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2010年5月31日 (月)

文芸時評5月(毎日新聞5月27日)担当・田中和生氏

<空気に対する態度>/私小説的な言葉禁じた限界/リアリティに欠ける村上作品。
《対象作品》山本七平『「空気」の研究』/村上春樹「『1Q84』BOOK3」(新潮)/福田和也「暴力論の消息」(新潮)/シリン・ネザマフィ「拍動」(文学界)/牧田真有子「予言残像」(群像)/荻野アンナ「あくび」(三田文学)/蜂飼耳「阿夫利山」(同)。

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2010年5月30日 (日)

文芸時評5月(東京新聞5月27日)担当・沼野充義氏

日韓中・文芸誌が同時掲載/異文化で通じる心。
《対象作品》「文學アジア3×2×4」島田雅彦「死都東京」(新潮)/イ・スンウ「ナイフ」(白石あゆみ訳・同)/キム・エラン「水の中のゴライアス」(金明順訳・同)/蘇童「香草営」(藤井省三訳・同)/于暁威「きょうの天気は」(桑島道夫訳・同)/温又柔(おんゆうじゅう)「来福の家」(すばる)/シリン・ネザマフィ「拍動」(文学界)/高橋源一郎『「悪」と戦う』(河出書房新社)/ロベルト・ボラーニョ「野生の探偵たち」(柳原孝敦・松本健二訳、白水社)。

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2010年5月29日 (土)

雑誌「季刊文科」48号(鳥影社)から

 以前、自分がいつも面白く読んでいたのは、寺田博「文芸編集覚え書き」であった。雑誌の小説というものは、編集者が事情で選ぶから読まれるのであって、どんなに著名な作家でも編集者に選ばれて作家として有名になったのである。48号では、松本徹氏が追悼文を寄せている。作家はごろごろいるが、編集者は雑誌の数しかいない。良い編集者がいないと良い作家も生まれないと思わせる。今は高橋一清氏の連載が面白い。情熱がある。「作家魂 庄野潤三」とか、平野謙などが面白かった。
 平野謙といっても今の人たちにはわからないであろうが、文芸評論家の大家であった人だ。自分は、学生時代に、早稲田の文学部の友人と音羽町で蕎麦屋にはいったら、奥の席に初老の男が独りで、ぽつねんと食事をしていた。すると友人が「おい、あれが平野謙だよ」とわき腹をつついて教えてくれた。「あ、そう。野間宏の解説を書いていたね」といっただけで、とくになんとも思わなかったが(経済学部だったので)、学生に顔をまでよく知られていたのだ。
 庄野潤三は「静物」というのを読んで印象に残っているが、中流庶民の日常生活を神話的に書く技術はすごいな、と思っていた。48号は先日亡くなった「立松和平」である。作家の修業時代に結婚する女性は偉いな、と思う。
 それから松本道介「視点」はいつも読む。自分は外国語を真剣に学んだことがないから、日本人らしい日本人が外国語を習熟した上での発想はどんなものか、と興味をもって読む。私は、ドイツ語は資本論にある記号しか知らない。哲学的な問題もやさしく説いてくれるので、七割は素直に学ぶし、1割は驚きの示唆を受け、2割は、そうなんですか、よくわからない、と思う。
 48号では「戦争は選べるのか」というタイトルで、加藤陽子「それでも日本は『戦争』を選んだ」について論じている。学ぶところと同感に思うところといろいろな感慨がある。この問題は時代の空気を読む力がどれだけあるかによって、判断が異なる。ただ、現在の日米安保条約を解消しないことを疑問に思わずに、戦争というものを論じることに違和感を覚える。
 心身とも独立して世界の荒波を乗り切ることを普通に思わない。米国と援助交際しながら平和を維持することに馴れてしまった精神に世界の空気を読めるとは思えない。
 現在の社会の無気力ムードは、国民の独立精神のゆがみから生まれているとしか思えない。我々は、これまでの社会形成のどこかで、失敗しているのだ。
 岡本某という外交評論家が、日米安保が20年も30年も続くことを前提にTVで話しているのを見ると、5年たてばひと昔の現代に、どういう歴史観をしているのだと、あきれてしまう。
 松本道介氏の同人雑誌評も良かった。文学界で同人雑誌推薦作品になった塚越淑行「三十年後のスプートニク」について不満を述べている。私も、これはこれまでの作者の作品が良かったので、その努力に報いる推薦であったのだろうと思った。折角推薦されたので祝意はあるが、作品はなんとなく、ぼんやりしたものに思えた。(
「詩人回廊」編集人・伊藤昭一)

