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2009年5月31日 (日)

「西日本文学展望」西日本新聞5月28日朝刊・長野秀樹氏

題「経験の重さ」
冒頭紹介<五月から六月にかけては、西日本にゆかりの深い文学者の忌日が並ぶ。つい先日には永く、宮崎県だけではなく九州の同人雑誌を引っ張ってこられた黒木淳吉さんの訃報を聞いた。先月号でも触れた檀一雄を偲ぶ花逢忌が五月の第三日曜。今年は博多湾から吹き付ける強い風の中の開催だった。批評家として活躍した花田俊典さんの夕映忌が六月二日、芥川賞候補であり、「午前」「西域」の中心的存在だった北川晃二さんの南風忌が、今年は六月十四日である。ほかにも長崎の詩人山田かんさんの命日が六月八日、九州大学の近代文学の教授だった重松泰雄先生の命日が十九日である。>
●麻生富久男さん『残燭』(九州文学社刊)、倉岡敏子さん『日めくり』(本多企画刊)
それぞれ大正九(一九二〇)年と同十年のお生まれである。(略)人生経験の豊かさ、重さがこの二冊には集約されており、それが感動を呼ぶ
●宮本誠一さん「烙印」(「詩と真実」七一九号、熊本市)、「午前」八五号(福岡市)青海静雄さん「らしく」、「竜舌蘭」一七六号(宮崎市)岡林稔さんの評論「額装された手紙」、同誌の久保輝巳さん「背嚢」、阿蘇ペンクラブ機関誌「無辺」一三号(熊本県高森市)特集コラムのテーマは水(「文芸同人誌案内」掲示板・日和貴さんまとめ)

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2009年5月30日 (土)

「生きること そして詩」 佐藤裕

 すべてにものごとの成り行きに、もっとらしい理由をつけて我々は生きる。しかし、その心は現実から遊離する。学生の入学と進学とすらルールが変わる。卒業して社会人になって、複雑怪奇な決まりの現実とのギャップであろう。何がもっともらしいのか、何が理想で何が夢想か。佐藤裕の詩人精神は毒を含み、腐食した現実を鵜呑みにさせられて自家中毒を起こすのである。内出血から外出血にーー詩人は、現実は絶えざる継続に抵抗しつづけるであろう。
 西脇順三郎は、「詩学」のなかで、このようなことを記している。
――ポエジイはイロニイである。ポエジイは諧謔性である。ポエジイは絶対的否定である。ポエジイは寂滅性である。ポエジイは憂愁性である――と説く。
<マラルメはそうしたポエジイの内容の全体を宗教的にみて、ポエジイは存在の神秘を表現することであると言っている。マラルメはそうした神秘的な寂滅の世界を表現しようとした。>
 <ポエジイは想像することである。想像するということはどういうことであるか。ベイコンの説では自然が結んだものを離し、離しているものを結ぶことである>と説く。――

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2009年5月29日 (金)

詩の紹介 「あらゆる黄色」 関 中子

(紹介者・江素瑛)
なぜ黄色なのか? この世界に隠された色の秘密を暗示する不思議な詩。
輝き、権威、罪、妬み、騙すと許すまで感じさせる黄色。矛盾の色。
陽の照らすなか、あらゆる色、あらゆる気持の揺れを、愛情の黄色で輝かせるのでしょうか?

あらゆる黄色 

二人の話は今日も止まらない
ひとつの茎に次々と咲く花のようにそれほど間違いなく

定められた順序として
いつ人生を生きぬく確実さを彼は覚悟したのだろう

午後には大きな花壇のまわりをいくどもめぐり
彼の心をのぞき
自分の偽りを陽にかざした
ああ 空の花
重なり合い 離れ合い
ありとあらゆる色であらゆる黄色に輝く

すべての愛のために
戦争が終わりを迎える日が来ますように

詩集「夏のひかりに」より(09年4月 思潮社・東京都)
参照: 「関 中子の庭」サイト

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文芸同人誌動向「文芸思潮」第29号(2009初夏号)

「九州文学」(福岡県中間市)の波佐間義之さんから「文芸思潮」第29号(2009初夏号)をいただきました。ありがとうございます。
「編集後記」に「今号は結果的に同人雑誌の特集となった。」とあるように、同人誌関連記事に多くのページを割いています。以下、紹介します。
●座談会「同人雑誌の新展開」新・同人雑誌評とネットワーク化をめぐって
加藤宗哉(三田文学編集長)・勝又浩(文芸評論家)・菊田均(文芸評論家)・三田村博史(中部ペンクラブ会長)・森啓夫(全国同人雑誌振興会会長「文学街」主宰)・飯田章(作家集団「塊」)・小沢美智恵(作家集団「塊」)・尾関忠雄(「北斗」中部ペンクラブ)・名村和美(「海牛」中部ペンクラブ)・中村賢三(「弦」中部ペンクラブ)・五十嵐勉(司会・本誌編集長)
●全国同人雑誌優秀作と所属同人誌の紹介
「雲の向こうのメメントモリ」梶川洋一郎/「安藝文学」広島県
「繭の中」森崎房枝/「文学街」東京都
「カプセル・タイム」大西亮/「北斗」愛知県
「どくだみ」波佐間義之/「九州文學」福岡県
●第3回全国同人雑誌最優秀賞「まほろば賞」公開選考会のお知らせ
この賞は文芸同人雑誌の進行と創作活動の奨励を図るため、全国同人雑誌振興会および文芸思潮により創設されたものです。今号と次号に掲載された「全国同人雑誌優秀作」が候補作です。公開選考会は9月5日(土)、山梨県立文学館にて開催。参加費は無料ですが、全候補作を読む必要があります。(「文芸同人誌案内」掲示板・日和貴さんまとめ)

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2009年5月28日 (木)

