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2010年12月31日 (金)

西日本文学展望「西日本新聞」12月29日朝刊「西日本文学展望」長野秀樹氏

題「交流」
林由佳莉さん「地蔵の絆」(「九州文学」第7期11号、福岡県中間市)、吉岡孝信さん『オープンスクール』(鳥影社発行)
<一年を振り返って>
メインで掲載作品を2回以上取り上げたのは「九州文学」、「詩と真実」(熊本市)、「火山地帯」(鹿児島県鹿屋市)、「午前」(福岡市)、「季刊午前」(福岡市)、「竜舌蘭」(宮崎市)
男女比は女性11人、男性13人
ベテラン健在で、安心して読める作品が多いが、(略)新しい書き手が増えてきている
作品として、後藤みな子さん「樹滴」(すとろんぼり」)
(「文芸同人誌案内」掲示板・ひわきさんまとめ)

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2010年12月30日 (木)

文芸時評12月(東京新聞12月27日)沼野充義氏

昭和舞台に奇妙な交錯「赤の他人の瓜二つ」磯崎憲一郎/「書く」を問う思考実験「これはペンです」円城塔
《対象作品》磯崎憲一郎「赤の他人の瓜二つ」(群像)/円城塔「これはペンです」(新潮)/松波太郎「イールズ播地郡」(すばる)/綿矢りさ「自然に、とてもスムーズに」(文学界)。

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2010年12月29日 (水)

文芸時評12月(毎日新聞12月27日)田中和生氏

<家族的な空間>現代日本の切実な主題/繰り返し挑み到達点に。
《対象作品》佐川光晴「あたしのいい人」(すばる)/島本理生「アンダスタンド・メイビー」(中央公論新社)/綿矢りさ「自然に、とてもスムーズに」(文学界)/多和田葉子「穴あきエフの初恋祭り」(文学界)/磯崎憲一郎「赤の他人の瓜二つ」(群像)/円城塔「これはペンです」(新潮)。

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2010年12月28日 (火)

【文芸時評】1月号 早稲田大学教授・石原千秋

「翻訳」せずには楽しめない
《対象作品》映画『ノルウェイの森』/『群像』連載特集「戦後文学を読む」大岡昇平『武蔵野夫人』/『群像』政治学者の苅部直が「安部公房を読む」連載/水村美苗「ノーベル文学賞と『いい女』」(『新潮』)。
【文芸時評】1月号 早稲田大学教授・石原千秋

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2010年12月27日 (月)

「季刊文科」50号から~増田一郎「彩雲」発行人のレポート

 〈同人雑誌の現場から〉の欄に「文学と同人誌の役割」という題で、同人誌「彩雲」《参照:同人誌「彩雲」のひろば》発行と第3号までの経緯が印刷費や会費などの実情を交えて記されている。
 冒頭では同人雑誌の意義についてこう述べている。「戦後の食糧難を克服するため家族共々開拓地に入植し、原野を一鍬一鍬開墾しながらわずかな食料を収穫して独力で生き延びた。その過酷なまでの境遇を生き抜いたことで、強靭な肉体と精神力が厳しい時ほど強く求められることを知った。そこには勿論、邂逅によって得られた大勢の人達の力添えを忘れてはならないが、もっともっと大切な物があることにきづいた。ややもすれば挫けがちな自分を支えてくれたもの、それは微かではあるが、心の中に文学の灯火を燃え続けたことが大きな要因だったと自負している」とまずある。
 生活を支える精神の確認の場として、同人雑誌の存在理由のひとつであることを示しているのが鋭い。小説の技巧や、文章修業の成果を発表する場のほかに、生活の思いの表現を発表する機能があることが、同人誌を維持継続させる原動力であることを再認識させられる。この要素を自覚すれば、同人雑誌が今後さらに力強い拡大を続けることが予測できるはずだ。

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2010年12月24日 (金)