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第2回 らぶドロップス恋愛小説コンテスト

第2回 らぶドロップス恋愛小説コンテスト
・募集企画内容= パブリッシングリンクが運営する電子書籍販売サイト「よみーな」「タイムブックタウン」が、自社レーベル「らぶドロップス」より販売する新作小説を募集。ネットや同人誌で活躍するイラストレーター・紅月りと。さんが描いたテーマイラスト(サイトで公開中)の印象を元に書き下ろした、大人の女性がドキドキ&ワクワクできる恋愛小説(純愛+エロティックな要素を持つ小説)。
・募集期間 = 2010年4月8日(木)~2010年7月7日(水)

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2010年5月28日 (金)

文芸月評(10年5月25日 読売新聞)新しさを求めて若手が小説のたくらみ

《対象作品》文学界新人賞・穂田川洋山氏(35)「自由高さH」/群像新人賞・浅川継太氏(30)「朝が止まる」/赤染(あかぞめ)晶子氏(35)「乙女の密告」(新潮)/る温又柔(おんゆうじゅう)氏(30)「来福の家」(すばる)/シリン・ネザマフィ氏(30)「拍動」(文学界)/「文学アジア3×2×4」・蘇童(スートン)氏「香草営」(新潮)。

 今月は「文学界」「群像」の新人賞の発表があり、各2作の受賞作と優秀作1作の計5作が選ばれ、例年よりにぎやかだった。授賞式のあいさつでは緊張し、言葉に詰まり気味な初々しい受賞者もいた。その姿を眺め、ぼんやり考える。新人作家が真の「新人」である訳はどこにあるのか。(文化部 待田晋哉)
 講談社文芸文庫から復刊されたばかりの英文学者、吉田健一の著書『文学の楽しみ』に「新しいということ」と題した文があった。新奇な作品を追い求める態度を否定し、彼は語る。
 <我々が新しい文学と言うのは文学ということであり、新しさよりも文学を求めているのでなければならない>
 文学界新人賞を受けた穂田川洋山氏(35)「自由高さH」は、題名からして「どういう意味?」と興味をひく。負荷をかけない時のばねの長さを意味する専門用語らしい。
 舞台は、マンション街に変貌(へんぼう)しつつある東京・下町だ。ばねを製造していた廃工場という「場」に偶然、生まれた伸びやかな人間関係を描く。取り残されたような建物で週末ごとに木材の柿渋塗りに熱中する会社員、額の端のほくろが色っぽい元彼女、大正生まれで頑固そうな元ばね職人の大家――。
 血縁はなく、地縁とも言えない。建設中の東京スカイツリーの名前をめぐり時折、世間話を交わす程度だ。しかし、何気ない会話や出来事ににじむ生の肯定と消えゆく風景への愛惜は最後、物語の世界を心地よく弾ませる。
 群像新人賞の浅川継太氏(30)「朝が止まる」は、2度目のアラームが鳴ると現実が夢になるという「二重目覚まし時計」を売るデート商法的な仕事に手を染める女と、彼女の姿にひかれ後を追い続ける男を交互につづった。手の込んだ修辞で、索漠とした時代の空気感をあぶり出す。
 穂田川氏は光の側から、浅川氏は影の側から、複雑怪奇な現代の一断面を切り取って、小説に仕立てる模索をしていた。たくらみのある文学が誕生したと言いたい。

 一方、次回の芥川賞候補作の選定時期が近づき、4誌に若手8人の作品が掲載されている。2004~09年までに新人賞を受けてデビューした作家たちだ。「新人」対「若手」競作の趣のある中で、赤染(あかぞめ)晶子氏(35)「乙女の密告」(新潮)は抜きんでていた。
 主人公は、京都の大学でドイツ語を学ぶ<乙女>たち。「アンネの日記」の一節を読むスピーチ大会に向け、正確な暗唱と発音を求める外国人教師とのやり取りを書き、一見、外国語初学者のドタバタ劇を追う凡庸な一編に映る。
 だが、この教師と女学生たちの間に「不潔な噂(うわさ)」が流れ、互いが密告を恐れ、疑心暗鬼に陥るに至って、本作は女学生の恐怖と、第2次世界大戦中のナチスドイツに迫害されたユダヤ人の絶望を重ね合わせる試みだと分かる。
 戦争を知らない世代の日本人作家がユダヤ人の悲劇をストレートに表現すれば、作りものになる。設定を工夫し、歴史を自分の問題に引き寄せようとする姿勢が真摯(しんし)だった。
 また、台湾人の両親を持ち、日本で育った女性が登場する温又柔(おんゆうじゅう)氏(30)「来福の家」(すばる)は、アイデンティティーを主題にして湿っぽくならない向日性がある。イラン出身のシリン・ネザマフィ氏(30)「拍動」(文学界)は、日本で交通事故に遭ったアラブ人の通訳の少なさや遺族の心のケアを扱い、題材が目を引いた。
 ユニークな企画を連発する「新潮」が新たに「文学アジア3×2×4」を始めた。日中韓3か国の文芸誌が2年間で4回、共通の主題で各国2人ずつ小説6作を同時掲載する。今回は「都市」がテーマだ。
 掲載作からは、日本、韓国、中国の順で「経済的に豊かになるにつれ、人間関係が希薄になる法則」が読み取れる。小説が面白いのは、やはり濃密な方だ。1963年生まれの中国作家、蘇童(スートン)氏「香草営」は、不倫する医師が密会用の部屋を借りようとしたものの、住宅事情の悪さから下層市民と思わぬつながりができる。煩わしい出来事を飄逸(ひょういつ)さを交えて描く味のある作風は、近頃の日本ではあまり見かけない。(文化部 待田晋哉)

