第八回「文学フリマ」(蒲田)参加者のつぶやき(3)
ここではすこしばかり、内輪の話をしよう。今回の文学フリマでの文芸同志会の販売状況は、作家・伊藤桂一教室のテキスト同人誌「グループ桂」60号が5冊、それから文芸同志会発行の「詩人回廊2009」(伊藤昭一編集)が4冊、「カフカもどきー山川豊太郎・北一郎作品集」2冊、「罠の報酬」(伊藤鶴樹著)が2冊であった。これとは別に、会員の詩の仲間の本「ワルツ」1冊が売れた。リンクでわかるように立派な装丁である。
これは500円で売ります、と関さんに了承をとって、並べておいた。店番を松島さんにまかせて、山川氏と近くの京浜蒲田商店街に食事にしに行き、戻ってみたら、「ワルツ」が売れました、と松島さんに言われた。意外と同時に面白いものである。関さんには300円分配することにした。200円は会の収入にすることにした。残った本は、ブログの「ほんの紹介」欄で紹介していくつもり。
会員の松島さんは、セールには才能のある人で、彼女が来てくれるとよく売れる。今回は家の人が急病になられているのを、時間を作って参加してもらったので、それだけでもありがたく思っている。彼女は、長く前衛的な劇団「鉄割アルバトロスケット」のフアンである。驚いたことに、この劇団の主宰者は戌井昭人氏で、現在も雑誌「新潮」の前衛的な小説を書いているという。(3月号で「まずいスープ(150枚)/戌井昭人」=大麻を育て密輸にかかわり失踪するダメ父と一家の奇妙で可笑しな連帯。「意味わかんねえ人間」たちのドラマ。というのが話題になった記憶がある)自分も下北沢の公演を見た記憶があるが、ハチャメチャでエネルギッシュな面白さがあった。今は、どの日も予約が満員である。
一方の、テキスト同人誌「グループ桂」は、存在のアピールが目的なので、売上げは同志会に寄付してくれると編集部がいうので、売りがいがある。
以前から会員の本は、フリマのあるたびにブースで売っているのだが、各人がどれも3冊ずつ持ち寄ったとしても、かなりの量になるので、積極的に勧めていない。どの本を並べるかは、代表者の独断と偏見で決めている。
今回は松島さんと山川氏が手伝ってもらえたので助かった。独りで店番をしていたら、食事にもいけない。独りで参加する人などは、やはり事前に交代要員を見つけておいたほうが良いと思う。一人活動の人は文芸同志会に入っておけば、本当は楽なのだ。今までは抽選で、不確定なのでそれを言い出せなかったが、今後はかなりの確立で可能である。もっとも、それだけが目的というのも困るので、「詩人回廊」に庭を持って欲しいものだ。
ただ、伝統的な文芸同人誌の人たちは、孤高の世界の好きな人が多い。(よくわからないが、社会が変化に対して、自分たちは変化しない、という主張のように思える。もちろんそれは自由であることだが)。
自分は現在の社会の動向を読んで、日和見的に対応しようという姿勢である。あわよくば、そのなかで自分たちの主張と同じ流れを作ろうとする文芸同志会の活動は、ほかとそりが合わない傾向にあったとしても仕方がない。それは会の結成の時点から、あまり理解をされていなかったので、気にしてはいない。結成以来、強制退会してもらった会員も複数いる。考えは当時からぶれていない。現状を把握し、それ対応する活動をするだけである。「詩人回廊2009」の本は、一般人向けの専門販売担当会員がいる。これが、よく売るのだ。かなりの迫力で販売を推進し、フリマの10倍の成果である。読者は、同人誌活動に無縁な人が多いようだ。
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