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2011年2月26日 (土)

日本ケータイ小説大賞に櫻井千姫著「天国までの49日間」に決まる

 スターツ出版と毎日新聞社が共催する同大賞の表彰式で櫻井千姫著「天国までの49日間」が同大賞とTSUTAYA賞を受賞。賞金100万円。2月23日に電子書籍化して発売。同24日に初版1万8000部で単行本が発売される。今回の応募数は9116作品。第1回の5倍になった。



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2011年2月25日 (金)

【エンターテインメント小説月評】(読売新聞)史実から紡ぐ最上の音楽

《対象作品》大島真寿美 『ピエタ』(ポプラ社)(心揺さぶる結末に、読者の胸には最上の音楽が鳴り響くに違いない。)/ 福田和代『迎撃せよ』(角川書店)(国防がテーマのサスペンス。ぐいぐいと読ませる。)/小説現代長編新人賞・塩田武士(たけし)『盤上のアルファ』(講談社)(あがく真田と、徐々に勝負の世界に惹(ひ)かれていく秋葉の姿に、胸が熱くなる。)/樋口毅宏『民宿雪国』(祥伝社)(読者の感情移入を拒むような展開でありながら、思いもせぬ結末へと一気に連れていく力量は、大したものだ。)(文化部 村田雅幸)
エンターテインメント小説月評2月

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2011年2月24日 (木)

同人雑誌季評「季刊文科」第51号2011年2月13日発行

◆勝又浩氏「文と事と人」
大野光生「迎え水」(「飃」84号、宇部市)、村田信子「海辺の駅の伝言板」(「みまん」、東久留米市)、山本恵子「弁財天の里」(「檸檬」22号、富山市)、二上法幸「あきちゃんとゲン」(「アルカイド」41号、大阪市)、山脇一利「金色のさかな」(「AMAZON」442号、尼崎市)、河井愀三「無窮動」(「龍舌蘭」179号、宮崎市)、福島弘子「タワー」(「時空」33号、横浜市)、同誌より平野潤子「桃」、加村政子「故郷崩壊」(「海峡派」119号、北九州市)、関谷雄孝「狐の首」(「小説家」133号、国分寺市)
◆松本道介氏「”文学が好きなのかなあ”」
冒頭、今号執筆の松原新一さんと主宰の同人誌「すとろんぼり」について
刺賀秀子「追憶」(「小説家」133号、東京国分寺市)、中田重顕「夏の日日記」(「文宴」114号、三重県松阪市)、西田宣子「おんじい坂」(「季刊午前」43号、福岡市)、同誌より井本元義「その日のアルチュール」、泉紀子「貝のふうりん」(「風の道」4号、東京都)、本誌「季刊文科」50号より村田喜代子「楽園」
●「同人誌の現場から」投稿は以下
「知と情の融合を」久保田匡子(「カンテラ」発行人)・「同人誌というもの」山之内朗子(「まくた」発行人)・「『法螺』のうちそと」西向聡(『法螺』主宰)・「メタフィジックな世界へ」東谷貞夫(「風の森・編集長)・「同人雑誌の経済学」桑原文明(吉村昭研究会 事務局長)・「文芸同人誌の小説と現在の高校生の小説との距離」和田伸一郎(「クレーン」編集者)・「表現する者として」竹中忍(「北斗」主宰)
(「文芸同人誌案内」掲示板・ひわきさんまとめ)

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2011年2月20日 (日)

著者メッセージ: 青木奈緒さん 『幸田家のきもの』

 最近、街できものを着ている人をよく見かけます。私がきものを着始めたのは、1970年。世の中に高度経済成長の勢いがあったこのころ、きものはちょっと古臭いイメージで、街できもの姿を目にすることはほとんどありませんでした。
 そんな中で祖母・幸田文は当時六歳の私に「洋服だけでなく、きものも着られるようになれば、楽しみは二倍にふくらむよ」と言い、家で普段に着られるきものの世話をしてくれました。
  今回、久しぶりに出すエッセイ集は、こんな着初めとなった普段着のきものの手ほどきから、一生きものを着通した祖母が私に教えてくれたこと、大人になったときにと支度しておいてくれた花柄のきものの話、また祖母亡きあと母と一緒に始めたきものの手あての方法など、きものをテーマに忘れられない思い出や日々の情景を描きました。きもののことはいつかきちんと書いておきたいと思いながら、構想からほぼ十年かかっています。その間に新たに加わったエピソードもありますし、子ども時代をふり返れば昭和のなつかしさも感じられます。ところどころに写真もまじえ、思いのいっぱいつまった一冊です。お手にとって頂ければ嬉しく存じます。(青木奈緒)(講談社『BOOK倶楽部メール』 2011年2月15日号より)

