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2011年5月21日 (土)

大江健三郎氏と星野智幸氏の「俺俺」選評公開対談を聴く

 大江氏は星野氏「俺俺」の社会性を評価していた。会場からの質問で、最後は作品中の人間的な矛盾を提起した答えとして、あのような結末にしたのか?というものがあった。
 たしかに、それまで現在進行形で読んでいたものが、急に回顧調にかわる。物語というのは構造的にそれらしき形を要求するので、結末に変調的になるのは仕方がないと、自分には思えた。ドストエフスキーの「罪と罰」も大地に接吻するなんてはぐらかしに思える。
 小説の構成では、「罪と罰」にそっくり同じ構造をしている島崎藤村の「破戒」の秘密の告白の方が物語的に良いように思える。どのジャンルにも表現手段の限界というものがあって、油絵に3D立体画面は要求できないので、作品は考えるヒント問題提起がうまくやれればよいように思う。
《参照:老人の愚行・・・》

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