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2011年5月 4日 (水)

同人誌「婦人文芸」89号(東京)

【「太宰治とその死」菅原治子】
 太宰治といえば、小説の巧さは天才、私生活は無分別で定評のあるところ。それに対し、著者は生活者として分別のあるところを冒頭からぴしりと表現して、それが何を語るのかと、まず興味を掻きたてる。そのセンスの良さにひきつけられて読み進む。太宰の死への向かい方が、分別をもった視点で再編成するとこうなるかと感心させられていく。
 太宰がその場の空気ごとに、誠実に対応するが故に、その場面と別の場面との世俗的関係性に一貫性を欠き、矛盾を招く状況が見事に浮き彫りされてゆく。現在ならばKYが読める人間としてスターであり続けた作家なのかもしれないと思わせる。真正面から太宰治の性格に照明をあてた説得力のある評論であった。
【「十字路」淘山竜子】
 働きながら大学院に通う若い女性の生活とその環境を描く。現代風俗小説に読めた。小説として書くべきところを、意識的に欠落させているらしいところがあり、それがどういう創作感から来ているのか、短いのでわからないが、手法として謎めいた印象を残すので、ちょっと変わった趣向の作品として印象に残った。
【「またも、ヘアダイ騒動」秋本喜久子】
 語りの面白さに天性の才気を感じさせる。同時に、こうでなきゃあね、と書く姿勢に共感を感じさせる。
【「追悼 井上やすし先生」野間悠子】
 井上やすしの日頃の活動の有り様を知って興味深かった。インターネット情報について、「インターネットからは何ひとつ情報を得てはいけない。ロクな情報はない」と、説いたそうで、同感である。自分でも、書いていながら、扱いに困惑することがある。もともと、これもメディアであるから、それら全般について、利用すべきもので、信ずるものではないということが言えるかもしれない。
(紹介者「詩人回廊」編集人・伊藤昭一)
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