同人誌「R&W」第8号(愛知県)
本誌は朝日カルチャーセンターの「短編小説を読む・書く」(藤田充伯講師)の受講者の作品集である。新しい人が加わって執筆者が16人にまで増えたという。どれも「読ませてやる」という創作意欲に満ちていて、大変面白く読める。幾つかを紹介する。
【「グリーンハウス」渡辺勝彦】
日本の未来社会を舞台にスリルとサスペンスに満ちたSF娯楽小説。読みやすく面白い。日本は道州制になり、性犯罪者は刑務所を釈放されても、身体に探知機を埋められ、監視の保護司がつくという時代になっていて、その犯罪者の更生と再犯の狭間の物語。
中篇作品だが、各章を手を入れて充実させれば、長編になる。犯罪者が被害者を追跡して見つけ出す手順が平凡で面白くないところを修正強化すればもっと良くなるように思った。
未来SF小説では、たまたま東浩紀「クォンタム・ファミリー」を読んでみたが、未来日本と、ドライセックス描写、残酷性のスプラッタ調など題材の扱いが偶然に似通っている。時代の雰囲気なのかも知れない。
【「生魑魅(いきすだま)」松蓉】
時計草が怨霊をもって迫ってくる物語。植物に怨霊という組み合わせで、巧く完成させている。
【「連想」改田龍男】
一種の官能小説だが、小説にするための描写の選びどころが巧く達者。読んで楽しませる。
みなさん研鑽の成果があがっていてハイレベル。粒よりの感じがした。
発行所=愛知県愛知郡長久手町湫上井堀82-1、渡辺方。
紹介者「詩人回廊」編集人・伊藤昭一
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コメント
失礼しました。すみません。お詫びします。直しました。
投稿: 伊藤 | 2010年3月29日 (月) 21時13分
拙作のご感想を掲載いただき、心より感謝いたしております。『R&W』同人一同、いつも楽しみに拝読いたしております。ところで、ご掲載の拙作のペンネームの文字が違っております。「松容」ではなく、「松蓉」でございます。よく間違えられるのですが、芙蓉の花にちなんでつけた名でして、少々こだわりがございます。
今後とも宜しくお願い申し上げます。松蓉
投稿: 松蓉 | 2010年3月29日 (月) 18時17分