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2010年1月 2日 (土)

同人誌「私人」第67号2009年9月(東京)

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【「翻訳文化の新時代」尾高修也】
 前回の続きで水村美苗「日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で」における日本の危機感について語っているなかに、村上春樹の話が出てこないのだという。そこから藤井省三「村上春樹のなかの中国」について解説している。中国の中産階級での村上ブームはすごいというのは聞いたことがある。挨拶に「きみは今日、ムラカミしたか」と、彼の小説の主人公の生活スタイルを追いかけるのが流行っているそうだ。そんな彼の文体論がないのが不思議だという。そういわれれば、たしかにそうである。

【「喪失」しみず黎子】
 コケティッシュな女性の勝手な気分を描いたものだが、作者が彼女の喪失感をどうみているのかわからないのでつまらない。女性の心の動き描き出すのが巧い。

【「心を売る」庭さくら】
 女性が、夫をなくしたり、年をとって虚しくなって、パチンコのギャンブルに取り付かれる話。話の段取りが悪く、あれこれとムダ話が多く、読む気分を逸らすが、それでもここぞというところの書き込みが的を得ている。話を盛り上げる作家的な感覚は良く、才能を感じさせる。全体に面白く読ませられた。
(紹介者「詩人回廊」編集人・伊藤昭一)

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