自費出版本の保存と記録保存について

 寄せられた同人雑誌がたまったので、そのうちの幾冊かを東京・水天宮の近くにある自費出版図書館に寄贈しに行った。それと同時に、HPに新規の事業化とりかかっているので、貸し出し業務が出来ない、とあったのだが、伊藤晋館長にその事情をきくことが出来た。なんでも自費出版図書館の継続のための手法を検討しているそうである。どのような方式なるかは、まだ検討中で公表できないという。
 ほんとうは、貴重な資料として、公的な自治体などが保存をはかるというのが、理想的だが、近年はどの自治体も予算をとることがない。それどころか、保存しきれずに一般人に無料放出しているとこも少なくない。
 左翼系の文芸評論家・浜賀知彦氏などは、戦後のプロレタリア文学者たちが参加した同人誌などを多く保管しているが、地元図書館に寄贈を申し出たが断られたそうである。また、雑誌「文学界」雑誌の同人雑誌評を長らくやっていた久保田正文氏が亡くなったあと、所有する蔵書を蒲田駅前図書館に寄贈してあるというので、見にいったら書棚にはなく、別室の書庫のなかにしまってあった。
 水天宮の自費出版図書館では、保存資料の貸し出しが月に100件ほどあるという。そのほか、民衆による戦争体験の記録資料が豊富なので、毎年8月ごろになると、新聞社が資料探しにやってくるようだ。また、その中には自費出版専門会社の営業マンが、顧客をさがすためにすでに出版している人さがし来ることもあって、再発刊の誘いを受けたという話が出ている。
 いずれにしても、図書館に限らず、文芸同人雑誌や文学団体など世代がかわるので、その承継仕方で変化がおきそうだ。
 最近こんな記事が出た。ここでも、新聞記事を多く使っている。削除要請があればいつでも応じるつもりであるが、まだどこからもない。目的は資料保存のためであるが、場合によれば自粛しなければいけないかも知れない。
「出版サイトの文章をブログに無断転載 容疑の会社員逮捕(産経ニュース09.5.27)」=千葉県警生活経済課などは27日、健康関連の書籍出版「法研」(東京)のインターネットサイトに掲載された文章などをコピーし、自分のブログに無断で転載したとして、著作権法違反(公衆送信権侵害)容疑で、大阪府高槻市堤町、会社員を逮捕した。K容疑者は副業でブログを使った健康商品の販売をしており、容疑を認めている。平成18年9月から転載し始めた形跡が残っているとして同課が詳しい経緯を調べている。法研によると、昨年12月にメールで削除を要請したが、金城容疑者は転載を続けていた。

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2009年5月27日 (水)

文芸時評<文学5月>(09年5月26日 読売新聞・山内則史記者)

「戦争」通じ世界の断面―閉塞と戦場 舞台は違えど
今月は、1980年生まれの日本人男性と79年生まれのイラン人女性が、新人賞を受賞してデビューを果たした。同世代の2人が描くのは「戦争」。中身は全く違うけれど、それぞれの「戦争」を通して、世界の切実な一断面を開いている。
 群像新人文学賞の丸岡大介氏(28)「カメレオン狂のための戦争学習帳」(群像)は、地方都市にある20代、30代の独身教師向け〈修身教員寮〉が舞台。頻発する不祥事で風当たりが強まる教師のモラルを立て直すための、男ばかりの時代錯誤的な空間だ。ここに入寮した私立高の国語教師が、ひそかに市の教育委員会から寮生活のリポートを書くよう依頼される。
 背後には管理を強化しようとする市と、これに反発する教員組合との対立があるらしい。軍隊まがいの規律、相互監視の網の目、加速する疑心暗鬼。寮生活を記録する教師が見えない戦争に巻き込まれ、次第に妄想と狂気を深めていく様が、クラウゼヴィッツ『戦争論』を効果的に織り込みながらつづられる。冗舌で、過剰で、滑稽(こっけい)な語りは秀逸だ。
 文学界新人賞のシリン・ネザマフィ氏(29)「白い紙」(文学界)は、文字通り戦時下に生きる人々、戦争によって引き裂かれた淡い恋をストレートに描く。
 イラン・イラク戦争のさなか、前線近くに派遣された医師の父を追って、母と娘も首都テヘランからイラク国境に近い田舎町にやって来る。そこで娘は、医師になることを夢見る少年に思いを寄せる。が、自分の父が戦場から逃亡したことを恥じた成績抜群のその少年は、大学医学部への進学を棒に振り、志願して戦場へ身を投じる。
 空襲警報のサイレンに逃げまどい、避難所では戦いに立ち上がれと愛国主義者が人々を鼓舞している。戦争の熱狂と盲目と悲惨を、作者は何としても書きたかったのだろう。その強い思いが伝わってくる。暮らしの中のイスラム教が内側から描かれ、首都と田舎町で信仰の厳格さに格差があることがうかがえる点も興味深い。
 社会に巣くう内なる戦争と、国と国の戦争と。両作品の懸隔に、書くべきことがあからさまに見えない日本で小説を書く難しさも感じる。同時に、選考委員の松浦寿輝氏が指摘するように「白い紙」は翻訳小説とどう違うのか、日本語で書かれる必然があるかという疑問も残る。
 その点、同じ文学界新人賞から出た中国人作家、楊逸(ヤンイー)氏(44)の新作「すき・やき」(新潮)は、なぜ日本語で書くかという問いをあらかじめ含んだ地点から発想されている。主人公の中国人留学生は大学に通いながら、姉も働いていたすき焼き屋で仲居のアルバイトを始める。慣れない和服を着て異国に自分をなじませようとする彼女は、日本(語)と中国(語)の間に立っている。それがおのずと小説の磁場を形作っている。連れの男がころころ変わる水商売の女の孤独、長年連れ添った妻が認知症になった夫の苦悩――来店する日本人の姿を見つめる彼女は、家庭のある日本人店長への〈恋煩い〉を抱える。題名は「好き・妬き」の意味も含んでいるのだろう。
 このほかでは西村賢太氏(41)「膿汁(のうじゅう)の流れ」(群像)が印象に残った。一緒に暮らす女との確執、大きな借金をして女の家族からもひんしゅくを買う男の身の置き場のなさと強がりは例のごとくだが、祖母の記憶を重ねて小説の深みが増した。すばる文学賞受賞第1作、天埜裕文氏(23)「左へ」は、バイト先で仲間はずれにされる青年の世界との齟齬(そご)をとらえる乾いた視線が新鮮。
 また、星野智幸氏(43)の新連載「俺俺」(新潮)は、携帯を盗んだ〈俺〉が、携帯の持ち主になりすまして金を振り込ませるが、〈俺〉は持ち主の男の位置にすっぽりはまってしまったらしく、周囲は〈俺〉を〈俺〉と見なしてくれなくなって、という不条理な始まり。一体〈俺〉は、この先どうなってしまうのだろう。とても気になる。(山内則史記者)

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2009年5月26日 (火)

村上春樹さんの『1Q84』、ネット予約で早くも1万冊

 インターネット通販大手のアマゾンジャパンは25日、村上春樹さんの新刊『1Q84』(1・2巻、新潮社 29日発売)のネット書籍ストアでの予約が約3週間で計1万冊を突破したと発表した。
 同社広報部によると、4月22日から予約受付を開始、今月20日に集計をまとめた。昨年の『ハリー・ポッターと死の秘宝』(上下巻)で約9万5000冊という例があるが、日本の長編文芸作品(2巻以上)としては過去最高という。(産経ニュース09.5.25)

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2009年5月25日 (月)

【Q1】ファンタジーは好きですか?

