「野間宏の会」奥泉光さんらがシンポジウム!人間探求こそ文学
第17回「野間宏の会」のシンポジウム「文学よ、どこへゆく?-世界文学と日本文学」が東京都新宿区の日本出版クラブ会館であり、作家の奥泉光さんらが自身の文学観や、戦後文学の旗手として活躍した野間への思いを語った。
奥泉さんは「一言で言えば、文学とは『人間とは何か?』と探求するもの。日本語の小説世界の中でその問いを最も追求したのが(野間をはじめとする)戦後派だった」と振り返った上で、「切実さこそ失っているが、人間のあり方への問いは今後も消えない」と話した。
「光ばかりできれいな言葉があふれる中に闇を取り戻すのが文学だと思う」と話したのは作家の姜信子さん。「野間作品に感じるのは執念深さ。楽しかったという気持ちを表現するのに、『楽しかった』という言葉を使わずに10ページ書いてくるような。そういうのを忘れた文章が多いから、最近の小説はあまり読まないんです…」と話し、会場の笑いを誘った。
また、私小説で知られる作家の佐伯一麦さんも、自身とは作風が違う野間作品を高校時代に愛読し、影響を受けたエピソードを披露した。(産経ニュース09.6.29)
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