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2011年2月20日 (日)

著者メッセージ: 青木奈緒さん 『幸田家のきもの』

 最近、街できものを着ている人をよく見かけます。私がきものを着始めたのは、1970年。世の中に高度経済成長の勢いがあったこのころ、きものはちょっと古臭いイメージで、街できもの姿を目にすることはほとんどありませんでした。
 そんな中で祖母・幸田文は当時六歳の私に「洋服だけでなく、きものも着られるようになれば、楽しみは二倍にふくらむよ」と言い、家で普段に着られるきものの世話をしてくれました。
  今回、久しぶりに出すエッセイ集は、こんな着初めとなった普段着のきものの手ほどきから、一生きものを着通した祖母が私に教えてくれたこと、大人になったときにと支度しておいてくれた花柄のきものの話、また祖母亡きあと母と一緒に始めたきものの手あての方法など、きものをテーマに忘れられない思い出や日々の情景を描きました。きもののことはいつかきちんと書いておきたいと思いながら、構想からほぼ十年かかっています。その間に新たに加わったエピソードもありますし、子ども時代をふり返れば昭和のなつかしさも感じられます。ところどころに写真もまじえ、思いのいっぱいつまった一冊です。お手にとって頂ければ嬉しく存じます。(青木奈緒)(講談社『BOOK倶楽部メール』 2011年2月15日号より)

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