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2010年5月27日 (木)

同人雑誌季評「季刊文科」第48号(2010年5月10日発行)

◆松本道介氏「”今がまさにその時”」
江口宣「夜明け前のバスに乗って」(「長崎文学」62号、長崎市)、井藤藍「道」(「法螺」62号、交野市)、亜木康子「遙かな丘の蜃気楼」(「湧水」44号、東京都)、山口馨「風景-悪虫(わるむし)」(「渤海」59号、富山市)、黒川嘉正「町の片隅で」(「木綿葉(ゆうは)」4号、熊本県宇城市)、有間やす子「水辺の部屋」(「新松柏」24号、千葉県柏市)、昆道子「あしかけ四日」(「碑」93号、横浜市)、塚越淑行「三十年後のスプートニク」(「まくた」266号、横浜市)
◆勝又浩氏「読む事情」
冒頭で「季刊遠近」逆井三三氏に言及。
西田(ママ)宣「夜明け前のバスに乗って」(「長崎文学」62号、長崎市)、同誌の野沢薫子「帰郷」については「三田文学」(101号)で紹介、昆道子「あしかけ四日」(「碑」93号、横浜市)、同誌より永井孝史「納骨」、猿渡由美子「有情流転」(「じゅん文学」62号、名古屋市)、津田一孝「潮騒の午後」(「季刊作家」70号、豊田市)、同誌より菅野俊光「ある晴れた日に」、同じく西村啓一「兄弟は他人の別れ」、櫻木とみ「青い航跡」(「グループ桂」61号、鎌倉市)、栗島哲夫「海鳥海崖道路百キロメートル」(「河」153号、東京都)、松元眞「平林彪吾とその時代」(「文芸復興」21号、船橋市)、同誌より丸山修身「極楽草紙」、朝比奈敦「なぎさのシンドバッド」(「VIKING」709号、茨木市)、同誌「編集後記」は「年末恒例のVIKING五賞選定」、同誌連載の中尾勉「VIKING」第一期終了。
(「文芸同志会案内」掲示板・ひわきさんまとめ)

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2010年5月26日 (水)

イースト・プレスがアマゾンでWeb文芸誌「マトグロッソ」創刊

 イースト・プレスは、5月24日にWeb文芸誌「マトグロッソ」を創刊。アマゾンジャパンの「文学・評論」ページ上に設けたサイト入口のみからアクセスすることが可能。創刊号には森見登美彦氏の最新ファンタジー「熱帯」や萩尾望都氏の30年前の幻のSF短編小説「音楽の在りて」、安田喜憲氏の科学ノンフィクション「1万年前」、菊池成孔氏のエッセイ「小説にサウンドトラックはあり得るか」を掲載。
 さらに、内田樹氏と高橋源一郎氏の投稿プロジェクト「ナショナル・ストーリー・プロジェクト<日本版>」や円城塔氏と長尾真氏(国立国会図書館長)の対談、伊坂幸太郎、高橋源一郎両氏による読書&音楽視聴日記といった企画ものも。毎週木曜日に更新し、掲載作品については連載終了後に書籍化する予定。(新文化2010/5/24)

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2010年5月25日 (火)

第21回東北北海道文学賞受賞作・植村有「醒めない夏」が「季刊文科」に掲載された経緯を伊藤桂一氏が語る

 仙台の同人誌「東北文芸」の第21回東北北海道文学賞(選者・伊藤桂一、大河内昭爾の両氏)の受賞作・植村有「醒めない夏」が「季刊文科」48号に掲載されている。
 選者の伊藤桂一氏は、掲載誌にこの作品ついて推薦の言葉を寄稿し「終始流速のある文章で、情熱と迫力をもってまとめ、終章で、劇的に昇華燃焼させて終える。申し分のない後味のよい読後感」と称賛している。
 公募雑誌の「東北文芸」は、主宰者の大林しげる氏が病気で倒れたために、発行できなくなったという。そのため受賞作品は発表の場を失っていた。
 それが「季刊文科」48号で発表された経緯について伊藤桂一氏に話をきくことが出来た。それによると「作品が大変よく、大手の文芸雑誌に掲載されるなまじの作品よりもよっぽど良い。広く世に広める価値があると思った。そこで『東北文芸』の編集者・渡辺さんと『季刊文科』編集部、発行する鳥影社の百瀬社長と話してあって実現した。受賞者の植村有氏は、男性でMさんで50歳代だと記憶している。純文学畑では有望な新人になる可能性がある」と語っている。
 「季刊文科」48号については、後日その読みどころを記してみたい。

