者の近況報告、交流会に移った。なお、翌日は、五十嵐勉氏の文芸思潮との共催で「同人雑誌からの文芸復興」をテーマにした座談会を開催した。「文芸研究月報」2006年5月号(通巻65号)
ーこれは自分で取材に行った記事BKというのが自分記事の記号。このころ若い読者会員がいて、盛んに雑誌「文学界」の同人雑誌評にのるような同人雑誌に入りたいという人がいて、同人雑誌情報を欲しがっていた。記事に大林しげる氏があるが、伊藤桂一氏から、今年らしいが、亡くなったらしいという噂をきいた。

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2011年8月 6日 (土)

"原子力PA方策の考え方"に学ぶメディアの利用法(2)

"「原子力PA方策の考え方"マニュアル」から。
・繰り返しの広報が重要である。批判記事も読者は3日で忘れる。繰り返し書くことで刷り込み効果が出る。

《たしかに、ナチスのヒトラーも同じ手法を使っている》

・夏でも冬でも電力消費量のピーク時は話題になる。必要性広報の絶好機である。広告のタイミングは事故時だけではない。

《たしかに、商品を売らないで商売になる。税金と利権で食えるから。》

・停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっているのが、大衆であることを忘れないように。

《たしかに、それを信じて、クーラーを使わず熱中症で亡くなっている国民もいるようだ。原発の電源喪失の前に良心をなくすことが、宣伝の要である。大宅映子氏が3日のテレビ朝日「ニュースステーション」で発言していました。電気を使いたい、原発はいやだ、そんな勝手なことは通じませんと。彼女の父の大宅壮一は、日本人「一億総白痴化」といったが、娘さんが白痴化してしまったようだ。「絶対安全な原発を作って世界にひろめよう」だとか。その原発はどこにあるのか。》

・原子力に好意的な文化人を常に抱えていて、何かの時にコメンテーターとしてマスコミに推薦出来るようにしておく(ロビーの設置)。

《なるほど。赤旗はこの冊子を1996年12月25日にスクープ記事にしている。それによるとこれを作成編集したのは当時の「読売新聞」編集委員、現在の電力中央研究所の名誉顧問だという。世論操作術の専門家が作ったんだ。効果があるのも道理だ。参照:「原発の父」正力松太郎

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文芸誌新人賞、雑誌を読まずに応募

060519ME【〈編集余話〉唐木厚「群像」編集長/越境する才能求め】《米本浩二》
 1964年生まれ。書籍編集者を経て05年から現職。文芸誌には独特の枠組みがあって、それが敷居の高さになる反面、有意義な部分でもあるという。若手の作家同志の交流が少ない。同じ頃デビューし、同じような悩みを抱える人たちが集まる場があってもいいのではないか、と新人作家と交流する。新人賞に1800人もの応募がある。「群像」を読まないで出してくる人もいる。書きたい人はもっと読むべき。ブログで小説的なものを書く人が増えたが、それはブログという媒体に合った文体と内容になる、などと語る。「文芸研究月報」2006年6月号(通巻66号)
 この記事は頭に記出が記号化してあり、「2006年5月19日毎日新聞夕刊」の米本記者の記事とわかる。縮刷版で全文が確かめられる。
 発行をしているうちに、この仕組みを知らない人からも購読希望者が増えた。そこで、店で販売できないか、あちこちアプローチしたが、どこも否定的であった。著作権の問題である。今年になくなった文芸評論家の浜賀知彦さんは生前に、研究用の引用として認められるのではないか、とは言っていた。それでも、ではもっと詳しくしたらどうか、など課題は残る。購読会員が増えると、80円の切手代は増える。対応しきれない。現在はツイッターが存在するので、ツイッター情報16文字以内なら著作権は問題にならないかも知れない。アクセスアップの導入に活用できるかもしれない。

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2011年8月 5日 (金)

