ライトノベルの市場規模は150億円
ジュニア小説が80年代のアニメブームを経てファンタジー色を強めた結果、ライトノベルに発展した。現在、講談社(X文庫)、アスキー・メディアワークス(電撃文庫)、角川書店(角川スニーカー文庫)など10社以上が手がけている。1冊600円前後。市場規模は150億円といわれ、不況の出版界で唯一の成長分野である。
大手のメディアファクトリー「MF文庫J」の三坂泰二編集長が言う。
「ライトノベルは学園を舞台にし、主人公が魔法を使うようなファンタジックなストーリーが中心です。SFや青春ものも受けています。読者は10~20代の男女で、空想の世界を楽しむ人が多いですね」
MF文庫Jのヒット作は「ゼロの使い魔」(ヤマグチノボル)で、これまで18巻が出版され、累計430万部に達している。このほか「聖剣の刀鍛冶」シリーズ(三浦勇雄)は110万部。電撃文庫では「デュラララ!!」シリーズ(成田良悟)が200万部と派手な数字が並ぶ。
「ゼロの使い魔」の作者の場合、印税は単純計算で2億5000万円。作品がアニメやゲームになるとさらに収入が増える。「オレも書いてみるか」とニンマリしているサラリーマンもいるだろう。
「ライトノベルの作者は20~30代が中心です。ほとんどが各文庫の新人賞を受賞してデビュー、毎年40人前後の新人が世に出ます。サラリーマンをしながら書いている兼業作家もいます。ライトノベル作家を目指すならまず、中学生や高校生の会話のパターンを研究して軽妙な文体を身につけるのがいいでしょう」(三坂氏)(日刊ゲンダイ2010年4月1日掲載)
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