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2010年5月23日 (日)

文学フリマ(第10回)で電子書籍も登場するらしい。

 今日は文学フリマ(大田区産業プラザPIO)です。4時以降もイベントや打ち上げの会があるのらしいので、午後ゆっくりきても大丈夫のようです。みなさん見にきてください。

京極夏彦氏の新刊『死ねばいいのに』を電子書籍に=講談社
 講談社京極夏彦氏の新刊『死ねばいいのに』を5月15日に初版4万部で発売した。その電子版を、6月上旬を目途にiPadやiPhone、パソコン、ケータイ向けで同時発売する。iPad、iPhoneにはアプリとして提供。紙版は1700円、iPadやiPhone、パソコン版は、発売から2週間のキャンペーン期間中は700円、その後は900円と設定。ケータイ版は1章100円で全6章からなる。いずれも冒頭1章などは無料で読めるサービスも設けている。今後はインターネットで上巻を全文無料公開している『親鸞』や今秋にも発売を予定している京極氏の新刊などを同様にリリースしていく予定。講談社としては新刊発売日と近い時期に電子書籍を発売するのは初めての試み。
 同社は電子書籍の本格化は、紙かデジタルかという単純なものではなく、紙の本に加えて、デジタルというチャネルで新しい読者が生れて、結果的に紙の本の需要を刺激して出版市場を活性化していく可能性があるとしている。
 京極氏は「紙と電子は、補完しあっても、食い合うものではないと確信している。今回は実験ではあるが第一歩を踏み出した」とし、出版社の役割についても「出版社がいらなくなるということはない。出版社なくして書籍はできない。直接著者がデータ配信することと電子出版とは違うもの」と語る

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2010年5月21日 (金)

「クォンタム・ファミリーズ」で第23回三島由紀夫賞に決まった 東 浩紀さん(39)

現代思想から美少女ゲームまで、自在な言論で若い世代に影響を与える批評家は、会見で早口に喜びを語った。もともとSF好きの文学少年。「作家転向」は長年の夢の実現だ。
 東大大学院在学中のデビュー評論「存在論的、郵便的」は11年前、この賞の候補になっている。受賞作「クォンタム・ファミリーズ」は、その「続編」と自ら呼ぶSF的な長編。「この小説を書くこと自体が、僕にとって、もう一つの、可能だった人生を生きることでした」
 主人公の男性の元に一通のメールが届く。差出人は2035年の世界に生きる、生まれていないはずの娘。娘が生きる並行世界へと移動する主人公――。「自我の分裂を招きかねないネット中心の現代社会に生きる人間を、正面からとらえた」と評価された。
 篠山紀信氏が撮影した4歳の長女とのツーショットが、この春「早稲田文学」の表紙を飾った。「僕にはピントが合ってなくて」と笑顔に。新世紀に入り存在感を示してきたスターには、そんな実生活の一面もある。(文化部 堀内佑二)(2010年5月19日 読売新聞)

《参考資料; 山川豊太郎…「東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』とゲーム的リアリズムの今日性について」》
                 

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2010年5月20日 (木)

文芸同人誌評「週刊読書人」(2010年5月7日付)白川正芳氏

《対象作品》横川英一「ひと月遅れの披露宴」(「残党」30号)、杉本純「名前のない手記」(「ベガーダ9号)、同誌より須田茂「越境文学のパースペクティブ<序論>」、駒井朝「八十歳の坂を登ってみれば」(「婦人文芸」88号)、今井亮太「キャバレー・グランドキャッスル」(「雲」3月号)
「ビランジ」25号より竹内オサム「修士論文 手塚マンガの映画的手法」
中井久子「薄日」(「四国作家」42号)、原田環「やえさんと私の三七〇〇日」(「北斗七星」創刊号)、山下寛「猫十話」(「AMAZON」440号)、西沢しのぶ「フラックチューリップ」(「中部文芸」83号)。(「文芸同人誌案内」掲示板・ひわきさんまとめ)


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2010年5月19日 (水)

書評・小泉今日子(女優)=『ほしいものはなんですか?』(益田ミリ)

