村上春樹さん「1Q84」品切れ続出…増刷も追いつかず
(6月4日 読売新聞)爆発的なヒットを続ける村上春樹さんの新作小説『1Q84(イチ・キュウ・ハチ・ヨン)』(新潮社、2巻、各税別1800円)の第1巻が、品切れとなる書店が続出している。
同書は2002年刊行の『海辺のカフカ』以来の大長編。オンライン書店のアマゾン・ジャパンで、2巻計2万部が予約期間中に売り切れるなど、発売前から人気が沸騰。発売元の新潮社は、初版で1巻を20万部、2巻を18万部印刷していたが、発売前の5月22日に各5万部を増刷した。東京都内の大型書店の店頭には27日に並び、最初の週末となった30日には、「3人に1人は『1Q84』を買っているような感じだった」(紀伊国屋書店新宿本店)という。
同社は4日現在、1巻を7刷51万部、2巻を同45万部まで増刷したが、市場に出ているのは2刷分まで。印刷が人気に追いつかず、書店で品薄になっている。
同書は1984年のもう一つの世界を舞台にした小説だが、新潮社は村上さんと話し合い、発売まで書名と価格以外の情報を伏せた。また、事前に目を通す社員も限定し、情報管理を徹底した。出版ニュース社の清田義昭代表取締役は「ハングリー・マーケットの典型。タイトルの意味も、内容も分からず、読者の飢餓感が高まった」と分析している。
一方、小説に登場するジョージ・セル指揮、ヤナーチェク作曲の「シンフォニエッタ」を収録するCDについて、発売元のソニー・ミュージックジャパンインターナショナルは数千枚の追加生産を行った。
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