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2010年9月 2日 (木)

著者メッセージ: 乙武洋匡さん『だいじょうぶ3組』

  公立小学校で、三年間の教員生活を送りました。「車いすに乗った先生」に、子どもたちもはじめは違和感を覚えたことでしょう。でも、その「違和 感」を、何とかプラスの形で子どもたちに還元していけないだろうか――
 そんなことを考えながら、日々、子どもたちと向き合ってきました。
  この物語の主人公・赤尾慎之介にも、手と足がありません。それでも、悩んだり、迷ったりしながら、教師として体当たりでクラスの子どもたちに ぶつかっていきます。赤尾先生は、いわば僕の分身。物語中に出てくるエピ ソードも、そのほとんどが僕の教員生活のなかで体験したことがもとになっています。
  教師として、いちばん心がけてきたこと。それは、ストライクゾーンを広くかまえてあげること。ちょっとやそっとの暴投だって、どんと受け止めてあげるよ――そんな気持ちでいると、子どもたちは自分に自信をもって、いきいきと輝いてくれるのです。それでも不安そうな表情をしている子がいたら、こんな言葉をかけてあげるのです。
 「だいじょうぶ。きっと、だいじょうぶだよ」           (乙武洋匡)
(講談社『BOOK倶楽部メール』 2010年9月1日号より)
 

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