(2010年5月17日 読売新聞)―――人生、なにか足りない。
 今あなたがほしいものはなんですか?と質問されたら、私はなんて答えるだろう? 労働の楽しみも、一人の時間の心地良さも、気の置けない女友達も、とりあえず今を生きるために必要なものを十分に手に入れてしまった私にはほしいものなんてないのかもしれない。でも、心のどこかで自分の人生には確かになにか足りない、とも感じてしまう日々でもある。
 可愛らしいキャラクターと肩の力の抜けた優しい画風に油断していたら何度も痛いところを突かれてしまった。小学生のリナちゃんはいつも心の中でなにかを考えている。ときどき胸に湧(わ)いた疑問を大人達に投げ掛ける。「ママ、40歳は嫌(いや)なの?」。専業主婦のミナ子さんは夫と子供とそれなりに幸せに暮らしているけれど、このまましぼんでいくのかしら?と、40歳の誕生日を素直に喜ぶことが出来ないでいる。ほしいものは「存在感」。「タエちゃんは、なりたいものになれなかったの?」。子供の頃の夢が一つも叶(かな)っていない叔母、35歳独身OLのタエ子さんは、地道に働いてローンでマンションを買ったものの、お嫁さんになる夢は叶ってもいいんだけど……と呟(つぶや)いている。ほしいものは「保証」。どちらの気持ちも痛いほどわかる。
 子育てをしている友達と会っている時、お互いに少し気を使って会話を選ぶ瞬間がある。ないものねだりと分かっていながら、それぞれの環境を羨(うらや)ましいと思ってしまうこの感覚、男の人には一生分からないんだろうなと思う。アラサーとか、アラフォーとか元気な言葉の響きで自分たちを盛り上げているけれど、それなりの悩みがあるのだ。男の人にも是非読んで頂きたい。で、女心をもう一度研究して頂きたい。評・小泉今日子(女優) (2010年5月17日 読売新聞)
『ほしいものはなんですか?』(益田ミリ◇ますだ・みり=1969年、大阪府生まれ。イラストレーター。著書に『すーちゃん』など)ミシマ社 1200円

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2010年5月18日 (火)

第56回江戸川乱歩賞は横関大さん(35)の「再会のタイムカプセル」

第56回江戸川乱歩賞(日本推理作家協会主催)は静岡県富士宮市の横関大さん(35)の「再会のタイムカプセル」に決まった。賞金1千万円。

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2010年5月17日 (月)

文芸同人誌「婦人文芸」第88号(東京)

【エッセイ「かけがえのない小説との出会い」河内和子】
 翻訳家である作者が、辻邦生著「春の戴冠」という956頁からなる大作について、その感じるところを書いている。いろいろの人脈の縁もあるが、何よりもイタリアに魅せられ「ホームステイのイタリア」(参照:ホームステイのイタリア・サイト)という著書をもつほどのイタリア好きである。そこからサンドロ・ボッティチェルリの生涯を主題にした「春の戴冠」の文章表現と辻邦生の作家的な体質について、詳細に語っている。「それまで日本人が書いた外国人を主人公にした異国の歴史小説を読むということに抵抗感があった。日本人が外国人になりきれるものだろうか」という素朴な疑問が現地イタリアを知ることと辻邦生の文章表現力に魅せられていく過程がよくわかる。
 なんといっても、日本人は私小説が文学の原点となる風潮がある。辻邦生には「安土往還記」という戦国時代のものがある。その語り手が渡来したイタリア人船員という設定で信長を描いている。現在は時代小説が売れるという傾向のなかで、売れてもいいはずだが、その設定と純文学的な文章で、脚光をあびることはなさそうだ。辻の幻視的で人生の虚無的な暗黒を凝視した作風など、いろいろと思いをめぐらすことの多いエッセイである。(参照: 「詩人回廊」河内和子の庭

 本誌にはその他「シナリオ」音森れん、「何でもない一日」土佐絹代、河田日出子「キャサリンとの日々」などの小説もある。「キャサリンとの日々」は、ヴァージニア・ウルフというマニアックな作家について書いており、私も「波」を読んでいるが、愛好家が健在だなと思わせる。
 都築洋子「エンゼルフィッシュ」は、出だしが「下腹部のあたりで何かがはじけるような感覚とともに目が覚めた。/『金魚?』」というセンスがいい。読者の眠った神経をたたき起す工夫がある。やはり人間は共通の五感の感覚があるのだから、文章表現にそれらを活用しない手はない。

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第21回伊藤整文学賞に高橋英夫さん(80)、宮沢章夫さん(53)

 第21回伊藤整文学賞(北海道小樽市など主催)の受賞作が10日発表され、評論部門は文芸評論家、高橋英夫さん(80)の「母なるもの――近代文学と音楽の場所」(文芸春秋)と、劇作家で小説家の宮沢章夫さん(53)の「時間のかかる読書――横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず」(河出書房新社)に決まった。小説部門は該当作がなし。

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2010年5月16日 (日)

文芸同人誌「サロン・ド・マロリーナ」創刊号(1)

