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2009年7月19日 (日)

著者メッセージ: 『地雷のない世界へ』 大塚敦子さん

(講談社『BOOK倶楽部メール』 2009年7月15日号)
★地雷のない世界へ はたらく地雷探知犬
http://cz.kds.jp/cl/D12201000290.17.66775.1756189
 みなさんもごぞんじのように、私たちの社会では人間のために働いてくれる犬たちが、たくさん活躍しています。盲導犬、介助犬、聴導犬、災害救助犬、麻薬探知犬などなど。でも、「地雷探知犬」のことはあまり知られていないのではないでしょうか。
 名前だけは聞いたことがあっても、犬がどうやって地雷を探すのか、数年前までは、私もよく知りませんでした。初めて実際に地雷探知犬が仕事をするところを見たのは2005年。こんな危険でむずかしい仕事ができるようになるには、どんな風に育ち、どんな訓練を受けるのだろう。取材で訪れたボスニアの地雷原で働く犬たちの姿を見て、私はもっと地雷探知犬のことを知りたくなりました。そこで、2007年、ボスニアで生まれた子犬たちが地雷探知犬としての訓練を受け、その後カンボジアで活躍するようになるまでを追うことにしたのです。
 戦争が終わっても地雷はずっと人々の生活を脅かし続けます。それは、地雷の危険がある場所では、誰も安心して普通に暮らすことはできないからです。
 カンボジアでは、地雷が人々の生活圏のすぐそばにあり、人々は生きるために、地雷の埋まっている場所を通らざるをえません。大多数の人が農業で暮らしを立てているカンボジアで、自分の田んぼを耕す農夫が、水くみに行った女性が、林に薪を取りに行った子どもが、被害にあっているのです。もし地雷を踏んでしまったら、命を落とすか、手足を失うなどの大けがをするのですから、本当に恐ろしいことです。
 地雷のことを聞いたことはあっても、平和な国に暮らす私たちにはなかなかピンとこないものです。でも、犬たちが人間のために地雷を探してくれること、立派な地雷探知犬になるために、ほんの小さな子犬のころから訓練を受けることを知って、みなさんがこの問題に関心を持ってくれることを願っています。(大塚敦子)

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