小説の盗用訴訟人の控訴を棄却。「弁護士のくず」訴訟
小学館のビッグコミックオリジナルに連載中の漫画「弁護士のくず」の四話分について、内田雅敏弁護士が自身の小説『懲戒除名』からの盗用として、作者の井浦秀夫氏と発行元の小学館を相手取り、500万円の損害賠償などを求めた著作権等侵害訴訟の控訴審で知財高裁は6月29日、請求を退けた第一審を支持し、内田弁護士の控訴を棄却した。
飯村敏明裁判長は「漫画にはエピソードやアイデアで共通点はあるが、表現上の特徴で共通する部分はなく、小説の本質を感じ取れるものではない」として、「著作権・著作者人格権の侵害などにはあたらない」との判決を下した。
著作権は作品の〈創作的表現〉を守るもので、創作的表現を真似しない限り、先行する文献から実在の事件を学んで作品に利用することは許される。小学館では「一審に続いて知財高裁でも当方の主張が認められたことは、高く評価する。先行する文献から実在の事件を学んで、事件の骨格を作品に利用することは侵害にあたらないという意味ある判決」とコメントしている。(新文化)
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