 本誌は文学フリマで販売のほか、書店で扱ってもらっている意欲的な同人誌である(参照:「サロン・ド・マロリーナ」サイト)。
【「革命、憂国、あるいは、太陽」竹内きみまろ】
 若者が日本の社会にあきたらず外国に渡って、人生修業をする体験話。昔は教養小説というジャンルがあったが、現在ではグーロイング・アップものとでもいうべきか。とにかくエネルギーがある。とろんとしたところがないのが良い。随所に読みどころがあるが、先を急いで書き流しているところがあるのがもったいない。それと、終わりが予定調和型で、いちおう結論めいたものが出ている。この辺が起承転結に縛られているなら読物であるし(純文学ではありえない)、もし純文学ならなにも予定調和スタイルにする必要がない。その辺に工夫の余地感じさせる。いろいろな面で問題提起のある作品である。幾度でも再編成する価値のある題材である。

【「やな場まで」塵芥川文之介】
 自意識のあるペンネームに思わず笑ってしまう。しかし、出だしの「川原の石ころたちは、あれはあれで大変な思いをしている」とあるのには、ある才気を感じさせる。清流なのか濁流なのか?ひと目で興味を引く。このようにするとこの小説の舞台と作者の視点が、三脚の置いたカメラのようにしっかりとしていることを示している。読者にこれから、どんな舞台でどんな物語が展開するかを予感させ、安心させる。意識的なものであればかなりの書き手であろう。内容も詩精神にあふれ文学性に富んでいる。

【「樅の木」新木寿幸】
 これも出だしから言わんとすることがすっきりと示されている。爽やかな風のくる風景から、感性の良い清潔な文章で人柄がにじみ出ており、途中経過が、読む者を引き込むし風土性が味わえる。身内の病のこの種のテーマでは巧く書かれた作品が多いが、この作品はこの時でないと書けない独自性をもっている。
【「花葬の影」和泉あかね】
 葬儀屋さんの話だが、新感覚ですっきりと描いてあるので、面白く読める。なるほど、なるほどと納得させ、伝達性に優れた表現力がある。

…………………… ☆ ……………………
テレビが新聞を読み上げる時代になりました。情報ルートが単純化しすぎています。情報の多様化に参加のため「暮らしのノートPJ・ITO」ニュースサイトを起動させました。運営する団体・企業の存在感を高めるため、ホームページへのアクセスアップのためにこのサイトの「カテゴリー」スペースを掲示しませんか。文芸同志会年会費4800円、同人誌表紙写真、編集後記掲載料800円(同人雑誌のみ、個人で作品発表をしたい方は詩人回廊に発表の庭を作れます。)。企業は別途取材費が必要です。検索の事例
連携サイト穂高健一ワールド

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2010年5月15日 (土)

第10回文学フリマ(蒲田)で「詩人回廊2010夏」を販売

 5月23日(日)の第10回文学フリマ(参照:文学フリマサイト)で販売する「詩人回廊2010夏」(参照:詩人回廊サイト)の帳合を済ませました。
 今年は既刊の在庫のほかに会員の伊藤誠二編著「野上弥生子の文学とその周辺」(参照:草場書房サイト)を販売します。

 <ぼやき>このところ腕や指が固まり痛みで動かなくなる症状が出て、医師に相談しったところさして珍しい症状ではないそうで、もっと重い人もいるようです。内服薬を続けるうちに軽くなりました。しばらくしたら作品紹介をぼつぼつはじめます。もともと年明けから、趣味の文芸関係に注力しようと思っていたところ、昔、月報を発行していた時に、親切に支援してくれた事業所の紹介で、困っているところがあるので急いで新聞を発行して欲しいという。全頁をコピーライトすることになった。自分ではたいしたことではないと思っていたが、それは昔の自分のイメージで、いざやってみると、大判型の新聞で締め切りの切迫もあって、そこなし沼のようにコピー文を飲みこむスペース。おまけに書いて面白いような内容ではない。そのうちに以前から60肩の痛みがあったものが、さび付いて動かなくなったらしい。次はできないだろう。隠居する。
 後日、親切にしてくれた人が病で倒れたために依頼されたものとわかり、その方お見舞いにいった。明るい人柄なだけにいたいたしい。時の流れは救いもくれるが、非情さもある。思わす涙が出そうになった。帰りにスティーブ・マックイーンとダスティ・ホフマンの映画「パピヨン」のテーマ曲が胸に浮かんだ。「オレはクタバラねーぞ」とマックイーンが叫ぶ海の脱出シーンと共に。