「2011大学読書人大賞」の候補6作品決まる

全国47の文芸サークルに所属する大学生が選んだ「2011大学読書人大賞」(主催・出版文化産業振興財団、同賞実行委員会)の候補作が12月17日に発表された。最終決定は来年4月。
候補作は、『インシテミル』(米澤穂信)、『虐殺器官』(伊藤計劃)、『告白』(湊かなえ)、『これからの「正義」の話をしよう』(マイケル・サンデル)、『砂漠』(伊坂幸太郎)、『天地明察』(冲方丁)の6作品。同賞は「大学生に読んでもらいたい本」を学生自身が選ぶもの。

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2010年12月23日 (木)

詩の紹介 「ぬぐえぬ思い」 山本祐子

ぬぐえぬ思い     山本祐子

明くる日の朝の眩しい光の中で/わたしは息子の話にしっかり耳を傾けていたが/心が暗くなった

原子力の技術はうちの会社が/世界一のお墨付で/アラブ諸国で落札が間違いないと云われていた/その寸前で隣国の巻きかえしにあい/ビジネスの花を咲かせることができなかった

接待も交際費も削り/家族と憩い時間も捨て/相手を思い丁寧に進めてきた交渉/一瞬 なんかあったのか/異様な空気の淀みを感じさせられた世界の裏

よその国では大統領自ら/営業マンとして受注競争に参加/口と心の距離の長い日本の政治に/未来を思う気持が静まらず/わたしは秋の丘を急いで歩いた
「時間と空間」第64号より2010/12/20東京都小金井市 時間と空間の会

(紹介者・江素瑛)
原始力の技術を売る日本のビジネスは、昔なら歴史ある商社らは誇って勝算率が高い。このごろは力強い競争国が現れる。おいしい条件と政治を絡ませた他国の裏作戦に日本は、時々負けてしまう。が、信頼のある技術も捨てがたい、縁の下で活動しているのだろう。
「口と心の距離の長い日本の政治に」日本の官僚政治は、確かにまどろこしい、「ぬぐえぬ思い」である。しかし、塞翁失馬、焉知非福―人間万事、塞翁が馬、そのとき悪いと思えることが、あとで幸いすることもある。じっくり情勢を観察することは、塞翁の得ということもあるのでは。  

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2010年12月22日 (水)

文芸同人誌評「週刊読書人」(2010年11月12日)白川正芳氏

河村剛『家系の記』(私家版)、「試想」7号より高口智史「大岡昇平『野火』を読む」・前田角蔵「文学的価値=<関係の豊かさ>論覚書」・綾目広治「格差の中の現代文学」、「弦」12号より石坂千絵「歌人研究 辺見じゅん」・池部良「御羽車に始まる。」、「白雲」30号15周年記念号より草場白岬の表紙絵解説、「吉村昭研究」11号より栗原正哉「吉村さんからの手紙」・編集部「近刊から・執筆者短信」
小島義徳「星は薔薇色の涙を流さない」(「出現」創刊号)、松田静偲「新米助役奮闘記」(「鉄道林」50号)、星川ルリ「死角の人」(「美濃文学」82号)
(「文芸同人誌案内」掲示板・ひわきさんまとめ)

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2010年12月21日 (火)

森美根子氏の見識が光る『台湾を描いた画家たち─日本統治時代 画人列伝』

  『台湾を描いた画家たち─日本統治時代 画人列伝』(森美根子著・産経新聞出版)は、日本統治期に活動した台湾人18人(倪蒋懐、黄土水、陳澄波、藍蔭鼎、陳植棋、顔水龍、楊三郎、李石樵、李梅樹、李澤藩、廖繼春、洪瑞麟、蓼徳政、許武勇、林玉山、郭雪湖、陳進、林之助)、それから台湾の風物に魅せられた日本人3人(石川欽一郎、塩月桃甫、立石鐵臣)、合計21人の作品と精神を紹介したもの。

