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2011年4月24日 (日)

詩の紹介「伝えるってこと」作者・関 中子

「伝えるってこと」関 中子

波を伝える 物から物へ 出来事から出来事へ 
*中略*
街から街へ 道から道へいつも行けるわけじゃない だけと結局はわたしたちは 文明人は 道がないと歩けないみたいだ 
 *中略*
波が荒い 風が強い 波がめちゃくちゃ話すから話したいことがわからない
怒りと悲しみだけが聞こえる 伝えるってこんなことでいい かつて言葉をわれ知らず習い覚えたその喜びは伝わるような話しかたができるという可能性への 人生に明日を明日と置けることだった 伝えるってこんなことでいい あなたがどこからどこへ どんな名前から名前へ歩いているか 風を気にしては隠す 隠しては尋ねる 尋ねても返事は返ってこない 空に吸い込まれたのか 海に落ちたのか だれかと夢中で遊んでいるからか 伝えるってこんなことでいい わたしは今詩を書いているよ
詩歌文芸誌「ガニメデ」No.51より 2011年 4月 東京都練馬区

紹介者・江素瑛 (詩人回廊)
昔、人やけものが草原や山野歩くことで道が出来ていた。今の「文明人は道がないと歩けないみたい」前人が開拓した道でないと、歩けない。ちょっと哀しい話しです。文明人は科学道具に頼りすぎで、生まれ付き素晴らしい道具の手と足のことを忘れてしまうのですが、全編は波や風の音に満ち、隠れん坊のような、「わたし」が問いかけられて「あなた」に問いかける。「人生に明日を明日と置けること」で、将来に繰り返し自分を投げかけ、詩によって生きることを伝えている。
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コメント

こんなふうに読んでくださって、うれしいです。
励みになります。文明人のアウトラインをどう描くか、これからも考えていきます。
詩を書くととくのこのように読んでくださるとますます思いがはっきりしてきます。

あるがとうがざいます。

ところで、ガニメデ51号の裏表紙見てください。
江さん、あらためて感謝です。

投稿: 関  中子 | 2011年5月22日 (日) 12時37分

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