文藝誌「なんじゃもんじゃ」春曙号(通巻9号)
先日、仮称「関東文芸同人誌交流会」の集まりがあったときに、本誌の主宰者の小川和彦氏がいらして、なんとなく催促されたような気がして、「そういえばあったな」と積み重ねられた同人誌置き場をみたら、やはり出てきた。
小川さんの送り状によると、同人誌「文芸東北」が大林しげるさんの病気で終刊となったこと、「金澤文学」が終刊のことが記してある。「なんじゃもんじゃ」は、自家制作本で、20号まで出したいとのこと。その時は、小川さんは80歳になっているそうである。
【ノンフィクション「火事」杵淵賢二】
自治会長をしている作者の地域内の火事の現場とその後の情勢が、生ナマしく活写されている。火事はこわい、という実感がわいてくる。観察力と表現力がマッチしていて的確で、文章家としても頼もしい。
【連作S町コーヒー店「かたえくぼ」坂本順子】
ティールムで、市井のちょっとした出来事を見聞したスタイルで連作をしている。今回は、乳がんを手術した女性に対する思いやりというものが、どういうものかを描く。なるほどそうなのか、と感心させられる。いつも鋭い観察力と表現力で、短くしっかり締める手腕に感心させられる。
発行所=286-0201千葉県富里市日吉台5-34-2、小川方。
紹介者「詩人回廊」編集人・伊藤昭一
付記=みなさんより同人誌を送っていただいていますが、体調不良その他の都合で、しばらく紹介記事は、お休みをします。
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