第八回文学フリマ参加記念刊行本「詩人回廊2009」の経過
「第八回文学フリマ参加記念」として5月1日に刊行した「詩人回廊2009」(500円)の販売が約50冊を超えた。本誌は原則として会員に配布する以外は、無料で配ることはないので、すべて実売数であり、人件費を除くと、制作費の回収は順調に推移している。 《詩人回廊サイト》 この本の制作のために簡易紙切断機、布テープなどを購入。カラーコピー、モノクロコピー代がほとんどである。あと、元会員で以前会費を払ったままに人への通信費。活動再会のDM切手代などである。
買っている読者層は、同人雑誌関係の人たちはごく少数で、ほとんどが一般人である。販売担当会員の話によると、「自分は芥川龍之介の全集を読んでいるが、ここに掲載されているものは読んでいない」という人。「岡本かな子の作品『愛』というのはいいが、あの人はまだ生きているのか?」という人。「夢野久作は知っているが、『猟奇歌』なんてこんな短歌を詠んでいるとは、さすが変人だと再認識した」という人。また、会員の知り合いは、芥川龍之介の載っている本に作品を書くなんてすごいね」と、モノ珍しもの買いで、編集人の意図が当った事例などが見られる。
また、「薄いので旅行に持って行って、列車のなかで読んだが、どれも現代の人が書いたような」時代を超えた現代性を感じ、なによりも面白い」という反響もあった。
編集人としては、今回の「詩人回廊2009」の読みどころの柱は、中原中也の「散歩生活」であった。かなり文学好きの人でないとわからないものなので、売れなくても仕方がないという気持で、編集人の独断的な精神を盛り込んだものになっている。
会としては、これまでISBNの図書コードの取得をするなど、発行物の自主流通の準備をしてきたが、今回のアナログオンデマンド制作本「詩人回廊2009」の製作・流通の実験によって、当初から100部程度の部数であったなら、クチコミや会員の事務所受付に置いてもらう協力販売などで、わざわざ経費をかけてまで図書コードをつける必要がないのではないか、と思うようになった。
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