(講談社『BOOK倶楽部メール』09年5月15日号)
・好き…36% ・どちらかといえば好き…22%
・どちらともいえない…28%・どちらかといえば嫌い…10% ・嫌い…4%
【Q2】ファンタジーといえばこの人!(BEST5 敬称略)
上橋菜穂子、小野不由美、J.R.R.トールキン、ミヒャエル・エンデ、J.K.ローリング
【Q3】この人にファンタジーを書いてほしい!(BEST5 敬称略)
西尾維新、京極夏彦、森博嗣、宮部みゆき、恩田陸
【Q4】おすすめのファンタジーは? (BEST5)
『十二国記』、「ハリー・ポッターシリーズ」
『指輪物語』、『ブレイブ・ストーリー』、『モモ』
★荻原規子さんの「勾玉三部作」はまさに「日本のファンタジー」だと思います!外国のファンタジーが人気ですが、これにかなうものはありません。(大阪府 H様 10代)
★上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズ。主人公の女用心棒・バルサが格好良くて、憧れます。それに、地図がついているのもポイント高し。アニメ化されたものも、絵が綺麗で良かったです。(大阪府 S様 10代)
★宮部みゆきの「ブレイブストーリー」ものすごい文章量ですが、読み始めたら止まらない冒険のストーリーと読み終えてから分かる社会の真理とも言うべきメッセージに考えさせられました。(愛知県 G様 10代)
★「バーティミアス」(ジョナサン・ストラウド)が大好きです。途中、人間の主人公を蹴飛ばしたくなりますが、悪魔の話がすごく痛快です。ラストは悲しいですが、面白いですよ。(長崎県 T様 10代)
★『盗まれた記憶の博物館』(ラルフ・イーザウ)すごくわくわくして、テスト目前でしたがいっき読みしてしまった作品です。(岐阜県 M様 10代)
★『はてしない物語』ファンタジーなんですけど、読んでいてすごく辛かったんですよね。でも何年か経って読み返したら、こんなに面白い話だったのかと衝撃を受けました。(山形県 M様 20代)
★佐藤さとるさんの「コロボックル」シリーズ。子供の頃読んで、小さい世界に引込まれて、想像が膨らみました。あの時間を今でも覚えてます。楽しかった。(大阪府 O様 30代)
★なんと言っても「指輪物語」です。ハリウッドはこれを何度も真似してもどうしても「英雄物語」にしてしまう。 そんなことではない。これは人類の知恵と力の集成である指輪を捨てるために旅をして、見事… (岡山県 O様 40代)
★『ゲド戦記 影との戦い』(アーシュラ・K. ル・グウィン)この作品でファンタジーの奥の広さ、根源に潜む力を感じました。大人も読むに値する子供だけの物ではないとわかりました。(東京都 J様 40代)
★「安徳天皇漂海記」(宇月原晴明)史実と絡めつつすべてが安徳天皇へとつながっていくのがぞくぞくするほど気持ち良いです。時代や場所を超えて幾多の歴史上の人物をつなげ、壮大でありつつ、美しく… (東京都 N様 40代)
 --------------すべて『十二国記』について。★一度はまれば、その世界観から逃れられません。(福岡県 E様 10代)★図書室では常に貸し出しのトップに入っていました。(東京都 E様 10代)★…続きが気になって気になって…。(神奈川県 M様 20代)★こんなに嵌った小説はなかった。(愛知県 K様 20代)★新作が出ていないのは非常に残念ですが、何度も読み返している作品です。(東京都 O様 20代)★これを読むまでは、「ファンタジーなんてね」と馬鹿するぐらいの勢いだったけど…早く読んでおけばよかった。(東京都 A様 20代)★ファンタジーの枠では収まりきれない、壮大な世界観と生の根源を問う作品。このシリーズを読んで、しばらく他の本が手に付かなくなった。(東京都 T様 30代)★多分推薦する人多いでしょうね。完璧に嵌ること間違いなし!(鹿児島県 I様 30代)★世界最強ファンタジーはこれだと思うんですが、世界観が欧米諸国には伝わりにくいのか…… (山口県 I様 ?★壮大な世界観と、試練に苦しみ悩みつつ覚悟してゆく登場人物たちの虜になりました。(広島県 S様 ?)

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イラク人質事件でバッシングを受けた高遠さんのイラク訪問報告(2)

 写真家の森住卓さんの話では、イラクのジャーナリスト・ラマディ氏は米軍によって理由もなく拘束され、入れられた檻は、183センチのラマディ氏に対し、150×150×150センチものもので、身動きがとれないものであったという。
 その他、米軍の民家無差別攻撃によって、破壊された光景や公園が墓地になっている様子が紹介された。
 高遠菜穂子さんが、イラク入りして3日目までは、護衛のない普通の訪問でいられたが、それを知った日本の大使館が、おどろきあわててイラク政府高官まで手をまわして護衛依頼。そのために、大げさな武装護衛がついたた。何事かと現地で警戒され、説明のための記者会見まで開く破目になったらしい。また、ただの丸腰の民間人であったことを前提に訪問を受け入れてくれる筈であった施設には行けなくなったという。
 日本の大使館にすれば、また誘拐事件でも起きたら大変で、自分たちは関わりたくもなければ、ボランティアなど迷惑な行為であるに過ぎない。護衛まで頼んだのだから後のことは知らない、とういう風に考えるのは尤もな理由である。
 一方、高遠菜穂子さんにしてみれば、大国の思惑によって死んでゆく人々や困窮者を救いたいだけのボランティア精神による行為に過ぎない。みんな良い人なのにうまくいかないのが社会というものである。その周辺には、政治的に利用しようとしたり、国民感情を煽って混乱を活用しようという力がうごめく。どの国にも、建前では平和をとなえながら、戦争を商売にする人々が存在するものだ。
 アメリカの戦争を請負うベクトル社は、優秀なスナイパーをやとってイラクで活躍したが、こんどは復興事業を請け負い、日本のゼネコンのように丸投げをし、下請けがそれをイラク人の会社に安く丸投げしているようだ。

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2009年5月24日 (日)

イラク人質事件でバッシングを受けた高遠さんのイラク訪問報告(1)

