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2010年1月 4日 (月)

同人誌「創」第4号(名古屋市)

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 本書のなかに、三田村博史氏のコラムがあって、もともとは教室誌で、原稿用紙5枚までというきまりで始まったそうである。それがいつの間にか、長いものになっていったという。たしかに、ここにあるショート・ショートは、書き出しがピリッとしいてムダがない。

【「謎の空席」長沼宏之】
 ショート・ショート。電車に乗っていると、空席が二つあって、そのうちのひとつに腰掛けたら、自分を変な顔でみられる。隣の空席は埋まらないで、みな避けているようだ。まるで、あの秋葉原の無差別殺人をした若者が、電車内で自分の隣に一度席をとった人が、急に席を変えたことで、心が深く傷ついたような、スリリングな空気を描く。なるほどと、というオチがつく。実に巧い。お見事と拍手の作品。

【「父の背中」岡崎博子】
  ショート・ショート。爪のネイルとガンで亡くなった父との思い出を語る。これはオチがないが、必要を感じさせない。娘の気持と感を素直に表現することで完結させている。

【「インカローズ・プロジェクト」大西真紀】
 年寄りを相手にする詐欺師の男女の仕事場にアルバイトで雇われた若い主婦の話。その割には長くムダ話が多い。現代という時代の特徴表現と作者の感性による夫婦関係の表現とが合成されている。欲張りな作品だが、どっちつかず。
発行所=〒458-0383名古屋市緑区青山2-71、安藤方、「創」編集部
(紹介者「詩人回廊」編集人・伊藤昭一)

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