  台湾と日本の文化交流は、植民地として日本が統治した時代の影響を多く受けている。それが絵画の世界ではどうような様相を呈していたのか。画人列伝としての作品と境遇が仔細に追跡されている。とくに著者は、人間の絵画を生命体の発する輝きとしてとらえているらしく、アーチストの作品を徹底した鑑賞眼をもって検証している。この時代の台湾と日本の絵画交流を生命体と生命体の出会いとする意識によって、論評の普遍性、公平性に説得力をもつ。
  作品を言葉で的確に表現する筆力に長け、自由と自律性を尊ぶ精神がにじみ出ている。国際的な情勢にゆさぶられてきた台湾の歴史は、日本にとっても未来のあり方を示唆するものをもっており、さまざま歴史観のなかでの文化交流の基本姿勢に学ぶべきものがある。

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同人誌時評「図書新聞」(2010年12月11日)(10月)福田信夫氏

『異土』創刊号(文学表現と思想の会)、『出現』創刊号より小島義徳「星は薔薇色の涙を流さない」・渡辺たづ子「父のいる病室」
『季節』5号より吉井よう子「インテルメッツォ」と「小笠原克書誌(2)」、『VAV』15号より成田昭男「詩人ヨシフ・ブロツキーと魂の往還」・陶山幾朗「真昼の喧噪-パステルナークの光景(六)高見順-『文士』と政治」、『播火』77号より柳谷郁子「望郷-姫路広畑俘虜収容所通譚日記」・諸井学「『嵐が丘』の向こう側」、『半獣神』89号より安芸宏子「『山中湖文学の森・三島由紀夫文学館開館一〇周年記念フォーラム』に行って」、『構想』48号より崎村裕「信濃地名考-小諸」、『笛』253号の「特集・濱口圀雄を回顧する」より小川重明「『濱口圀雄特集』詩集の頃」・ゆき・ゆきえ「濱口作品『地獄の話』考」、『雲雀』9号の特集1より鼎談「原民喜を語る」(海老根勲、原時彦、ウルシュラ・スティチェック)・皿海達哉「原民喜の『絶望』をめぐって」・竹原陽子「原民喜の木箱-<死>を超える嘆きと魂」・「原民喜展 展示資料目録」・特集2が「追悼・代表安藤欣賢さん」で海老根勲・天瀬裕康・長津功三郎、『始更』8号の「特集 幸田文Ⅱ」より増田みず子「幸田文-終わりから始まりへ」・野村忠男「記録として」・下中美都「『幸田文の言葉』から見つけた、現代のなくしもの」、『風土』10号の山川禎彦追悼特集より河上迅彦作成年譜「山川禎彦の作品」・山川久三「道の半ばに-山川禎彦のこと」・猪野睦「追悼であるようなないような」同誌より猪野睦「満州時代の作家たち(二)-塙英夫」、『朝』29号の「追悼・宇尾房子」より中田耕治・加藤幸子・庄司肇と中村俊輔作成の「宇尾房子作品年譜」、中村俊輔の宇尾房子作品第一集『双頭龍』より中村桂子「宇尾房子作品案内」
今回もコピーを送ってくださった馬の骨さん、ありがとうございます。
(「文芸同人誌案内」掲示板・ひわきさんまとめ)

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2010年12月20日 (月)

