編集後記によると、1973年に創刊し、分割民営化で名称を変えて37年間存続してきたという。内容は鉄道に関するものだけで、公共的な仕事場への愛着を感じさせる。多くの文学賞を受賞した作者も輩出しているようだ。
現在は書店ではムックでテッちゃんブームとかで、「国鉄時代」などの本も存在する。それはSLであり、鉄道車両のデザインであり、夢とロマンをそこに見る現代人の世界である。その鉄路の背負った過去や過程は無用のものとする。時代の路線の違いというものを感じさせる。
【「秘密」山内香波】
夫の浮気に直面した女性の心理をぐいぐいと機関車の牽引のよう物語にする力に面白さを感じた。
発行所=札幌市北区北34条西11-4-11-209、北海道鉄道文学界。
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創刊50号記念号の主な収録作品は次の通り。
☆創作=柴田耕平「一等兵曹殿に敬礼」、松田静偲「新米助役奮闘記」、山内香波「秘密」、福田和幸「網走発函館行き 特急『おおとり』南へ走る」、海邦智子「有終」。☆随想=米田勉「『残響』との出会い、そして…。」☆俳句=中西徳太郎「青空を痛めず」☆短歌=金山昭市「ライラック」、宝田弘「米寿の祝い」☆随想=近成昌之「官舎の思い出」、斉藤孝裕「新・ゆううつな出会い」、中野省三「或るどさんこの一生(6)」☆評伝=川口順啓「道参の画伯・山口逢春(3)」☆資料「鉄道林」(旧「国鉄北海道文学」)総目次。
「鉄道林」編集室=札幌市北区北34条西11丁目4番11-209号、北海道鉄道文学会。
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