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ツイッターに辻仁成、高橋源一郎ら続々参加

140字以内で文章を投稿するミニブログ「ツイッター」を始める作家や批評家が増えている。これまでにないメディアを舞台にした新しい“文壇”は誕生するのか?(磨井慎吾)(産経ニュース2010.5.13)
 ツイッターを利用している作家、辻仁成さんは3月、「小説書いたら、どうなるだろう」と書き込み、「つぶやく人々」というタイトルで小説の連続投稿をスタート。ツイッターに熱中する小説家が主人公で、4月に第一部が終了した。作家、高橋源一郎さんは「辻さんの最高傑作ではないか」とツイッターで評価した。
 高橋さん自身も連日、投稿している。「従来のホームページがしっかりコンテンツを並べなきゃいけない百貨店なのに対し、ツイッターはコンビニのようなもの。気軽で使いやすい」。ファンからの質問にも気さくに応じ、フォロワー(登録読者)数が1万5000を超える人気ぶり。文芸誌「群像」で連載中の小説「日本文学盛衰史 戦後文学篇」に、ツイッター形式を取り入れるなど、作品にも影響を与えている。
ツイッター“文壇”誕生? 辻仁成、高橋源一郎ら続々参加

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2010年5月12日 (水)

第26回太宰治賞に今村夏子さん「あたらしい娘」

 第26回太宰治賞(筑摩書房、東京都三鷹市共催)は、応募1412作品から大阪市在住の今村夏子さん(30)「あたらしい娘」が選ばれた。賞金は100万円。

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2010年5月11日 (火)

グーグル電子書籍。米のほぼ全出版社が承認

 米インターネット検索大手グーグルが進める書籍の電子化を、米国のほぼすべての出版社が承認していることが9日分かった。電子化を承認した上でグーグルが展開している電子書籍の販売促進活動に参加を決めた著者や出版社の数は、同日までに2万5千を突破した。共同通信の取材に対し、グーグルが明らかにした。
 参加を決めた出版社などが扱う書籍数は200万点に達する。グーグルは6月下旬にもネットを通じた電子書籍の販売を始める計画だが、著作権が切れた書籍も含めると取り扱う書籍数は400万点に上り、世界最大の「バーチャル(仮想)書店」が誕生する。
 米ネット小売り大手のアマゾン・コムや米電子機器大手アップルなどの参入で急成長を続けている米電子書籍市場は、グーグルによる巨大書店の登場で拡大に拍車がかかりそうだ。2010.5.10産経ニュース(共同)

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2010年5月10日 (月)

第11回小学館文庫小説賞に永井紗耶子氏の「絡繰り心中」

小学館は第11回小学館文庫小説賞受賞作を永井紗耶子氏の「絡繰り心中」に決めたと発表。同賞は2008年10月から09年9月末日まで作品を募集、応募総数は447篇だった。受賞作は近日中に小学館から刊行される予定。

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2010年5月 9日 (日)

文芸季評2010(読売新聞5月8日・夕刊)安藤礼二氏

 歴史超えた世界に迫る
《対象作品》村上春樹BOOK3(新潮社)/阿部和重「ピストルズ」(講談社)/村田沙耶香「星が吸う水」(講談社)/橋本治「橋」(文藝春秋)/丸山健二「猿の詩集」(講談社)。

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2010年5月 8日 (土)

【Q1】書名に惹かれて本を買ったことがありますか?

はい…75% ・いいえ…16% ・わからない…9%(講談社『BOOK倶楽部メール』2010年5月1日号) 
【Q2】最も印象に残っている書名は何ですか?(BEST5)
  『バカの壁』  『クビキリサイクル』  『すべてがFになる』  『1Q84』  『ノルウェイの森』
【Q3】本のカバーに惹かれて本を買った=“ジャケ買い”がありますか?
  ・はい…48% ・いいえ…41% ・わからない…11%

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2010年5月 7日 (金)

文芸時評4月(東京新聞4月30日)沼野充義氏

  社会現象となった村上春樹「1Q84」3巻/大江~中森結ぶ現代の青春
《対象作品》村上春樹BOOK3(新潮社)/対談・小熊英二&高橋源一郎(文学界)/小熊英二「1968」(新曜社)/中森明夫「アナーキー・イン・ザ・JP」(新潮)/喜多あふり「望みの彼方」(群像)/野崎歓「異邦の香り」(講談社)/ロバート・キャンベル「Jブンガク」(東京大学出版会)。

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2010年5月 6日 (木)

「曼珠沙華」で、老いと不条理の重奏を描いた鶴岡一生さん=第53回農民文学賞

第53回農民文学賞(下)「曼珠沙華」で、老いと不条理の重奏を描いた鶴岡さん
 文芸評論家の秋山駿氏は、体調の都合で贈呈式には出席しなかったが作品評を寄稿。「実にしっかりとした『描写』があった。これは、最近の文芸誌をにぎやかにしている新鋭の作品にもあまり見られぬもので、わたしは大いに感心した。冒頭は、老人が一人で山を登って行くところだが、その歩みとともに『(トガの大木の)太った幹の弾けた樹皮の裂け目から幾本もの枝を養って縦横に広がったその姿』やその根株から見下ろすと、平地から眺める山々のそれとは違って、『ひと山ひと山がむくむくと盛り上がって互いを押し合い圧し合いししていた』という光景が、次々に現れて、これが小説描写というものだ」と賞賛を送る。