 安藤礼二、石原千秋、斎藤美奈子、田中和生、沼野充義、5氏が選んだベスト3

5氏が選んだベスト3
★安藤礼二(文芸評論家)
 ・大江健三郎『水死』(講談社)
 ・阿部和重『ピストルズ』(講談社)
 ・東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社)
★石原千秋(早稲田大学教授)
 ・井上ひさし『一週間』(新潮社)
 ・辻原登『抱擁』(新潮社)
 ・柴崎友香『寝ても覚めても』(河出書房新社)
★斎藤美奈子(文芸評論家)
 ・広小路尚祈(なおき)『うちに帰ろう』(文芸春秋)
 ・木村友祐『海猫ツリーハウス』(集英社)
 ・中森明夫『アナーキー・イン・ザ・JP』(新潮社)
★田中和生(文芸評論家)
 ・小川国夫『弱い神』(講談社)
 ・辻原登『闇の奥』(文芸春秋)
 ・絲山秋子『妻の超然』(新潮社)
★沼野充義(東京大学教授)
・辻原登『闇の奥』(文芸春秋)
・朝吹真理子「きことわ」(「新潮」9月号)
・多和田葉子「雪の練習生」(「新潮」10~12月号)
(2010年12月14日 読売新聞)

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2010年12月19日 (日)

文芸時評12月(読売新聞12月14日)待田晋哉記者

「悪」の追求切実な主題…文芸(読売新聞12月14日・文化部待田晋哉)
《対象作品》村上春樹(61)『1Q84』(新潮社)/中村文則(33)『悪と仮面のルール』(講談社)/中村文則(33)『悪と仮面のルール』(講談社)/高橋源一郎(59)『「悪」と戦う』(河出書房新社)/島田雅彦(49)『悪貨』(講談社)/田中慎弥(38)『実験』(新潮社)/星野智幸(45)『俺俺』(同)/赤染晶子(36)『乙女の密告』(同)/角田光代(43)『ツリーハウス』(文芸春秋)/阿部和重(42)『ピストルズ』(講談社)/小川洋子(48)『原稿零枚日記』(集英社)/辻原登(64)『闇の奥』(文芸春秋)/絲山秋子(44)『妻の超然』(新潮社)/奥泉光(54)『シューマンの指』(講談社)/山田詠美(51)『タイニーストーリーズ』(文芸春秋)/黒井千次(78)『高く手を振る日』(新潮社)/朝吹真理子(25)『流跡』(同)。「きことわ」を「新潮」9月号に発表。東浩紀(39)『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、三島由紀夫賞)。(2010年12月14日 読売新聞)

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2010年12月18日 (土)

詩の紹介 「後からくる者」 関中子

後からくる者    関中子

人の希望は人がつないでいくもの/そんな簡単なことわりが重要です/人を長く生きすぎても/生きるときが短すぎても

生きたい/生きる思いを日々かなえたい/百歳までの長寿の人が現れて/また人の残した作品がもてはやされ/わたしがあなたの希望で/あなたがわたしの思い出になる

いくつもの恋/いくどもの機会/いくえもの愛/いくたびものあこがれ

あらゆるものはいつも終焉に向かい/死を得る/のに はじまりをあとからくる者に指摘される

関中子詩集「話すたびに町は旅する」より 東京新宿区 土曜美術社出版販売
(「詩人回廊」関 中子の庭

(紹介者・江素瑛)「詩人回廊」
人は希望がある、後になるものは、先になった者の遺産を抱き、足跡を踏み、世代から世代へ、千年の旅をする。人の生活している町は、人の希望により、時代の変遷とともに、町は変容し時空の旅をする。
「わたしがあなたの希望で/あなたがわたしの思い出になる」わたしとあなたは、生きていても、死んだあとも、「承先啓後」があり、生きるということは人と人の心のつながりであることを唄っている。 

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2010年12月17日 (金)

個人文芸紙「イリノスケッチ IRINO SKETCH」5号(2011年1月)