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著者メッセージ: 鴻上尚史さん 『八月の犬は二度吠える』

  そんなわけで鴻上です。通算、三冊目の小説を出しました。1982年の戌(いぬ)年に、「今年だけは、『大文字』の送り火を『犬文字』にしても、 京都の人は許してくれるんじゃないだろうか」という大胆不敵なことを考え
 た大学生達の行動と、24年後の物語です。
  僕自身、京都で浪人していまして、この物語は、その時の実話に基づいて います。青春の無意味と煌きだけではなく、その後、大人になった時に、「もう一度、あの時のバカバカしい行動ができるか?いろんなものを背負って、生きてきて、あの時代のことをどう思うのか?」ということを確かめたくて書きました。
  まずは、年を重ねてきた大人の人に読んでもらいたいです。で、なんか面白いことないかなあと欲求不満な若者にも。この物語が、あなたの忘れている何かを思い出すきっかけになれたら嬉しいです。(鴻上尚史)
(講談社『BOOK倶楽部メール』 2011年2月15日号より)

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2011年2月19日 (土)

現象は意味を与えるが自らを説明しない。

 2000年の後半に「文芸研究月報」を始めたが、同人誌情報については長く扱うつもりはなかった。やめようと思っていたところ、民主文学の文芸評論家・浜賀知彦氏から、「これは続けた方がいいよ」といわれ「ほら、ここに難波田さんがでているけど、この人はだね」と、南部文芸同人誌細目リストを見せてくれた。これがその当時月報に反映さされている。<「暮らしのノートPJ>ITO」復刻文芸研究月報」>浜賀さんは久保田正文さんと家が近く親しくしていた。今は浜賀さんは、療養中だと思う。
 ときおり奇妙なことを言い出す「わたし」であるが、今月で68歳になった。68歳という年齢の体験は「わたし」にとって生まれてはじめてのことである。これから何が起こるのか。目が見えなくなるのか、歯が抜けるのか、性が喪失したのち性欲が昂進したら「わたし」はどうなるのか?これから起こることを考えたら不安である。誰でも生きている限り毎年初めての歳を体験する。「はじめてだから不安」不安だといいながら、新年をめでたいと祝う。そうであるなら、不安になったら「めでたいと」祝ったらいいと思う。そこで、さらに奇妙なことを言ってみよう。タイトルは「新聞社は戦犯組織である」。そのひとつにこのサイト記事を示したい。「暮らしのノートPJ・ITO
アメリカと日本はアフガンにおいて戦時中であり、民衆を無差別攻撃する米軍を支援している。イラク戦争の時の米国新聞人は戦争を煽った。日本も同じだ。「新聞記事は常に戦争協力者であり戦犯である」ことを忘れてはならない。存在という現象は意味を与えるが自らを説明しない。いま、なぜこうなのかを考えて読む必要がある。

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2011年2月17日 (木)

第39回「詩と眞實」賞は、木下恵美子氏「死の島」に決まる

  文芸月刊誌「詩と眞實」2月号(熊本市)に、第39回詩と眞實賞の発表と選考経過がある。散文の部(小説)で木下恵美子氏の「死の島」が選ばれ、韻文の部(詩)は該当作なしであった。(以下、同誌の選評より転記)
『投票総数は52票で、韻文の部では、日岡太郎さんが5票で最も多かったが、10票に達せず今年は該当作なしになった。
  木下恵美子さんの小説「死の島」(新年号)が、15票を獲得し受賞決定。次点は広坂隆治さんであった。
木下さんの「死の島」では、優子が博志と結婚、性生活の破綻か不妊ゆえか、夫が外に女を作り子供を生ませた。このため、優子は離婚し故郷の死んだような島へ逃げ帰る。そこには、骨董中野・桜饅頭・だるま食堂といった古いカビの生えたような商店街があり、傷つき戻ってきた優子に安らぎを与える。坂の上の刑務所側の二見荘、昼なお暗い糸杉に覆われた2階建の古いアパート1階で失意の日々を過ごしていると、真上の2階で20歳くらいの男が女を呼び込み夜々エロスの饗宴、優子は博志との結婚生活を思い出し、女としての性に目覚めてゆく。女性の性の深淵を情感豊かにリアルに描いている。
  骨董中野の底知れない暗さの中に、自分より暗いものを感じて慰められ、暗い海に灯台の明かりを見出した思いになる。不動産屋の青木は男の嫌らしい一面を見せつける。明治時代の五大刑務所の一つとされる刑務所の内部描写には迫力がある。死の島(死んだように澱んだ島)に再開発の波が押し寄せて来た時、優子は自分本来の明るく有能な自分を取り戻し、都会に出て再出発する。離婚による失意から立ち直るまでの心理小説として読み応えがある。』
発行所=〒862-0963熊本市出仲間4-14-1、詩と眞實社。編集発行人=今村有成。
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テレビが新聞を読み上げる時代になりました。情報ルートが単純化して選択の自由が失われつつあります。情報の多様化のため「暮らしのノートPJ・ITO」起動させました。運営する団体・企業の存在感を高めるため、ホームページへのアクセスアップのためにこのサイトの「カテゴリー」スペースを掲示しませんか。文芸同志会年会費4800円、同人誌表紙写真、編集後記掲載料800円(同人雑誌のみ、個人で作品発表をしたい方は詩人回廊に発表の庭を作れます。)。企業は別途取材費が必要です。検索の事例

