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2009年8月15日 (土)

文庫フェア真っ盛り

文芸文庫を中心とした夏の文庫フェアが真っ盛りのなか、アスペクトと廣済堂あかつきの雑学文庫が好調だ。アスペクトの文庫版「死ぬかと思った」(林雄司編)シリーズ4点の累計発行部数がこのほど、約56万部に到達。7月26日付の日販の文庫ランキングでは、文芸作品が軒並み上位を占めるなか、『思考の整理学』(筑摩書房)とともに上位に食い込んでいる。廣済堂あかつきの『すごい!ホメ方』(内藤誼人著)は2007年の刊行だが、今年に入ってから営業担当者の地方営業で火が付き、8月までに5回重版。8月3日現在で累計7刷・5万4000部の発行を決めている。
 アスペクトの同シリーズは、今年3月に1巻(初版8万5000部)、2巻(同7万5000部)を同時に発売。続けて、7月には3巻(同7万部)、4巻(6万部)を同時に刊行した。8月3日現在では、1巻が累計24万1000部(7刷)、2巻が同14万7000部(7刷)の発行(ともに7刷は7月11日出来)。3巻は同9万1000部(3刷)、4巻は同8万3000部(4刷)を発行している。
 とくに、売行きがいいのが駅前・駅中や空港の書店。第1巻の売行き調査(アスペクト)によると、BOOKEXPRESS桜木町店が7月24日までで1600冊以上を販売して断然トップ。そのほか、三省堂書店成田空港店や丸善横浜ポルタ店が4ケタに手が届いているという。巻数ものの売行き傾向と同じく、巻を重ねるごとに、第1巻の売行きが上昇している。客層は男性4、女性6。小学生から60代と幅広く読まれているという。
同書の親本はすでに9巻までを発行しており、コミック作品も2点あるという。今後は年内に文庫の続刊などを発行するほか、映像化も検討しているが、まずはシリーズ4点で累計100万部を目指す。
 廣済堂あかつきの『すごい!ホメ方』は07年9月に初版2万1000部を発行したものの、08年7月の4000部重版で動きは止まっていた。しかし、今年からブックスキヨスククロスト店や札幌弘栄堂書店アピア店など一部の書店の仕掛けで火が付き、今年6月からは紀伊國屋書店全店での展開が始まるなど大手チェーン店にも波及している。その結果、今年3月に3刷・4000部、4月に4刷・5000部、7月には5刷・1万部、6刷・6000部を発行。8月7日出来の7刷・4000部も決まり、立て続けに版を重ねている。
 当初はビジネスマンや就職活動の大学生が客層の中心だったが、現在では若い男女などにも読者層が広がってきているという。(新文化09/8/6号)

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