近刊・詩人回廊2010」冊子の第九回「文学フリマ」に向けた企画
第九回「文学フリマ」(12月6日)に文芸同志会も参加する。そこで販売する新刊「詩人回廊2010」【写真】の版下ができた。柱は「山川豊太郎の庭サイト」にある『「物語論で読む村上春樹と宮崎駿―構造しかない日本」(角川oneテーマ21新書)に読むニヒリズム観』そのものである。
来月の参加が決まってから、山川氏にテーマを提示し、書いてもらった。山川氏は、大塚氏と面識がある。
青山ブックセンターでの第1回「文学フリマ」の会場において、主催者であった大塚英志氏と面談し、インタビューして「文芸研究月報」でそのレポートを執筆している。そのレポートは「文学フリマ5周年記念」本に転載されている。
物語が構造をもつことは、当然のことであり、大塚氏が指摘するように構造があるから世界に通用する。大塚氏は、そのことを指摘したからといって、良い悪いなどの価値については、意識的に論及していない。
構造しかない日本の物語文化がサブカルチャーを発展させたと、みてもそれに価値観の照明をあてていない。文芸評論よりも社会観察評論の要素が強い。
山川氏は、そこに着目し、観察と定義で寸止めする大塚氏の評論に、ニヒリズム的な色彩をまぶして書いている。
山川氏の話しによると、この問題より東浩紀と大塚英志のポストモダンをめぐる考え方の違いを論じる方が面白いかも知れない、ということだ。が、この辺で、大塚英志氏の発想によって、文学フリマが発祥したことを再認識するのも良いのではないか、という企画なのである。
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