« 文芸時評4月(毎日新聞4月27日)田中和生氏 | トップページ | 「曼珠沙華」で、老いと不条理の重奏を描いた鶴岡一生さん=第53回農民文学賞 »

2010年5月 5日 (水)

第53回農民文学賞の贈呈式から―1―

 日本農民文学会(木村芳夫会長)の第53回農民文学賞に、国梓としひでさん(61)の小説「とぅばらーま哀歌」と鶴岡一生さん(42)の小説「曼珠沙華」の2作品が選ばれた。その賞状・副賞の贈呈式が4月29日、飯田橋レインボービル(東京・新宿区)で行われた。 《写真掲載「暮らしのノートPJ・ITO」》 選者は、伊藤桂一(作家)、秋山駿(文芸評論家)、南雲道夫(作家)、雑誌「農民文学」編集長・木村芳夫の各氏。副賞の賞金は10万円だが、2人の受賞で分割され5万円ずつとなった。贈呈式に出席するだけで賞金は消えるであろうし、出費はもっと多いかもしれない。

 「とぅばらーま哀歌」の国梓よしひで(本名・國吉俊秀)さんは、昨年まで内閣府沖縄総合事務局に勤務。「36年勤めた公務員を退職しました。自らは農業をしていませんが、その現場を見てきて知ることや感じたことを小説にしてみようと考えていました」と語る。

 文学歴としては、07年に沖縄タイムス社主催の第33回新沖縄文学賞を「爆音、轟く」で受賞している。南涛文学界同人。小説の舞台となった石垣島はサトウキビと肉用牛の産業、年間80人万の観光客がやってくる。島は昭和47年に本土復帰以降、本土資本によって農地や牧場が次々と買い占められているなかでの苦境がある。「それに翻弄される、人々の葛藤を書きたかった」と受賞の言葉。

 選者の伊藤桂一氏も女心の動きをドラマティックに描く手腕を評価していた。日本農民文学会・木村芳夫会長は、作品に描かれた畜産の重労働と経営難しさの状況に自分自身の養鶏ブロイラーをしていた時の苦労を重い起こし「身につまされるものがある。明と暗の対象の人情の描写が素晴らしい」とリアルな現実と、めげずに生きる酪農家を明るく描いたことを評価する。
 
 余談だが、沖縄の普天間問題でメディアが騒がしい、鳩山総理の言動を「罪」だと論じるメディア(読売新聞社説)もある。記事の見出しも「鳩山総理が場当たり発言」していて、「沖縄県民はひややか」、「心をもてあそんでいる」「いったい何をしに来たのか」など。見出しを読むと鳩山総理の活動に沖縄県民が拒否をし、基地存続を望んでいるように感じさせる。
 私は鳩山政権が決着を6月するといえば良いとおもう。毎月決着を目指せばいいのでは。支持率も最低に落ちているのだから、選挙など気にせずに活動を続けたら良い。安保条約解消しか基地問題を解決することは出来ないのではないか。弁証法的に見ても、物事はひとつの流れの状態があると、そのなかにはすでに、反対方向の動きが内在しはじめ、それが合わさって次の段階に入るーー同じ状態がいつまでも続くことはないのである。

|

« 文芸時評4月(毎日新聞4月27日)田中和生氏 | トップページ | 「曼珠沙華」で、老いと不条理の重奏を描いた鶴岡一生さん=第53回農民文学賞 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 文芸時評4月(毎日新聞4月27日)田中和生氏 | トップページ | 「曼珠沙華」で、老いと不条理の重奏を描いた鶴岡一生さん=第53回農民文学賞 »