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2010年3月21日 (日)

<詩の紹介> 「透明人間 1」相川祐一

       「透明人間 1」相川祐一
少年は 透明人間に 成りたいと夢見た。 青年は 透明人間に 興味を失った。 壮年は 透明人間を 忘れ去った。

ときうつり すまいうつり やがて つとめおわり いえにこもり いつしか 老い。

世界はすべて透明になり 地球 無惨 繙いたウエルズの「透明人間」も 悲惨な死を遂げていたことを知る
          ☆
(紹介者・江素瑛)
 「裸の王様」という物語では、透明な服装は王様の新しい衣になる。裸で、生まれた快活な人間は、悩みや憂いや死のない生涯になるはずが、アダムとイブが智慧の果を食べたから、恥を知り、裸身を隠し始めた。
姿を隠す、他人を覗く、透明人間にあこがれる少年。やがて姿を隠すより見せたがって、青年になる。若い感性の失われた老壮年は、恥の感覚も薄れ、世の出来事がわれとかかわなく動く。自分も他人の姿も忘れ見えなくなるとき、世界をすべて透明になると悟る。
悲観的な詩であるが、人の一生の自然な姿を表している。

「騒」80号記念より(09年12月 町田市本町田 騒の会)

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