 写真家の森住卓さん、ジャーナリスト志葉玲さん、ボランティアの高遠菜穂子さんが、この4月に5年ぶりにイラクを訪問。その緊急報告会が22日、明治大学駿河台キャンパスリバティタワーで開催された。関連サイト「イラク・ホープ・ダイアリー」
 なかでも、高遠菜穂子さんは、イラクで緊急支援活動に携わり、04年に4度目のイラク渡航の際に武装集団に人質に取られた。イラク人からは「軍隊を派遣した日本」の怒号を浴び、日本では自己責任問題として、世論と称するメディアからバッシングを受けた経歴をもつ。

 高遠さんがイラク訪問したことは、ロイター通信によって、世界に19000件もニュースとして配信されたそうである。それを知った高遠さんは、また家族が日本国民の世論からバッシングを受けるのではないかと心配して日本に連絡を入れたが、日本ではその事実は報道されておらず、安心したという。ジョークで言えば、もしかしたらメディアの温情によって、日本での報道が自粛されたのかもしれない。

 今回のイラク帰国報告会のタイトルは「『隠された虐殺』から5年後のファルージャ、『知られざる虐殺』のラマディをたずねて」とし、2003年以降、”スンニ三角地帯””最激戦地””アルカイダの拠点”とされた西部アンバール州が、米軍との交渉の末に、伝統的な部族の指導者たちが、自主的に治安維持にあたり、米軍が中心地域から手を引いたことで、ようやく薄氷の平安を取り戻している現状が報告された。

 高遠菜穂子さんがイラクで誘拐された時に、彼女のボランティア活動の貢献を知人のイラク人が「イラク・イスラム法学者協会」のクバイイシ師に報告。「絶対に助けなければいけない」という意思を表明し、高遠さん開放の窓口となった。事件後、彼女は全国で講演し、集めた資金約3660万円をイラク支援に投じた。(志葉玲氏「FRIDEY」09.5.29記事より)。今回のイラク訪問は、地元の部族の治安組織「覚醒協議会」の招聘で実現したのだという。

 この地域は米軍による大量殺戮がくり返された悲劇の地で、掃討作戦による民間人死者数は数万ともいわれるが、日常的に狙撃された市民の数は想像をはるかに越えていたという。
 森住 卓(もりずみたかし)氏は、1951年神奈川県生まれ。世界の核被害を取材。1998年劣化ウラン弾被害の取材でイラクと出会う。以後、戦争前後18回イラク入りし取材を続けている。今回の報告では、米軍の無差別虐殺ぶりを世界に報道発信するジャーナリストが弾圧され169人が亡くなっている現状と、米軍が劣化ウラン弾を多用したため、破壊されたあとからは高濃度の放射能が検出されていること、ところがその弾丸の破片はまったく見つからないという。米軍が証拠隠滅のため、回収された可能性を感じるという。

◆森住 卓(もりずみたかし)=戦争前後18回イラク入りし取材を続けている。著書:『セミパラチンスク 草原の民 核汚染の50年』『イラク 湾岸戦争の子どもたち』『イラク 占領と核汚染』『沖縄戦 集団自決を生きる』(以上高文研)『私たちはいまイラクにいます』(講談社)『核に蝕まれる地球』(岩波書店).。核汚染シリーズ①『楽園に降った死の灰 マーシャル諸島共和国』②『ムスタファの村 イラク共和国』③『6脚の子牛 カザフスタン共和国』(新日本出版社)など。http://www.morizumi-pj.com
◆志葉 玲(しばれい)=1975年生まれ。番組制作会社を経て2002年から平和・環境・人権をテーマにフリーのジャーナリストとして活動を開始。2002年12月~2009年4月まで計7回イラクを訪れ、2009年1月にパレスチナ自治区ガザでも取材するなど、紛争地取材を行うほか、地球温暖化対策や格差・貧困問題なども幅広く取材、週刊SPA!週刊FRIDAY、東京新聞などに記事・写真を提供。大手メルマガ配信サービス『まぐまぐ』から、メールマガジンも発行している。http://reishiva.jp/news/?id=4159

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伊坂幸太郎『重力ピエロ』が100万部突破

伊坂幸太郎『重力ピエロ』(新潮文庫)は、2006年6月に初版12万部で発行、08年5月に50万部を超え、今年5月21日に9万部の増刷で累計108万4000部(47刷)となった。単行本は現在まで10万部(37刷)に。4月25日から、著者・伊坂幸太郎氏の地元・仙台で同名の映画が先行公開され、興行収入は順調なスタートを切ったという。5月23日からは全国200館で公開される。

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2009年5月23日 (土)

東野圭吾さんが日本推理作家協会の新理事長に 

 日本推理作家協会の特別理事会が21日、東京都内で開かれ、新理事長に作家の東野圭吾さん(51)が選ばれた。任期は6月1日から2年間。初代の江戸川乱歩から数えて13人目の理事長。東野さんは「白夜行」「流星の絆」などドラマ化、映画化の作品も多い人気作家。昨年は「ガリレオ」シリーズが大ヒットした。

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2009年5月21日 (木)

第八回「文学フリマ」(蒲田)参加者のつぶやき(4)

 ブースに置いてあったチラシで、興味が湧いたのは「創作文芸同人誌交換交流会66」というものだった。サイトアドレスにskipjackという文字があったからだ。たしか、文学フリマの初期に文章系同人誌作品紹介の冊子を発行していたグループが「スキップジャック」だったと記憶していて、どうなったのかな?と思うことがあったからだ。同じグループかどうかは分からないが、6月6日(土)に秋葉原の末広町で、同人誌交換会を行うということだ。
 このブログでも作品紹介というのをやっているが、かなりのヘビイな労働で難しいところがある。文芸同志会は、とくに紹介を約束しているわけでもないので、紹介にするにも、時間があればできるだけするが、忙しければ省略してしまう。そのような勝手気ままなところがあるので、細々と続いているのだ。
 鶴樹の同人誌の読み方は、大体において、外出する時は同人誌を鞄に入れ、電車の中や喫茶店で読む。変わった奴だと思われるだろうが。読みながら小さなメモ紙にその要点を書く。書いているうちに、これは今の時代と縁がうすいな、と思ったら紹介しない部類に入れる。メモはその日のうちに捨てる。メモを捨てても印象に残ったものを、パソコンに書く。基本的に、この作品を批判することは他の人に参考になる、と思うと一応批判的に書くが、なるべく批判はしないようにする。はっきり言って、買った本でもないのに、その作品の出来が良かろうと悪かろうと、書いた人の勝手で、こっちがどうのこうの言うほどもモノではないからだ。独断的で気まぐれなものである。
 ただ、会ったこともない人が、その作品をどう読んだか、というのは記録に値するのではないかとは、思う。それでも最近は、同人誌が相互に読後評を掲載しだしたし、「文芸同人誌案内」の掲示板グループなどでも論議が活発化している。今後は、発展してきた文芸関係のHP やブログを読んで時代を知ることができるので、当会での役割は終わっているように思う。
 それから、葦牙の会と交流をして雑誌「葦牙」を交換させてもらったが、みなさん年配者で、自分よりも年長そうな人が、「宮本顕治氏を検証する」などというテーマを取り扱ったりしているので驚いた。プロの世界がここにもあった。「零文学」とも交流があるそうだ。

