水戸部功(みとべ・いさお)さんに、ハヤカワ「ポケミス」がリニューアル
「卵をめぐる祖父の戦争」 早川書房が刊行している新書判の翻訳ミステリーシリーズ「ハヤカワ・ポケット・ミステリ(ポケミス)」の装丁が、6日に発売された『卵をめぐる祖父の戦争』(デイヴィッド・ベニオフ著、田口俊樹訳)からリニューアルした。
新しいデザイナーには、米国の政治哲学者、マイケル・サンデルの『これからの「正義」の話をしよう』(同社)などを手がけた装丁家、水戸部功(みとべ・いさお)さんが就任。長年シリーズの表紙絵を担当し、今年3月に亡くなった洋画家の勝呂忠(すぐろ・ただし)さん(享年83)からバトンを受け継いだ。
リニューアルに伴い、文字を読みやすい大きさに変更した。表紙の絵柄は固定せず、今後、作品によってイラストや写真も使う方針という。
昭和28年創刊の「ポケミス」は、米国の作家、ミッキー・スピレインの『大いなる殺人』を皮切りに、現在まで1700冊以上の海外ミステリーを紹介。初期は江戸川乱歩が監修し、一時は推理作家の都筑道夫が作品の選定や解説に当たったことでも知られ、勝呂さんの抽象的な表紙絵は、シリーズの「顔」として読者に親しまれてきた。
早川書房の担当者は「『ポケミス』の成功は、勝呂さんの絵なくしてはなしえなかった」としのび、「これからも、作家やファンを刺激してきたシリーズの伝統を守っていけるようなラインアップをそろえていきたい」と話している。(産経ニュース2010.8.15)
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