第142回直木賞・佐々木さん、デビュー31年、還暦前の栄冠
直木賞を受賞した佐々木譲さん(59)は「もう少しリラックスしているはずだったのですが、すごく緊張している」と第一声。還暦を目前にしてつかんだ栄冠を静かに喜んだ。
受賞作は、バブルに沸くリゾート地や寂れた炭鉱跡の町で、心を病み休職中の北海道警の刑事が事件の裏側に迫る。北海道・夕張生まれ。「一番身近で風土を熟知した」郷里が舞台の作品での受賞となった。
高校卒業後、「今風に言う自分探しのフリーター」生活を送り、広告会社などを経て、20代でデビュー、冒険小説、歴史小説など次々とジャンルを変えてきた。「一つのことをやっていると飽きてしまう」
昨年、映画化された「笑う警官」など近年は警察小説がメーン。「警察組織が、日本社会が持つ問題を普遍的に体現している」と気づいたからだ。「絶対的正義を掲げるテレビドラマ的刑事は好きじゃない」
東京の自宅に妻子を置き、普段は道東の仕事部屋で一人暮らし。「小説を通し本当に格好いい男を追究したい」(文化部 佐藤憲一)(10年1月14日 読売新聞)
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コメント
佐々木譲さんの受賞喜んでいます。新しいリアリズムの人物像を浮き彫りにした才能は、かってなかったもの。
おめでとうとお祝いの言葉を送りたいです。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2010年1月21日 (木) 22時18分