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第八回「文学フリマ」(蒲田)参加者のつぶやき(3)

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 ここではすこしばかり、内輪の話をしよう。今回の文学フリマでの文芸同志会の販売状況は、作家・伊藤桂一教室のテキスト同人誌「グループ桂」60号が5冊、それから文芸同志会発行の「詩人回廊2009」(伊藤昭一編集)が4冊、「カフカもどきー山川豊太郎・北一郎作品集」2冊、「罠の報酬」(伊藤鶴樹著)が2冊であった。これとは別に、会員の詩の仲間の本「ワルツ」1冊が売れた。リンクでわかるように立派な装丁である。
 これは500円で売ります、と関さんに了承をとって、並べておいた。店番を松島さんにまかせて、山川氏と近くの京浜蒲田商店街に食事にしに行き、戻ってみたら、「ワルツ」が売れました、と松島さんに言われた。意外と同時に面白いものである。関さんには300円分配することにした。200円は会の収入にすることにした。残った本は、ブログの「ほんの紹介」欄で紹介していくつもり。
 会員の松島さんは、セールには才能のある人で、彼女が来てくれるとよく売れる。今回は家の人が急病になられているのを、時間を作って参加してもらったので、それだけでもありがたく思っている。彼女は、長く前衛的な劇団「鉄割アルバトロスケット」のフアンである。驚いたことに、この劇団の主宰者は戌井昭人氏で、現在も雑誌「新潮」の前衛的な小説を書いているという。(3月号で「まずいスープ(150枚)/戌井昭人」=大麻を育て密輸にかかわり失踪するダメ父と一家の奇妙で可笑しな連帯。「意味わかんねえ人間」たちのドラマ。というのが話題になった記憶がある)自分も下北沢の公演を見た記憶があるが、ハチャメチャでエネルギッシュな面白さがあった。今は、どの日も予約が満員である。
 一方の、テキスト同人誌「グループ桂」は、存在のアピールが目的なので、売上げは同志会に寄付してくれると編集部がいうので、売りがいがある。
 以前から会員の本は、フリマのあるたびにブースで売っているのだが、各人がどれも3冊ずつ持ち寄ったとしても、かなりの量になるので、積極的に勧めていない。どの本を並べるかは、代表者の独断と偏見で決めている。

 今回は松島さんと山川氏が手伝ってもらえたので助かった。独りで店番をしていたら、食事にもいけない。独りで参加する人などは、やはり事前に交代要員を見つけておいたほうが良いと思う。一人活動の人は文芸同志会に入っておけば、本当は楽なのだ。今までは抽選で、不確定なのでそれを言い出せなかったが、今後はかなりの確立で可能である。もっとも、それだけが目的というのも困るので、「詩人回廊」に庭を持って欲しいものだ。
 ただ、伝統的な文芸同人誌の人たちは、孤高の世界の好きな人が多い。(よくわからないが、社会が変化に対して、自分たちは変化しない、という主張のように思える。もちろんそれは自由であることだが)。
自分は現在の社会の動向を読んで、日和見的に対応しようという姿勢である。あわよくば、そのなかで自分たちの主張と同じ流れを作ろうとする文芸同志会の活動は、ほかとそりが合わない傾向にあったとしても仕方がない。それは会の結成の時点から、あまり理解をされていなかったので、気にしてはいない。結成以来、強制退会してもらった会員も複数いる。考えは当時からぶれていない。現状を把握し、それ対応する活動をするだけである。「詩人回廊2009」の本は、一般人向けの専門販売担当会員がいる。これが、よく売るのだ。かなりの迫力で販売を推進し、フリマの10倍の成果である。読者は、同人誌活動に無縁な人が多いようだ。

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2009年5月20日 (水)

第55回江戸川乱歩賞受賞の遠藤武文さん(43)

 選考日の朝は神社に参り、夕方から「七福人」という居酒屋で銘柄に「一番」とつくビールを飲み連絡を待った。験を担ぎまくったのもミステリー最難関の新人賞だから。「昨年、書き始めたときは想像だにしなかった」。朗報に驚きを隠さない。
 受賞作「三十九条の過失」は、交通刑務所で起きた密室殺人の謎が多様な思惑をはらみ二転三転する。読者をけむに巻くトリックの冴(さ)えが評価された。何年も必死に挑戦する作家志望者も多いこの賞を、初めて書いた長編小説であっさり射止めた運と実力の持ち主だ。
 早大卒業後、故郷の長野県で暮らし、今は損保会社で交通事故の示談交渉に携わる。事故の悲劇を見つめてきたことが創作を後押しした。ホームズを読みふけった中高生以来、作家はあこがれ。10年前からシナリオの賞へ投稿してきたが、原点に戻りミステリー小説に挑戦した。
 記者会見では「いきなり書いて取ったので今後が大変」とため息も。だが、大沢在昌選考委員が「将来大化けするかも」と期待を寄せると、「ホームズみたいな名探偵もいつか描きたい」。緊張が笑みに変わった。(文化部 佐藤憲一)(09年5月20日 読売新聞)

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2009年5月19日 (火)

第9回本格ミステリ大賞 小説部門 牧薩次さん「完全恋愛」

 第9回本格ミステリ大賞(本格ミステリ作家クラブ主催)は、小説部門が牧薩次(さつじ)さんの「完全恋愛」(マガジンハウス)、評論・研究部門は円堂都司昭(えんどう・としあき)さん(46)の「『謎』の解像度」(光文社)に決定。受賞者2人が東京都内で会見し、喜びを語った。
 牧薩次は、アニメの脚本などでも知られる大ベテラン作家、辻真先さん(77)の別名。牧さんは「後ろから背を押された気持ちがする。押された先が断崖(だんがい)絶壁かもしれないが、せっかくだからもう少し頑張ってみたい」とユーモア交じりに喜びを表現した。
 受賞作は昭和20年から平成へと至る日本を舞台に、恋愛小説とトリックを巧みに融合させた力作。本格ミステリ作家クラブの北村薫会長も「若いころから本格ミステリを読み続けているとまあ驚くことはないのだが、そういう身構えた読み方をさせない。身構えていないところを投げられた…という感じで新鮮だった」と絶賛した。
牧さんも「ラブストーリーとして一応完結できた。純然たるミステリーとはいえないかもしれないが、今まで書けなかったものが書けた」と手応えを感じた様子だった。
 一方の円堂さんは先月発表された日本推理作家協会賞とのダブル受賞。「第1回のこの賞の候補になったことを出発点にしながら頑張ってきた。感激しています」と話した。(産経ニュース09.5.17)

