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2010年4月23日 (金)

雑誌「旅かばん」創刊号(福岡市)

 「旅かばん」(発行:花書院)というリトルマガジン。内容はさばさばしていて、面白く読めそう。書き手のメンバーも大阪、名古屋、東京と九州外からもいる。小説、紀行文、報告など、生活の知恵から海外トラベル日誌など活き活きとした読み物がある。

【「『日本人化』と沖縄方言論争」石津川八生】
 鳩山政権が沖縄の嘉手納基地の移転を試みている時期に、いまのタイミングにあった論文である。
 日本人の沖縄人に対する差別意識と傲慢な態度が、どこから出ているかを、知るヒントになることが、この論文に出ている。かつて沖縄・琉球王国は、中国には中国に従属したふりをする姿勢、日本には日本に従属したふりをする姿勢をする2面外交で国の平和を維持してきた。日本向けの儀式用具と清国王朝向け儀式用具の存在があるという話をきいたことがある。たしか、江戸時代には昆布の産地として経済的にも潤っていたはずである。
 その琉球文化を日本政府がどのように同化させ言葉を変えてきたが、かなり詳細に調べて資料にしている。良い企画である。

 新聞テレビは、沖縄から移転候補地の、反対の声を盛んに報じ、同時に鳩山政権を揶揄している。候補地の「自分の島を戦場にするのは許せない」という報道を目にするたびに、それじゃ沖縄なら、どうしていいのか?といいたくなる。沖縄県人に対しての差別意識をことさらに助長して報道するメディアの失礼な姿勢はどうだろう。あきれかえる。
 建前ではきれいなことをいいながら偽善的な報道姿勢は、アメリカの外交姿勢とよく似ている。早く本性を現したのは、沖縄人にとってもいいことかもしれない。

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