第57回江戸川乱歩賞受賞『完盗オンサイト』 玖村まゆみさん

  みなさま、初めまして。玖村と申します。
  第五十七回江戸川乱歩賞をいただき、よろこびを噛みしめつつ、今は次作の準備や取材に追われています。受賞作「完盗オンサイト」ができあがったのは乱歩賞応募締切りの直前でした。原因は、主人公・浹(とおる)の性格づくりが難航したせいです。
 「こういう感じかな」と書いてみるものの、肝心なところで「えっ、俺、そんなことできません」とこちらの意図通りには動いてくれず、ぴったりの浹が見つかるまで三ヵ月ほどかかりました。とはいえ、書いている間じゅう、とても楽しく、ふわふわと、どこかべつの世界を旅しているようでした。
  先日、仮想空間で登場人物である國生兄弟に会いました。創作中、何度も著者の背中を押してくれたのは実はこの二人でした。そのお礼を言うと、兄の肇(はじめ)「いや、いいんだよ」と照れくさそうに笑っていました。
 環(たまき)のほうは、また何か手伝えることがあれば、知らせて欲しいと言っていました。もう少し台詞が多くても、だいじょうぶだとも。負けず嫌いで向こう見ずの浹と、ちょっと変わった國生兄弟に会いに、「完盗オンサイト」をのぞいていただければ幸いです。
(講談社『BOOK倶楽部メール』 2011年8月1日号) 

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2011年8月 4日 (木)

経産省次官ら3首脳、配置換えで責任逃れへ

 海江田経済産業相は4日夕、更迭する次官ら3首脳の配置換え絵後任人事を発表した。
 松永和夫次官(59)の後任には安達健祐・経済産業政策局長(59)を昇格させ、資源エネルギー庁の細野哲弘長官(58)の後任には高原一郎・中小企業庁長官(55)を充てる。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長(58)の後任には深野弘行・商務流通審議官(54)を起用する。
 5日の閣議で承認を得て、次官と保安院長は12日付、エネ庁長官は再生エネルギー特別措置法案が審議中のため、今国会が終わった後の9月1日付で就任する。
 海江田経産相は自らの辞任時期について記者団に対し、「しっかり辞令を交付してから、具体的な日付は私に決めさせてもらいたい」と述べ、12日以降になるとの考えを示した。
 海江田経産相は4日、読売新聞の単独インタビューで、首脳3人の更迭人事について、「(菅首相には)報告だけだ。(首相から)『任せる』などの話もない」と述べ、自らの判断で行ったことを明らかにした。経産省に不信感を持つ菅首相が介入したとの見方が出ていたが、これを否定した。
《参照:福島原発事故関係者「告発」》   ☆
告 発 状 (より)
東京地方検察庁 特捜部直告班
ご担当者 殿
平成23年7月8日
告発人 明石 昇二郎 印
同 広瀬 隆 印
当事者の表示
別紙「当事者目録」記載のとおり
第1 告発の趣旨
被告発人らの下記所為は、刑法第211条(業務上過失致死傷罪)に該当すると思料されるので、徹底捜査の上、厳重に処罰されたい。
第2 告発の原因
1. 当事者
(3) 国(原子力安全・保安院、被告発人8)
被告発人8である原子力安全・保安院(以下「保安院」という)を代表する院長は、寺坂信昭である。保安院は、原子力をはじめとする各分野のエネルギー施設や産業活動の安全確保を使命とする国の機関である。

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第57回江戸川乱歩賞受賞『よろずのことに気をつけよ』 川瀬七緒さん