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2009年5月18日 (月)

第八回「文学フリマ」(蒲田)参加者のつぶやき(2)

009会場前の入場者の行列
  第8回「文学フリマ」(蒲田)の参加グループは300組を超えていた。前回の秋葉原会場では160組超なので、今回の参加の店は倍増している。
  自分のブースへきたところ、たくさんのチラシが置いてあった。やはり、1800人を動員するイベントとなると、ビジネスの舞台になるようで、「いや、資本主義の現場に突入しているのだなあ」と、いう実感が湧く。
その日は、それを見ている時間がないので、袋に入れて持って帰り、あとで一通り眼を通してみた。情報としてみるためだ。そこで、主なものをここに取り上げてみよう。
  まず、「HAL-CON・はるこん2010―さくらの季節のSFコンベンション」2010年4月10日(土)~11日、大宮ソニックシティ(さいたま市)開催。参加費一般9千円(9月30日まで)学生3千円、10歳以下無料とある。ゲスト・オブ・オナー「チャールズ・ストロスがやってくる!」があった。知らない作家だが、早川書房より翻訳があるようだ。
  次は、「49回日本SF大会」のチラシ。2010年8月7日(土)~8日まで、タワーホール船堀(江東区江戸川区)開催で、定員1,000人。参加費一万円、とある。
  ぶんがく社(株式会社メイク)は笹川道博編集長の名刺と自費出版のプラン別価格表が置いてあった。それと同人誌事業部の豪華価格表冊子。
  くりえい社も豪華な冊子で、本制作のスケジュール表や新スタイルの本の制作パターンを紹介。
 プリントワーク社も支援イベントバックアップ実施中の冊子。これらはコミック系からの文章系進出らしい。それぞれ洒落たデザインで、少部数でも比較的安く作れるのがわかる。
  関西美術印刷(株)は、「かんびニュース」というのを出していて、「お風呂ポスター」とか、「ハート型うちわ」とかグッズ化する印刷をアピールするパンフレットである。
039会場風景
005_2
  このような体験をしたコミック系の人たちが文章系に転向して来るのであるから、これからはどんな新文学が生まれるやら楽しみではある。同時に文芸同志会は、このような世代にどのようにして伝統的な文学精神を浸透させるか、改めて考える必要性を感じる。ここは、異なる世代が同じ場所で文学に接する貴重な場でもある。
参加者増えた分、各ブースの販売競争が増したわけで、入場者は前回とほぼ同じ数。従って、売上げは前回より減って当然のところであろう。また、初めて参加したグループでは、会場の雰囲気からどのようなアピールをすれば良いかという販売戦略の手がかりがつかめたはずだ。

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2009年5月17日 (日)

第八回「文学フリマ」(蒲田)参加者のつぶやき(1)

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 新型インフルエンザで神戸のイベントが中止になったという。いま考えると、5月10日(日)の文学フリマは、こうしたことがなくてよかったと思う。会場の産業プラザPIOの方では、「大田区も国や都の指導に従って、もし、厳戒態勢に入れば、即刻中止する方針」とういう話が伝わってきてはいた。「まさか、そんなことは」と思っていたが、危機一髪だったのかもしれない。すでに今年の12月には、開催を予定しているようだが、何とか早く終息して欲しいものだ。
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 ところで、我が文芸同志会は、第3回まで参加していたが、申込者全員参加可能とあって、久しぶりの現場復帰参加であった。
 第8回は何が違うと言って、まず、会場の広さと出店者の使い勝手がよくなったことであろう。また、カタログの広告の豪華さがちがう。講談社の「東浩紀ゼロアカ道場」と同人誌制作の(株)ポプルスとNHKの「パフォー」である(写真)。(ちなみに、前々回だったか、同人誌作家の集まりである「全作家」や当会の伊藤が運営するITO事務局も「手書き原稿をパソコン入力します」というささやかな広告を出していた)。
 全体の入場者数は、運営部で用意したカタログ2千部が残り200部を切っていたというので、まあ、参加者を含めて1800人ぐらいはあった、ということであろう。ただ、我が同志会ブースに訪れた2名の人は、カタログをまだ、貰っていないといっていた。
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 NHKの「パフォー」は、ライトノベル作家として、「文学フリマ」参加メンバーであった直木賞作家・桜庭一樹氏を審査員にした超ショート小説を会場で応募受付をしていた。その条件が、CDRだかフロッピーだかで、データーを提出するというものだった。
 そんなに面倒な方式にもかかわらず、午後3時ころに、何名ほどの応募があったのかをきいたところ、25~6名だそうで、30名には届かなかったようだ。それでも担当者は「良い宣伝ができています」と、大変気を良くしていたようだった。

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2009年5月16日 (土)

学燈社の「国文学」休刊、純文学の人気低迷で

 日本語や日本文学の月刊専門誌「国文学」(学燈社刊)が6月11日発売の7月号で休刊することが分かった。
 1956年の創刊以来、国文学研究者の発表の場として知られ、専門誌ならではの特集に定評があったが、大学の国文学離れや純文学の人気低迷で部数が減っていた。

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2009年5月15日 (金)

現代プレミア:第1号『ノンフィクションと教養』刊行

 ノンフィクションに関するさまざまな話題を集めたムック『現代プレミア ノンフィクションと教養』(講談社)が16日、刊行される。このムックが第1号となる「現代プレミア」シリーズは、昨年12月発売号で休刊した『月刊現代』の精神を引き継ぎ、今後、単行本やブログなどさまざまな手段でノンフィクションのすそ野を広げる。
 「現代プレミア」は、今秋からの刊行を予定する、『月刊現代』の後継媒体とは別建ての存在。『ノンフィクションと~』は、作家で起訴休職中外務事務官の佐藤優さんが責任編集。加藤陽子、佐藤優、佐野眞一の3氏による座談会や、この3人に加えて魚住昭、原武史、保阪正康の各氏らが選ぶお勧めのノンフィクション100作リストがメーン。さらに、雨宮処凛、飯尾潤、潮匡人、大城立裕、酒井順子、藤原帰一の各氏ら、立場も思想も大きく違うさまざまな識者が、ノンフィクションと自分とのかかわりを記したエッセーなどで構成している。
 「現代プレミア」は『月刊現代』元編集長の高橋明男・ジャーナル・ラボ担当部長が音頭を取って企画した。今後は、ムックの続編やシリーズの一環としての単行本刊行を考えている。さらに、ブログでノンフィクション作家たちが近況を報告したり、そこでの議論を講演会などに還元したり、紙媒体にこだわらない展開も計画している。
 高橋部長は「21世紀の新しいノンフィクションの器を示したい」と意気込んでいる。【鈴木英生】(毎日新聞09年5月12日夕刊)