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2011年2月13日 (日)

文芸季評(読売新聞2月12日)安藤礼二氏

「移動」がもたらす変容
《対象作品》村上龍「歌うクジラ」(講談社)/町田康「どつぼ超然」(毎日新聞社)/温又柔(おん・ゆうじゅう)「来福の家」(集英社)/津島佑子「黄金の夢の歌」(講談社)/平野啓一郎「かたちだけの愛」(中央公論新社)。

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2011年2月12日 (土)

アマゾンジャパン 出版社別 年間売上ベスト100 (2009年)講談社、角川、集英社の順

「新文化」2010年2月25日号に、アマゾンジャパンが発表する2009年の出版社別 年間売上げランキング100位が掲載された。
アマゾンジャパン 出版社別 年間売上ベスト100 (2009年)順位 出版社名 前年比
1 講談社 同順位/2 角川グループパブリッシング 同順位/3 集英社 同順位/4 小学館 同順位/5 新潮社 1 UP/6 ダイヤモンド社 1 DOWN/7 エンターブレイン 2 UP/8 学習研究社 同順位/9 岩波書店 2 DOWN/10 ソフトバンククリエイティブ 1 UP/11 日経BPグループ 1 DOWN/12 幻冬舎 3 UP/13 文藝春秋 1 DOWN/14 PHP研究所 1 DOWN/15 スクウェア・エニックス 11 UP/16 日本経済新聞出版社 2 DOWN/17 徳間書店 1 DOWN/18 翔泳社 同順位/19 医学書院 4 UP/20 メディアファクトリー 8 UP/21 東洋経済新報社 4 DOWN/22 日本放送出版協会 2 DOWN/23 朝日新聞出版 2 DOWN/24 河出書房新社 7 UP/25 ワニブックス 3 DOWN/26 宝島社 13 UP/27 コアマガジン 6 UP/28 インプレスコミュニケーションズ 1 UP/29 筑摩書房 4 DOWN/30 主婦の友社 6 UP

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2011年2月11日 (金)

ネットメディアは「一方的な情報発信」と批判(読売新聞)

 読売新聞は、2月11日付けの社会面で、「政治家 ネットを重用」「主張存分に/「一方的」疑問も」という見出しで、ネットを利用したニュース報道に批判的な意見を盛り込んだ記事を掲載している。写真は小沢衆議院議員で、キャプションに「自由報道協会主催の会見に出席した民主党の小沢元代表」とある。(参照:暮らしのノートPJ・ITO「小沢元代表(民主党)の会見から(1)主催・自由報道協会(仮称) 」 。
 記事で、小見出しに「好意的な質問」とあり「小沢元代表は『政治とカネ』の問題で追求を続ける新聞・テレビに不信感を募らせているとされる」「これに対しネットメディアはそれらに、好意的な質問が多いことなどが元代表がネットを好む理由のようだ」としている。
 このなかで、谷藤悦史・早稲田大教授(政治コミュニケーション論)の意見として「記者が重要性を判断して発言を編集する新聞やテレビのニュースと違って、ネットメディアは政治家が時間を気にせずに話せるとうになっているとされ」「政治家は批判的な質問を避けて、一方的な情報発信が続くなら問題だ」と、ネットメディアに批判的なコメントをとっている。
 同時に、西垣通・東大教授(メディア論)は、「政治家を身近にし、発言を一気に広めるネットは情報発信の手段として有効だが、民主主義の道具としてはまだ熟してはいない。本来は不雑なはずの政治問題が深く議論されないまま、一部の意見だけが波のように増幅させて伝わる危険を忘れてはなない」と話している。――と、ネットメディアが「民主主義の道具としてふさわしくない」とする意見を記事にしている。
(参考:この記事は、ブロガーが重要性を判断して記事を編集して掲示しています)
 これは、大資本・大企業がテレビメディアと新聞紙面の独占による報道の効能を害するものとしてのネットメディアを見ていると受け取れる。

