著者メッセージ: 鴻上尚史さん 『八月の犬は二度吠える』
そんなわけで鴻上です。通算、三冊目の小説を出しました。1982年の戌(いぬ)年に、「今年だけは、『大文字』の送り火を『犬文字』にしても、 京都の人は許してくれるんじゃないだろうか」という大胆不敵なことを考え
た大学生達の行動と、24年後の物語です。
僕自身、京都で浪人していまして、この物語は、その時の実話に基づいて います。青春の無意味と煌きだけではなく、その後、大人になった時に、「もう一度、あの時のバカバカしい行動ができるか?いろんなものを背負って、生きてきて、あの時代のことをどう思うのか?」ということを確かめたくて書きました。
まずは、年を重ねてきた大人の人に読んでもらいたいです。で、なんか面白いことないかなあと欲求不満な若者にも。この物語が、あなたの忘れている何かを思い出すきっかけになれたら嬉しいです。(鴻上尚史)
(講談社『BOOK倶楽部メール』 2011年2月15日号より)
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