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2009年5月14日 (木)

同人誌評「讀賣新聞」西日本地域版09年5月12日夕刊・松本常彦氏

題:弱者の「語り」現実と格闘
宮本誠一「烙印」(「詩と真實」719号)・水木怜「夏の残り」(「第二回北九州文学協会文学賞受賞作品集」)・船越節「霊視の刻」(第七期「九州文学」5号)・天谷千香子「雲のベッド」(「季刊午前」40号)。(「文芸同人誌案内」)掲示板・日和貴さんまとめ)

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2009年5月13日 (水)

第25回太宰治賞は柄澤 昌幸さん「だむかん」に決まる

第25回太宰治賞(筑摩書房・三鷹市共同主催)の選考委員会は、選考委員三氏(加藤典洋、荒川洋治、三浦しをん)による選考の結果、柄澤 昌幸「だむかん」決定した。選考委員の小川洋子氏は欠席。受賞の柄澤 昌幸(からさわ・まさゆき)さんあ(40歳)は、1969年生まれ、埼玉県在住。賞金100万円。
筑摩書房サイト

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第16回日本ホラー大賞に宮ノ川さんほか、てえしさん、朱雀さん

 第16回日本ホラー小説大賞(角川書店主催)の選考会が行われ、大賞が茨城県石岡市の自営業、宮ノ川顕さん(46)の「ヤゴ」、長編賞は千葉県東金市の大学生、てえしさん(21)の「嘘神」、短編賞は滋賀県長浜市の大学教員、朱雀門出さん(41)の「寅淡語怪録」に決まった。賞金は大賞が500万円、長編賞が300万円、短編賞が200万円。

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同人雑誌評「季刊文科」第44号 2009年4月30日発行

◆松本道介氏「いささか古風な」
<冒頭部分抜き書き>
私にとって同人雑誌は十年前にも面白かったし、今でも面白い小説に出会うことは出来るのである。だからこそ私は志願して同人雑誌評を続けることにしたのだった。/同人雑誌の強味は作品がいささか古風であることだ。いささか回顧的でもあり、場合によっては方言もまじって田舎くさくもあるところ……しかしこれからの時代にはそうした傾向の方が強味になると私は考えている。
亜木康子「教室はやり唄」(「湧水」40号、豊島区)・西向聡「ずんだれ」(「法螺60号、交野市)・同誌より井藤藍「草じらみ」・鮒田トト「ベロニカベルシカ」(「龍舌蘭」175号、宮崎市)・同誌より足立正男「揺らぎ」・吉田啓子「行く川の」(「勢陽」21号、伊勢市)・鷹宮さより「そこにいる人」(「雲」2月号、東京都)・山口馨「風景-月壺-」(「渤海」57号、富山市)・植田三洋子「十字路」(「とぽす」46号、茨木市)・黒川嘉正「絵のような話」(「木綿葉」3号、熊本県宇城市)・同誌より井上明「目には見えねど」
◆勝又浩氏「流れは絶えずして」
<冒頭、「視点」(多摩市)70号よりエッセイ「同人雑誌は永遠に不滅です」大類秀志筆を紹介。以下抜き書き>
同人雑誌自体の流れは絶えることはないだろうと、私も思う。(略)今年になって同人雑誌評を載せ始めた同人誌がいくつも現れだしたのも最近の動きのひとつである。こうした無償の活動も同人雑誌が持つ大きな力であるが、それが日本の文学全体のあり方につながらないはずがないと思うばかりである。
「港の灯」(創刊号、神戸市)より島雄「月と星」、藤原泰俊「夏の光景」・西山慶尚「知覧-六月三日の邂逅-」(「海峡」20号、今治市)・河合火骨「友よ。君の自死は、私に何を与えたのか……」(「月火水」32号、横浜市)、松田希王宏「十六夜の月」・新開語「ファースト・ラブ」(「文学横浜」39号、横須賀市)、金田清志「穏やかな街へ」・山村薫「キャンバス」(「まくた」262号、横浜市)、塚越淑行「静かな怒り」・松岡佑莉「月の石」(「小説π」9号、さいたま市)・「逆光線」(6号、市川市)より有馬輝「星の婚礼」・稲毛恍「蜘蛛十話」(「午後」18号、横浜市)。(「文芸同人誌案内」掲示板・日和貴さんまとめ)

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2009年5月12日 (火)

「文芸季評2009」(読売新聞5月9日)池田雄一氏(文芸評論家)

タイトル=労働 作品世界の要素
《対象作品》鹿島田真希「ゼロの王国」(講談社)/青木淳悟「このあいだ東京ね」(新潮社)/宮崎誉子「派遣ちゃん」(新潮社)/長嶋有「ねたあとに」(朝日新聞出版)/中村文則「何もかも憂鬱な夜」(集英社)/津村記久子「八番筋カウンシル」。
 この評論では、労働について題材にした作品について論評。結局、日本における時代性を描くのにもっとも適しているのが、働く現場を舞台にすることである。さすがに大手出版社から出るプロの作家たちは、当然のごとくここに着眼している。を評論で、ここを読め、としているのが正統的で面白い。

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リービ英雄さんと安藤礼二さんに第20回伊藤整文学賞

 第20回伊藤整文学賞(伊藤整文学賞の会、北海道小樽市など主催)は11日、小説部門が米国生まれのリービ英雄さん(58)の「仮の水」(講談社)に、評論部門が安藤礼二さん(41)の「光の曼陀羅」(講談社)に決まった。賞金は各100万円。

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2009年5月11日 (月)

第八回「文学フリマ」蒲田にて出店販売!