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2011年2月 9日 (水)

「文芸時評」2月号 早稲田大学教授・石原千秋

 仕掛けの妙か文体の一貫性か
「文芸時評」2月号 早稲田大学教授・石原千秋(産経ニュース)

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2011年2月 7日 (月)

第62回読売文学賞 小説賞 桐野夏生

流石!こういうふうに紹介されると読みたくなりますね。
第62回読売文学賞 小説賞 桐野夏生-引用ー
作中、当時の憲兵が正体不明の「従卒」として登場するが、この人物の描写がすばらしい。絶対的に価値観の異なる人間が、そうとは気がつかせない親しみある顔であなたにつきまとい、あなたの隙をつけ狙いつづける、そのこわさ。価値観の共有が前提になっている小説が溢(あふ)れるなかで、この作品では、不条理である現実世界がリアルに迫ってきて、現在の「閉塞感」を解く鍵もここにあるような気がした。(津島佑子)
          ◇
 ◇きりの・なつお
 作家。1951年金沢市生まれ。93年、江戸川乱歩賞。『OUT』で日本推理作家協会賞、『柔らかな頬』で直木賞、『残虐記』で柴田錬三郎賞、『東京島』で谷崎潤一郎賞を受賞。

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2011年2月 6日 (日)

ツールとしての情報利用について

西村賢太氏が2003年、同人誌「煉瓦」28号に「墓前生活」を発表。<暮らしのノートPJ・ITO「2003年文学界12月号同人誌評」リスト
金原ひとみ氏が2004年同人誌」「ゆず」(岡山市)に「ヴァンパイア・ラブ」を発表の記録。<暮らしのノートPJ・ITO「2004年文学界3月号同人誌評」リスト
  情報を蓄積すると、どのようなことがわかるかを、「復刻文芸研究月報」サイトからとってみますと、芥川賞作家となった西村賢太氏や金原ひとみ氏が同人誌で鍛えていた事例がわかります。

 この欄は、文芸情報から社会を観察するひとつのツールですので、その情報をどう活用するかは、自由でいいのではないでしょうか。たまたま、石塚さんのコメントがあり「単に内容紹介、どこそこに取り上げられた、などの現象面のみ羅列する行為に終始」という指摘がありますが、まさにそれです。こういう社会だと、自分はどうするかの判断の材料、ツールで、ほかに何の考えも示せません。同人誌は一部の現象であり、それを主体にしてはいません。もともと「文芸研究月報」を発行していた時代からそうでした。たまたま、同人誌に参加されている方が興味を示されているだけのことだと思います。それでも日に約300PVのうち、同人誌欄は10PV程度で、ほかの興味での閲覧がほとんどです。同人誌情報はいちばんメディアから欠落しているので、それを補完するつもりで扱っています。振興には協力しますが、たまに同人誌情報があればいいのでは。同人誌の作品を職業作家の作品と同列に論じる気はありません。その生産過程を考えれば同人誌作品は、個人的な表現、生活日誌や遺書と同じジャンルです。職業作家には純文学作家なら芸術家精神があり、娯楽作品作家には エンタティナーライターの姿勢があります。その姿勢が基本的にちがいます。それは大江健三郎氏が、大学の新聞に「奇妙な仕事」を発表した同人誌作家状況から、職業作家に転向するまでの経過にあらわれています。継続的にテーマを見つけて芸術家になるにはある飛躍が必要なのでしょう。その仕事をぶりを石川淳がみていたらしく、「万延元年の~」のあたりで、彼は道を見つけたという意味の評論をしていた記憶があります。同人誌作品紹介はよく贈呈されるので、読んで意味がありそうな(いいかげんな価値基準です)でやっています。最近は、「文芸同人誌案内」の活躍で、当方の役割は終っていると思います。まもなくやめるつもりでいますが、会員のなかには「(頼んでもいないのに)本が送られてくるのは、何か役に立っていいことをしているのだから、やった方がいいですよ」とか、コメントなども否定的でないので、どうするか考えています。
 

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2011年2月 5日 (土)

