著者メッセージ: 江波戸哲夫さん 『起業の砦』
“聞くも涙”の「就職・困難・時代」が、長いこと続いています。
新卒学生は就活に訪ね回ったいくつもの企業から「残念ながら」といわれ続けていますし、一旦はなんとか滑り込んだサラリーマンも、前途の見えなくなった企業から次々と切り捨てられています。(講談社『BOOK倶楽部メール』2011年1月15日号より)
本書は、「ならば自分で自分の仕事場を創ってしまおう」と動き始めた二人の男のドラマを描きます。二人はたまたま父息子でした。父の田中辰夫(49歳)は、古巣の不動産業界で画期的なビジネスモデルを編み出し、かつて自分が首を切った部下たちと共同戦線を張ることを目指します。
息子の田中雅人(24歳)はブラックIT企業の腐った上司に辞表を叩きつけて旧友とタッグを組み、ネット商売を一変させるアプリケーションソフトの開発に、全身全霊を打ち込みます。
二人は微妙にすれ違い、かつ助け合いながら、同じ時期に伸るか反るかの大きな勝負のときを迎えます。本書を手に取り、二人の思い切ったチャレンジに伴走していけば、読者の胸の中に、(おれにも会社が創れるかもしれない)という思いがふつふつと沸いてくること請け合いです。(江波戸哲夫)
| 固定リンク
コメント