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2010年7月 1日 (木)

三島賞授賞式で東氏「小説続ける」

 「何をやっても『何でこんなことやってるの?』と言われるのが僕の今までのキャリア。新しいことに挑戦している証拠だと思っている」。
 25日に開かれた第23回三島由紀夫賞の授賞式で、小説『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社)で受賞した批評家の東浩紀氏(39)=写真=が、小説家として書き続けていく決意を述べた。
 受賞のあいさつで、「批評家がなぜ小説を書くのか何度も聞かれたが、小説の中身について聞いてくれる人は少なかった。作品にとっては逆風だった」と語り、評論家デビュー以来、同じような反応を受けてきたと振り返った。「5年後、10年後に、あのとき東浩紀が批評から小説に足を踏み出したのは必然だった、と言われるような実績を作っていきたい」。スピーチの後は、花束を渡しにきた5歳の長女を抱きかかえ、相好を崩していた。(2010年6月29日 読売新聞)

○メモ=小説の創作方はほとんど大塚英志氏の理論に順じていると思わせるが、表現力は大塚氏に及ばないと思う。ただ、とにかく話題を呼んで、読んでもらって出版社に本を出させるコツを駆使している。そういうノウハウ力は現代的で参考になる。「クォンタム・ファミリー」は、読まなくても損はしていない。文壇的コミュニテイの活用がどこまで効果をもつのかの実験者か。

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