 玉城入野のA3一枚の文芸紙である。創刊が08年11月で本号が5号目、情報紙風な体裁だが、都内のショップなどに置いてもらっているらしい。掌編小説が読みきりである。家庭的な味つけに、小窓から外を覗くような人間世界を描く視点がベースになっていて、どれも短い中に奥行きがある。
《参照:「Irino Sketch」のたねあかし
 一方の面には、「東京ポリポリ」という連載小説。女性相手のセックスの売りをしている男三人の物語で、フォバークラフトの運航のような筋の運びがスマートで面白い。素材の選びと料理裁きになかなかの旨味がある。どうなるのか。
 連載エッセイ「散文民報」は、理屈っぽいが、散文を散文として意識させる啓蒙として良いのかも。映画評論「視えない光に向って」は、紹介された映画が見たくなる。なんだかジェイムス・ギャグニーとワイルダーの取り合わせの映画まで観ているなんて驚き。だいたい人に話すことも思いつかない。
 三原由起子「YUKIKO SKETCH」短歌とエッセイ。時は往きて還らずの切なさ。

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2010年12月16日 (木)

文芸同人誌評「週刊読書人」(2010年12月3日)白川正芳氏

飯塚静治「野良の昆虫記 カブト虫」(「農民文学」291号)、須佐知行「木喰彷徨」14(「虚空」39号)、「未定」15号より藤井経三郎「記憶の雲を追って」、「文藝軌道」10月号より登芳久「森敦における意味の変容」
米沢朝子「水際まで」(「全作家」79)、清水信「中園英助の人物伝」(「北斗」10月号)、工藤力男「日本語雑記」(「成城文芸」211号)、荻生活田浩「山の声」(「ベルク」110号)
(「文芸同人誌案内」掲示板・ひわきさんまとめ)

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2010年12月15日 (水)

第27回織田作之助賞に金原ひとみさん「トリップ・トラップ」

 第27回織田作之助賞(大阪文学振興会主催)は、金原ひとみさんの「トリップ・トラップ」(角川書店)に決まった。賞金100万円。
 金原さんは昭和58年、東京都生まれ。平成15年「蛇にピアス」で芥川賞を受賞した。「トリップ・トラップ」は、奔放な10代を生きた女性が結婚して母になるまでの10年間に経験するさまざまな葛藤と人間的成長を描いた短編集。同振興会会長で選考委員の作家、辻原登さんは「作家としての実りを感じさせる本年屈指の小説」と評した。(産経ニュース2010.12.13)

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2010年12月14日 (火)

詩の紹介   「土の山」井上和子

      土の山   井上和子

山の風影/見上げれば/樹木が茂っている/緑の中で/山肌が目立つ/
空間は/赤茶けた土の山

風の流れが変わっていく

雨 風にさらされる/もろくなっていく/土の山
伐採されていく/森の樹木が多い

植林しても/育つのは/次の世代

宅地になると/生息している/野生の植物が消えて/昆虫 動物たちの/棲み処が消えていく

森の生命は自然の営み/壊すのも人間/守るのも人間

森が泣いている/森が消えていく/叫び声が聴こえてくる
詩誌・田園(岩礁改題)145より 2010年冬 岩礁の会三島市

(紹介者「詩人回廊」江素瑛)
人間はよくばりだ。一番住み良い平野だけは満足することができない。海にも山にも、宇宙さえ手を出してしまう。
鬱蒼とした森の痛々しい山肌、樹木や生物が邪険にされて傷だらけ。繰り返されてきた破壊は、回復しようがない。
「森が消えていく」、機械で壊すのは簡単、愛の心で守ることは難しい。人間の心に警鐘を鳴らす、警世の詩である。

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2010年12月12日 (日)

