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2011年5月 9日 (月)

文藝誌「なんじゃもんじゃ」11号(千葉)

 後記によると、編集者の小川和彦氏は、和洋女子大学主催の「エッセイを書く」という公開講座を行い、小川氏が退職した後に受講生が「エッセイを書こう!」という勉強会を作って始まったそうである。
【「四人寄れば」坂本順子】
 連作・S町コーヒー店の10回目で、いつも日常生活に沿った掌編でうまくまとめている。というより、出だしから書くべきことに的を心得ていて、けれんみがなく、作家的な手腕がよく発揮されている。
 年配の兄弟がお互いに連れ合いを伴ってお茶をしながら、年老いた両親の住まいと生活の見守りを話題にしているのを、作者が耳にする。嫁と舅の話に女性の耳が反応する。
 話題は、いかにして両親に無事な老後をすごしてもらうかという生活の算段だが、それが実に、今は失われがちな、人情がまだ残っている様子を描く。心温まる話に現代的な作者の心が映される。昭和の時代には、年寄りにいかにより良く過ごしてもらうかに、重要な価値感があって、それをなし遂げると、世俗的な成功に勝る自己満足を得て、心の平和としていた。
 義理と人情のしがらみの産物であるが、個人主義が流行り、年寄りと気が合わないで主体性が保てないと、まず自分が不幸。逆にそのしがらみを断ち切らないと、心の平和が得られないということになり、合理的なごたごた解決策の核家族化。別居全盛である。不合理を排除した寂しさの感慨を与える話にしている。
【「決壊」杵淵賢次】
 別荘団地自治会実記⑤である。今回は、団地に高台と崖下のエリアがあって、さらに山の上からは「暴れ川」があるという。高台から土石流が起きて道路が決壊するというので、大変である。自治会役員が市役所と交渉し対応にあたる奮闘ぶりがすごい。温泉パイプなどもあるので、高級な団地らしいが、そんなこともあるのか、読んで驚いた。面白い話という前に、大変そうで、そんなことを言っていられない切実さがある。
 発行所=〒富里市日吉台5-34-2、「なんじゃもんじゃ」会。
(「詩人回廊」編集人・伊藤昭一)
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