  はじめまして、川瀬七緒と申します。いよいよ、江戸川乱歩賞受賞作の「よろずのことに気をつけよ」が単行本になり、興奮のあまり落ち着かない日々を過ごしております。
  みなさんは、どこか警告めいた響きのあるタイトルから、どのようなことを連想するでしょうか。私は「よろず……」の文言が入った念仏書を見たとき、構想やテーマやキャラクターが頭の中に溢れてきました。
  殺人現場から、古びた呪いの札が見つかるところから物語は始まります。「呪い」と言うとおどろおどろしい印象ですが、殺意を抱くほどの憎悪から、相手の不幸を願う妬みまで含めれば、決して非日常ではない。むしろ、生活の裏側にぴったりと貼り付いているように思えるんですね。そんな人間の感情の揺れも、作品に入れ込みました。
  最後に。私は福島県出身です。作中に登場する農村風景は郷里を思い浮かべながら書きましたが、残念ながら無惨に崩れてしまった場所もあります。本当にちっぽけなことかもしれません。ですが、本作が被災地のみなさんの励ましになれば、と心から思っております。(川瀬七緒)
 講談社『BOOK倶楽部メール』 2011年8月1日号 

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2011年8月 3日 (水)

震災と本=娯楽小説は、人々の役に立っているー大沢在昌氏

「自分取り巻く世界は、どんどん変化して変わっているのに、本の世界は開けばそこに変わらない世界が横たわっている。厳しい現実を忘れさせるものがある。もしかしたら心の平穏というものをそこに得ている。それは逃避かもしれないけれど、人間はまったく逃避のない人生は送れない。一瞬でも、変わらない世界でのやすらぎ、もっと効果のある言い方をすれば、明日以降に元気で生きてゆこうという材料になっているかもしれない」。
《参照:大沢在昌氏が語る電子書籍時代

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2011年8月 2日 (火)

やっぱりね。知りたくない人と知らせたくない人がいる児玉龍彦氏の検証

放射線のひろがり方の事実を語る児玉龍彦氏
 以前に東京・《夢の島の第五福竜丸の取材記事を書いた》。まず、ここには当時は証明がとれずに関連があるといわれる現象の資料があり、それを児玉氏の研究成果が証明した形になっている。
 まず、いける人は見学をすすめる。当時は、米軍が放射能の成分を秘密にしたため、独自に日本が分析し発表。世界にアメリカの秘密事項を公開したことになり、CIAが謀略でないかと調査に入った。その放射能の種類は多種類あって、現在は測定していないか、発表していないか、とにかくこんなものではない。また、海に流れ出すと1万5千キロにも海流に乗ってマグロ蓄積していた。また、放射能病というより、かかるのは従来の病気にかかる率が高いだけ。
 私が子どものころ、家に風呂がないことが多かった。そのときに銭湯は、まだ清潔でなく、トラホーム、性病、皮膚病などにかかか危険があると学者に警告された。
 しかし、どぶで体をあらうよりまし、ほかに方法がないからと無視するしかなかった。みんな眼病のトラホーム持ちだった。
 とにかく子どもは遠距離に引っ越して、大人は覚悟してそのままいるか、だね。

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2011年8月 1日 (月)

著者メッセージ: 夢枕獏さん『大江戸釣客伝』

「そもそも釣りは人の道にあらず、外道の道なり。この道に生き、この道に死して悔いなし。なまこの新造が、あれほど釣りにのめり込んだというのも、その心のどこかには哀しみのようなものがあったのではないか。自分の握るこの竿は、人が生きてゆくための杖である。人は淋しい。人は愚かだ。その淋しさや、哀しさや、愚かさの深さに応じて人は釣りにゆくのだろう」             ――本文より――
  釣りは、もの狂いの一種である。鬼が憑く。愚かで滑稽で、ある意味では、女よりも博打よりも罪深い遊びであり、そして、この釣りが、時に人を救ってくれたりもする。
  江戸浦で、謎の土左衛門を釣りあげてしまったのは、俳諧師宝井其角、絵師英一蝶。このふたりと、旗本津軽采女が、釣りの泥沼の中から、元禄という忠臣蔵の時代を覗く。
  あなた、間違っても釣りをしてはいけませんよ。怖いことになりますよ。(夢枕 獏)
(講談社『BOOK倶楽部メール』 2011年8月1日号  Vol.313)

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