同人誌評「季刊文科」第50号2010年11月13日発行

◆松本道介氏「めぐりあわせ」
「季刊作家」(72号)柳瀬道夫「戸羽川へ」、難波田節子「遠ざかる日々」(「季刊遠近」東京都)、飛田一歩「千川の椅子」(「湧水」46号、東京都)、長嶋公栄「あの人の息遣い」(「グループ桂」62号、鎌倉市)、「山形文学」99集(山形市)はしん・りゅうう<「アディオ」と「さようなら」>、同誌の笹沢信「ヲロシャ国漂流譚」、西向聡「怨-西南役綺譚(「法螺」63号、交野市)、久保田匡子「レクイエム」(「カンテラ」23号、西宮市)、立石富生「時の日和」(「火山地帯」162号、鹿屋市)
◆勝又浩氏「純文学精神」
窪田真衣「距離」(「法政文芸」6号、東京都)、納富泰子「崖くずれ」(「胡壷」9号、福岡市)、同誌のひわきゆりこ「小倉まで」、森ちえ「幕引きのときまで」(「海峡」24号、今治市)、松尾亮「お墓まいり」(「AMAZON」441号、尼崎市)、同誌の後藤敏春「雪舞い星消え」、西澤建義「小波」(「文芸復興」122号、東京都)、「危険な昼下がり」(東京都)「針生一郎と危険な昼下がり」という「読書会」発行のあらきこうすけ「靴のはなし-純粋『記憶の文法』批判-」、「土曜文学」(5号、立川市)あきらこうすけ「職さがしの話」と坂本良介「記憶の文法」、「風土」(10号、南国市)「山根禎彦追悼集」氏の長編「あかねの世界」、杉本増生「観音乙女」(「半獣神」89号、高槻市)
●「同人誌の現場から」
「縦横連帯考」清水信(中部ペンクラブ顧問)・「交流を糧(かて)として」森啓夫(「文学街」主宰)・「文学と同人誌の役割」増田一郎(「彩雲」編集発行人)・「若林つやと矢田津世子」堀江朋子(「文芸復興」代表)。
(「文芸同人誌案内」掲示板・ひわきさんまとめ)

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2010年12月10日 (金)

西日本文学展望「西日本新聞」12月1日朝刊長野秀樹氏

題「焦点化」
随筆作品より、白石範子さん「ミミとチビー二匹の猫のはなし」(「あかね」87号、鹿児島市)、山下真一さん「もや風呂」(「雑草あらくさ」16号、福岡県筑後市)
「あかね」今号の課題は「あの日あのころ」で、四本タエコさん「辛夷(こぶし)の花」、米満淳子さん「父の哀(かな)しみと共に」
「草茫々(くさぼうぼう)通信2号は草市潤さんの特集
小説では、「すとろんぼり」9号(福岡県久留米市)より後藤みな子さん「高円寺へ」、松原新一さんと岩佐裕見さんの対談「呼び戻される<家族>」
古岡孝信さんの文芸個人誌「二十一せいき」16号(大分市)より「風が哭(な)く」
福岡市文学館(中央区天神)と福岡市総合図書館(早良区百道浜)での企画展「檀(だん)と真鍋(まなべ)」の同名の図録
(「文芸同人誌案内」掲示板・ひわきさんまとめ)

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2010年12月 9日 (木)

 「第11回文学フリマ」における60歳代~70歳参加体験レポート(1)

