« 文芸時評<文学8月>魂と生者のつながり(読売新聞) | トップページ | 小泉今日子・書評『昭和二十年夏、僕は兵士だった』梯久美子 »

2009年8月27日 (木)

第8回新潮ドキュメント賞に蓮池薫さん「半島へ、ふたたび」(新潮社) 小林秀雄賞は水村美苗さん

 第8回新潮ドキュメント賞(新潮文芸振興会主催)の選考会が27日、東京・虎ノ門のホテルオークラで開かれ、日本人拉致被害者、蓮池薫さん(51)の「半島へ、ふたたび」(新潮社)が受賞した。また、第8回小林秀雄賞は、水村美苗さんの「日本語が亡びるとき」(筑摩書房)に決まった。賞金はともに100万円。
 「半島へ、ふたたび」は、初めてのソウル旅行を通じて、蓮池さんが24年間にわたって拉致生活を送った北朝鮮への思いや、帰国後に翻訳を通じて失ったものを取り戻していく過程を初めてつづった手記。
 会見で蓮池さんは「受賞なんて夢の夢と思っていたので、本当にびっくりしている」と笑みを浮かべた。さらに、「今後、北での生活を(もっと)書きたい気持ちはある。次に(北朝鮮から)帰ってくる人々に『夢を与えてほしい』と訴えていきたい」と述べた。
 選考委員の柳田邦男さんは「蓮池さんのものを見る目の鮮烈さ、表現力が高く評価された。韓国への旅を、拉致被害者としての北朝鮮体験、消しがたいトラウマと重ね合わせ、朝鮮半島の実像をリアリティーを持って描き出している」と評した。(09.8.27産経ニュース)

|

« 文芸時評<文学8月>魂と生者のつながり(読売新聞) | トップページ | 小泉今日子・書評『昭和二十年夏、僕は兵士だった』梯久美子 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 文芸時評<文学8月>魂と生者のつながり(読売新聞) | トップページ | 小泉今日子・書評『昭和二十年夏、僕は兵士だった』梯久美子 »