詩の紹介  「帰省」  タカハシ義和

「帰省」    タカハシ義和
いつもの見慣れた地方の/プラットホームの上空には/小さなアキアカネが/夕暮れの薄明の蒼い空に/リズミカルに群れ飛んでいる/飛行機雲も滑ってゆく

南紀8号車自由席出入り口前には/十人ほどの列ができ/私も最後尾に並びながら/たまの東京の往来でも/この時間に乗るのは久しぶりだ/乳幼児をそれぞれ胸に抱いた若い夫婦や/写真機の三脚らしい長い包みを背負った若者や/子連れの一家や/みな席に座ったようだ/私も二人がけの空席に腰を下ろし/過ぎ行く家並みや/遠く黒ずむ山並みをぼうっと追い/たった四日間の田舎暮らしで/草払い機で犬小屋の前の雑草を払い/鎌で小さな畑のまわりの草を刈り/今日一日の腰の張りを心地よく感じなから/田舎暮らしの楽しさって何だろうと/今頃になっても思案したりしている
(同人誌・「砂」第115号より 2011年1月  東京・砂の会)

紹介者・(詩人回廊) 江素瑛
昔、幾年か住んでいた田舎だろうか、作者は帰省電車のなか、昔なら風景の一部を今は、傍観者のように眺めている。
とけ込もうとする気にはないようだが、たった四日間の田舎暮らしで、雑草刈りなど、田舎の人間らしき自然と向き合っている。田舎の人間は、日常生活の、楽しさや苦しみをわざと考えることもない。なぜか作者は田舎暮らしの楽しさって何だろうと思案する。それは長い都会生活で、つねに人工的なものと向き合わされるからであろう。田舎は凧を飛ばした手である、時々都会の風に乗って遠くへ飛んでいく凧の糸に、呼び戻されようとしているのではないか。

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2011年2月 4日 (金)

時のながれは5年ひと昔の時代に

 小説を書かかねば、と思いながら頼まれ事をこなしている内にのびのびとなっている。響ルームの事務所移転の事情が大きく影響した。経費負担も出た。それでも年初から文芸活動に力をいれているつもりだが、時代による変化の激しさは10年ひと昔から5年ひと昔の変化である。現在、ビジネスの世界ではスモール・イズ・ビューティフルという動向がある。文芸活動は個人活動であるから、もっともスモールな活動である。その個人活動ぶりが、小企業に参考になるのであろう。問い合わせがきて相談を受けることが増えた。作って売るという作業が物づくりと同じであるということなのか。時代の流れで活動するというのは、小説を書くより面白い。おとといは横浜で、きのうは蒲田で鉄工所の漫画「なっちゃん」(集英社)の作者・たなかじゅんさんに出会った。《参照:たなじゅんのよもやま日記》展示会のブースを手伝っていた。創作漫画が企業や自治体の目にとまり、社会活動にまでひろがっているのだ。わたしは《暮らしのノートPJ・ITO》で扱っている。またこれから会場に行かねば。
 そればかりやってはいられないので、《「グループ桂」のひろば》で、本来の同人誌が外に発信すべきと思うことを実施している。ほかの同人誌の作品紹介にまではまだ手が届かない。

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2011年2月 3日 (木)

流対協が大手取次社の「公安テロ情報本」販売拒否に抗議文

小規模出版社98社による流対協は、 『流出「公安テロ情報」全データ』(第三書館)の第3版を、日販・トーハン・大阪屋・栗田・太洋社の取次5社が販売拒否していることに対し、1月31日付で抗議文を発表した。同書は、第三書館が東京地裁の仮処分命令に従って、個人情報部分を黒塗りにしたもの。取次各社は委託配本、客注販売を拒否し、その理由も明示していないという。抗議文では「出版・表現の自由は、流通の自由によって保障される。取次各社の行為はそれらを否定するものだ」と強く抗議している。



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2011年2月 2日 (水)

西日本文学展望「西日本新聞」(1月31日朝刊)長野秀樹氏

題「患者と医者」
河津武俊さん「雲の影」(『耳納連山』所収、鳥影社)、足立正男さん「ホス・ピク物語」(「竜舌蘭」180号、宮崎市)
『動物のいるはなし』(書肆草茫々発行、佐賀市)
「みずかがみ」6号(福岡市)より守静坊覚さん「彦山木練坊と阿蘇山竜女」、「火山地帯」164号(鹿児島県鹿屋市)より立石富生さん「思い出日和」と出利葉伊佐夫さん「親の重し」
(「文芸同人誌案内」掲示板・ひわきさんまとめ)

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