 12月5日(日)に開催された「第11回文学フリマ」に文芸同志会も、例年どおり参加した。
今回は独りで店番をしたが、なにしろ520ブースの参加とあれば、埋没するのは必至と思い、席を空けてもっぱら会場の見物に力を入れた。2階も賑わっていた。
 今年で70歳の野田吉一氏の「幻魚水想記の会」では9万円ほどかけて新作と旧作を増刷し、運び込んだダンボールの本の在庫がかなり減っていて売れ行きが好調だった。しっかりした本格的で個性の味のある文章であるため、立ち読みする若い層にも売れていた。
 また、従来は古いタイプの文芸同人誌と若者中心のライトノベル系のはっきりとした分離があったのだが、今回はひとつのグループのなかに年配者と若者が混じりあっているようなところがあり、着物姿の昔美人風女性から文学老年が入場しているのが目立った。
 また、隣のブースではツイッターという飛び道具を活用した個人で、ブログとツイッターの知り合いらしき人たちに売り上げていた。
 情報通の工藤伸一氏によると、「『文学賞メッタ斬り!』などで知られる豊崎由美さんの、V-20「書評王の島」/青林工藝舎などで活躍する漫画家による、P-01「西岡兄妹」/中原中也賞詩人による、S-20「三角みづ紀」などがある。 また今回は「twitter小説」がらみで、A-17「南洋文芸通信社」/A-18「ついのべ豆本♪部」/A-19「ついのべ電書部」の3ブースが並んでいるのも特徴。「ついのべ」とは、80冊もの著書を持つ人気作家・内藤みかさん(twitterID:@micanaitoh)が考案した、twitter小説用ハッシュタグ「#twnovel」の愛称。これを付けてtwitter小説を書くと「#twnovel」の部分にリンクが張られ、クリックすれば大勢の書き手による「twitter小説」の一覧を読むことができる。おりひかいくおさん(twitterID:@Orihika)が編集した『月刊(?)twitter小説vol.2』(南洋文芸通信社)によると、twitter小説家は今年4月30日の時点で7,200人。昨年7月から約1年だったことを考えれば、今は1万人を超えていると思われ、今後の行方が気になるムーブメントである」そうだ。
 これらの情報を得てもそうした現象をどう考えて、どう受け止めれば良いのかを、人に簡単にわかるようにするのが池上彰的な時代の現象らしいが、この情報でどう活動するかを考えてみる。
■関連情報「詩人回廊」文学フリマ最新動向

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2010年12月 8日 (水)

詩の紹介 「出会いの嘆語」原 子朗

        「出会いの嘆語」   原 子朗

ぼくらの一生は出会いの一語につきる/ぼくらは生物の一員ではあるが/多くの出会いに作用されることで/他の生物たちとはげしくことなる/限りない大小の出会いの中から/ぼくらは選択し 屈折し/飛躍し 分裂し あるいは成就し/あるいは破滅を余儀なくされる/生きながら多くの死者たちと出会い/出会うことで新たな自分と出会い/とうとう自分の死と出会っておわる

一つのことばがぼくを幸せにし/一人のおんながぼくを平凡にし/一本の旗がぼくを狂わせ/一杯のうどんで汗をかき風邪をひいて/死んでしまったひともいる

だが ぼくらは出会いの過剰にいる/さいわい一本の樹のようにぼくらは生きることもできる
 原 子朗詩集「空の砂漠」より 1993年11月 東京千代田区 花神社

(紹介者・「詩人回廊」江素瑛)
中国のことわざがある、「有縁千里来相会、無縁対面不相識」――縁があれば、遥かなところから会いにくる、縁がなければ、目の前に居ても知ることが出来ない。出会いということは、選択するか、あるいは選択されるか、目で見えるもの、こころで感じるもの、微小な生き物如く、例え芋虫などと出会いすることにわれが癒される。例えインフルエンザウィルス菌に遭遇したことで、われの命が奪われることもある。いやいや、出会いというものは素晴らしく怖いものである。
ありのままのことばが放たれて、投げかけてくる。書道家でもある作者の痛快な精神がある。

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2010年12月 7日 (火)

第31回日本SF大賞に森見登美彦さんと長山靖生さん

 第31回日本SF大賞(日本SF作家クラブ主催)は、森見登美彦さんの「ペンギン・ハイウェイ」(角川書店)と、長山靖生さんの「日本SF精神史」(河出書房新社)に決まった。賞金は各100万円。今年1月に死去したSF同人誌「宇宙塵」主宰の柴野拓美さん、2月に死去した翻訳家の浅倉久志さんには、長年SF界に貢献した功績で特別賞。

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2010年12月 5日 (日)

第11回文学フリマ(12月5日・蒲田PIO)に参加

 文学フリマの来年11月3日開催はTRC東京流通センターで

関連連情報「詩人回廊・ニュースバルコニー」の過去記事にあり=文学フリマ09年(蒲田)の回顧(12月6日の第9回)と詩人回廊

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2010年12月 4日 (土)

