文芸時評(東京新聞11月30日)沼野充義氏
太田光「マボロシの島」不思議な繋がり描く/多和田葉子「雪の練習生」交錯する現実と奇想。
《対象作品》太田光「マボロシの島」(新潮社)/多和田葉子「雪の練習生」(新潮)「祖父の退化論」10月号・「死の接吻」11月号・「北極を想う日」/石黒達昌「ハバナの夜」(群像)/中原文夫「アミダの住む町」(すばる)。
「太田光ほどの才能も人気もあって、文学などという辛気臭いもののはるか上空で活躍する芸能人が、それでもやはり、わざわざ小説を書いたということは、改めて小説がいまだに持っている底力を示すものにほかならないからだ」と記す。
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それもあるが、その一方で、ポストモダンの現代において、TVのバラエティを視聴者が、全てではないという意識。TVを見ない人にも、自分の発想やイメージを理解してもらいという意欲をもたらしていると見る。人間社会のジャンル別分衆化の産物ではないのだろうかと思う。
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