 鶴岡一生さんは、出身は大阪で、早稲田大学社会科学部中退。早稲田文学新人賞佳作の文学歴がある。現在は長野県上田市で農業、炭焼きに従事し「武石炭人会」代表でもある。受賞のことばも炭焼きの話から入る。

 「幾日も山に入って木を伐採し、玉に刻み、斧を入れ、さまざま苦労をして、ようやくのこと準備が整い、さあこれからだというとき、『この先、何窯も焼かなければ、良いものは出ない』と炭焼きの師匠は言った。じゅうぶんに窯が温まらなければ、ほんとうに良い炭は焼けないということらしい。それまでは、良い炭にはならないのを承知で何窯も焼きつづけなければいけない。ずいぶんと遠回りをするものだと思った。事実、そうするより道がないのだから。覚悟をきめるほかない」とする。

 さらに「地に足のついた小説を書きたいと思って、信州の山奥に家族ともども越してきて4年。理想とするよい小説にはまだ遠いですが、このたび、賞をいただけましたことには、大変勇気づけられました」と語った。

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2010年5月 5日 (水)

第53回農民文学賞の贈呈式から―1―

 日本農民文学会(木村芳夫会長)の第53回農民文学賞に、国梓としひでさん(61)の小説「とぅばらーま哀歌」と鶴岡一生さん(42)の小説「曼珠沙華」の2作品が選ばれた。その賞状・副賞の贈呈式が4月29日、飯田橋レインボービル(東京・新宿区)で行われた。 《写真掲載「暮らしのノートPJ・ITO」》 選者は、伊藤桂一(作家)、秋山駿(文芸評論家)、南雲道夫(作家)、雑誌「農民文学」編集長・木村芳夫の各氏。副賞の賞金は10万円だが、2人の受賞で分割され5万円ずつとなった。贈呈式に出席するだけで賞金は消えるであろうし、出費はもっと多いかもしれない。

 「とぅばらーま哀歌」の国梓よしひで(本名・國吉俊秀)さんは、昨年まで内閣府沖縄総合事務局に勤務。「36年勤めた公務員を退職しました。自らは農業をしていませんが、その現場を見てきて知ることや感じたことを小説にしてみようと考えていました」と語る。

 文学歴としては、07年に沖縄タイムス社主催の第33回新沖縄文学賞を「爆音、轟く」で受賞している。南涛文学界同人。小説の舞台となった石垣島はサトウキビと肉用牛の産業、年間80人万の観光客がやってくる。島は昭和47年に本土復帰以降、本土資本によって農地や牧場が次々と買い占められているなかでの苦境がある。「それに翻弄される、人々の葛藤を書きたかった」と受賞の言葉。

 選者の伊藤桂一氏も女心の動きをドラマティックに描く手腕を評価していた。日本農民文学会・木村芳夫会長は、作品に描かれた畜産の重労働と経営難しさの状況に自分自身の養鶏ブロイラーをしていた時の苦労を重い起こし「身につまされるものがある。明と暗の対象の人情の描写が素晴らしい」とリアルな現実と、めげずに生きる酪農家を明るく描いたことを評価する。
 
 余談だが、沖縄の普天間問題でメディアが騒がしい、鳩山総理の言動を「罪」だと論じるメディア(読売新聞社説)もある。記事の見出しも「鳩山総理が場当たり発言」していて、「沖縄県民はひややか」、「心をもてあそんでいる」「いったい何をしに来たのか」など。見出しを読むと鳩山総理の活動に沖縄県民が拒否をし、基地存続を望んでいるように感じさせる。
 私は鳩山政権が決着を6月するといえば良いとおもう。毎月決着を目指せばいいのでは。支持率も最低に落ちているのだから、選挙など気にせずに活動を続けたら良い。安保条約解消しか基地問題を解決することは出来ないのではないか。弁証法的に見ても、物事はひとつの流れの状態があると、そのなかにはすでに、反対方向の動きが内在しはじめ、それが合わさって次の段階に入るーー同じ状態がいつまでも続くことはないのである。

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2010年5月 1日 (土)

文芸時評4月(毎日新聞4月27日)田中和生氏

 文学への「信」の回復/21世紀に批評性持つ言葉/敗戦という「汚れ」引きうけ実現。
《対象作品》小川国夫「弱い神」(講談社)/辻原登「闇の奥」(文芸春秋)/柴崎友香「寝ても覚めても」(「文芸」夏季号)。

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