詩の紹介  「揚羽蝶」 有森信二

「揚羽蝶」    有森信二

わたしは病んでいた/ゆえ知れない脊椎の痛みに/心臓は激しくあえいでいた

わたしの眠りは/苦しい息遣いの中で/ふいに目覚めた/ほっかりと浅い/奇妙な目覚めであった

まるで/果てのない荒野に/むやみに/雪が降っている/ようであった

眼を開いてみると/漆黒の揚羽が雪のいたる所に/点々と/果てもなく点々と舞い降りたらしく

ビロードの布切れのように/千切れた/夥しい/花を咲かせていた

文芸同人誌「海」通巻第71号より 太宰府・H22年10月 福岡・花書院

(紹介者・「詩人回廊」江素瑛)
温暖化により短くなった冬。季節の移り変わりが乱れ、蛹になった芋虫は、自分が作った繭に閉じ込まれて冬を過ごそうと、体の異変にとまどい悶える心象情景にも読める。春になったかなあと、浅い眠りから目覚めたようで、定めなく、移ろう世界にとまどう命と心。真冬の雪の大地に「漆黒の揚羽が雪のいたる所に/点々と/果てもなく点々と舞い降りたらしく」生死の境に彷徨(さまよ)うさなぎの如く、幻視的美意識を感じさせる絵画的な作風です。

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2010年12月 3日 (金)

文芸時評(東京新聞11月30日)沼野充義氏

太田光「マボロシの島」不思議な繋がり描く/多和田葉子「雪の練習生」交錯する現実と奇想。
《対象作品》太田光「マボロシの島」(新潮社)/多和田葉子「雪の練習生」(新潮)「祖父の退化論」10月号・「死の接吻」11月号・「北極を想う日」/石黒達昌「ハバナの夜」(群像)/中原文夫「アミダの住む町」(すばる)。
 「太田光ほどの才能も人気もあって、文学などという辛気臭いもののはるか上空で活躍する芸能人が、それでもやはり、わざわざ小説を書いたということは、改めて小説がいまだに持っている底力を示すものにほかならないからだ」と記す。
           ☆
 それもあるが、その一方で、ポストモダンの現代において、TVのバラエティを視聴者が、全てではないという意識。TVを見ない人にも、自分の発想やイメージを理解してもらいという意欲をもたらしていると見る。人間社会のジャンル別分衆化の産物ではないのだろうかと思う。

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2010年12月 2日 (木)

文芸時評(毎日新聞11月29日)田中和生氏

自己のなかに他者を発見/日本語だけが達成する現代性
《対象作品》粟津則雄「見者ランボー」(思潮社)/西村賢太「苦役列車」(新潮)/栗田有起「テンガロンズ」(群像)/村上龍「歌うクジラ」(講談社)/チョン・イヒョン「午後4時の冗談」(金明順訳)(新潮「文学アジア3×2×4」)/葛水平「月明かりは誰の枕辺に」(桑島道夫訳))(同)/藤野可織「かげ踏みあそび」(文学界)。
「共通了解としてのリアリズムが失われ、どんな書き方でも可能になった現在の小説で、その書き方からすぐれた作品を識別するのは困難になりつつある。自由な場所での非リアリズム的な書き方は、それが工夫の結果なのか単に文章が雑なのかわからないからだ。だとすればどの書き手も見てもらいたがる書き方より、物語としてのかたちに注目する方が作品の現代性を取り出しやすいかも知れない」と記す。

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2010年12月 1日 (水)

東野圭吾さんの書き下ろし『白銀ジャック』増刷、計100万部

 初版40万部でスタートし、2日後に10万部、その8日後には30万部もの増刷が決まり、「恐らく文庫史上最速」(実業之日本社文庫・高中佳代子編集長)で計80万部に到達。さらに、あす12月1日付でも増刷、計100万部となる。
「不況の活路」新規参入続々 (11月30日 読売新聞)

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