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2009年10月15日 (木)

創作同人誌「R&W」第7号(愛知県)(2)

【「十人目の影」渡辺勝彦】
 特高警察の話があるので、前作の続きとわかった。広島に原爆投下があった時に全滅したとされる劇団「桜隊」のメンバーの一人が生きて、犯罪的な活動しているのではないか、という疑惑で話が進む。時代は岸信介内閣の日米安保条約推進に反対運動が盛んな時期である。
 異色のミステリーとして面白く読める。原爆の被爆都市と特高警察のからみが、時代の政治色を反映して興味をそそる。作品は本来もっと長くなる要素が見られる。ここではあらすじと構成を示したような部分もある。ストーリーが中心で、登場人物のキャラクターの細部が、まだ書き込みされていない。人物像を深めれば、もっと量感のある物語になりそう。

【「復活―友人への書簡―」改田龍男】
 自分より14歳若い妻を持つ高齢の夫が、前立腺肥大になりその治療に女性ホルモンを服用したところ、それまで何事なく営んできた性的な能力が失われてしまう。そこで性の営みの途絶えた時に、妻が憂鬱症を示すようになり、治療を行う。
 そのいきさつがあってから、碁を打ちに来ている友人がしばしば訪ねてくるようになる。夫は妻の態度が明るくなり、魅力を増してきたように思う。夫は妻が友人と不倫をしているのではないかと状況を観察するのだが、確証はない―、という話。
 この作品で、なるほどと思ったのは、冒頭に谷崎潤一郎の「鍵」という作品を引き合いにだしていることが、非常に効果的であるということだった。映画にもなったし、文庫でも、棟方志功の版画がついて、大変魅力的な出来あがりになっている。
 主人公が「鍵」を再読し、昔はなんとも変な話に思っていたが、今は実感をもって読めるという前振りが、この話のイメージを味わいのあるものにし、成功している。親友への手紙という設定だが、その親友が碁を打ちにくる男かどうか、ぼかしてあるのが気になる。
(紹介者:「詩人回廊」編集人・伊藤昭一)
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