02
5月10日(日)約320組参加の文学フリマ(蒲田)でした。これまでにない参加者数で、準備や手伝いにやはり倍、疲れました。会員の松島さん(写真)や山川氏に店番ほか手伝ってもらい、そこそこの成績で、参加料は赤字にならずに済みました。また、「木曜日」のよこいさん、長崎の会の秋田さんなどにご挨拶をいただき、会員の関さんが友人といらしてもらい、皆さんありがとうございました。
 同志会の主宰者サイドとしては、「キャラクターズ」を読む話のある「詩人回廊2009」を来場された東浩紀氏に手渡し出来て、前回書きますよといったことが実現できました。文芸評論を情報化するという自分なりの実験の手がかりにもなりました。その後途中、雑用が入ったのと、野暮用で周囲の人と交流や買い入れができなかったのが課題でした。それでも、注目したグループがあるので、後日印象を書きたいもの。

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2009年5月 9日 (土)

雑誌発行部数発表、2008年度下半期(7~12月)=日本ABC協会

(産経09.5.9)【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】(208)より。
 日本ABC協会(Japan Audit Bureau of Circulations=新聞雑誌部数公査機構)による2008年度下半期(7~12月)の雑誌部数が公表された。前年同期を上回ったのは39誌、下回ったのが147誌。週刊誌は軒並み減っている。
 『週刊文春』51万9074部ー 『週刊新潮』44万6688部ー 『週刊ポスト』29万7120部ー 『週刊現代』24万9931部ー 『週刊プレイボーイ』20万7233部ー 『週刊大衆』20万4301部ー 『週刊朝日』17万4902部
 『アサヒ芸能』12万4761部ー 『AERA』11万5586部ー 『SPA!』11万0655部ー 『サンデー毎日』6万8832部ー 『ニューズウィーク日本版』6万6468部ー
 前年同期と比べて部数減が著しいのは『現代』で20・64%減。次いで『アサ芸』が17・06%減、『ポスト』が15・93%減。『サン毎』『ニューズウィーク』の6万台というのは経営的にかなり苦しいハズだ。女性週刊誌3誌も減る一方。
 『女性セブン』30万3015部ー 『女性自身』28万6946部ー 『週刊女性』19万5787部ー
         ☆
追記2009年上半期発行部数データ

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1カ月の本代アンケ-ト

(講談社『BOOK倶楽部メール』 2009年5月1日号)
【Q1】1カ月の本代はおよそいくらですか?
・3,000円…22% ・2,000円…19% ・1,000円…18% ・5,000円…18%
・10,000円…8% ・20,000円…5% (以下省略)
【Q2】1年前に比べて本代は?
・かなり増えた…8% ・少し増えた…20% ・変わらない…41%
・かなり減った…9% ・少し減った…23%
【Q3】1年前に比べて読書量は?
・かなり増えた…8% ・少し増えた…21% ・変わらない…35%
・かなり減った…5% ・少し減った…31% 
【Q4】Q3から続く…読書量が変わった理由は?
・自由時間の変化…31%
・精神的なゆとりの変化…19%
・本への興味、読書への意欲の変化…18%
・本に費やせるお金の変化…16%
・読書環境の変化…6%
・その他…9%

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2009年5月 8日 (金)

同人誌「VIKING」荒波に負けず

 (待田晋哉)(09年5月7日 読売新聞) 作家、富士正晴(1913~87年)創設の関西を代表する文芸同人誌「VIKING」が、700号を迎えた。記念号に寄せた作家の福田紀一さん(79)の文章によると、自宅の書棚にある同誌は2メートル53に及ぶという。1947年の創刊から62年かけた大記録だ。
 同誌は100号ごとに毎号の執筆者を記した索引集を作る。19歳で芥川賞候補になり2年後に自裁した久坂葉子の代表作『幾度目かの最期』は、53年の47号。60年代の学生に支持された高橋和巳の『憂鬱(ゆううつ)なる党派』は59年、108号で連載が始まった。そのほか直木賞作家の津本陽、仏文学者の山田稔……。名門の歴史を感じさせる。
 一方、プロデビューの主な道筋が、同人誌から出版社の新人賞経由へ変わり、インターネットで個人の作品を簡単に発表できる時代の変化の荒波を、同誌も受ける。36人の同人は50~70代が多く、高齢化が進む。
 だが、発行人の佐伯敏光さん(61)は「物語の面白さで読ませる作品より、誠実な文章を好むのが『VIKING』の伝統です。書くことへの愛情を大切にした富士さんの精神は、今も引き継がれている」と話す。
 700号の記念例会は先月26日、兵庫県芦屋市で行われた。日本酒の一升瓶やウイスキーの瓶が目につく畳敷きの大広間で、2時間半かけて作品の論評をする。「読者に迷惑かけたら、あかんねんで」。ある出席者の持って回った文章を、同人の島京子さん(83)が、たしなめる一幕もあった。
 書いたものを肉声で批判され、ほめられる緊張感は、背筋に深く染みてくる。
 文芸春秋の「文学界」から、慶応大系の「三田文学」に舞台を移した「新 同人雑誌評」を担当する勝又浩さんは、同誌春季号で、地道に同人誌で執筆を続ける人々が、「日本文学のやっぱり一番ベースにある力だと思う」と語っている。
 <自らの存続を唯一の目的として発行されている>。「VIKING」は高らかに謳(うた)う。横風を受け、時には座礁したとしても、きっと自由気ままに航行を続けてゆくだろう。

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2009年5月 7日 (木)

著者メッセージ: 講談社BOX新人賞“流水大賞”受賞者(黒乃翔・くろのしょう)

『マッドドリーム・アンド・マジカルワールド』
 正直、何を書けばいいのか途方に暮れてます。大賞を受賞した訳でもないのに受賞の喜びを書き表そうものなら、客観的に 見てかなりイタい人になってしまうこと確実です。真面目に『自分にとって小説とは何か』みたいなことを書こうものなら、絶対に読者に鼻で笑われます。
 今後のことを書こうにも、もしデビュー一作目で消えてしまったら、と思うと恐ろしくて書けません……。どうすればいいんでしょうか。そんなわけで黒乃翔と申しますっ! よろしくお願いしまーす。(黒乃翔・くろのしょう)
(講談社『BOOK倶楽部メール』09年5月1日号)

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2009年5月 6日 (水)

第52回農民文学賞作=壊れる共同体を見つめて!詩集「山麗の村」の鹿島茂さん

鹿島茂さんは1930(昭和5)年、宮城県生まれ。1962年より蔵王町議会議員農業委員。1972年より、町文化協会々長、春駒等保存会を結成し育成に努める。蔵王町史編纂委員、ふるさと文化会館館長等も歴任する。歌集「鋤鍬物語」、詩集「村の風景」、小説「馬乱塔の家」などがある。2004年、宮城県芸術協会賞を受賞している。文学活動のほか、現在は蔵王町土地改良区の理事長をしている。内外の情勢に激変する日本の農業の目撃者である。それだけに歴史意識に照らした鋭い視線がある。
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第52回農民文学賞作=壊れる共同体を見つめて!詩集「山麗の村」の鹿島茂さん

第52回農民文学賞の特別賞に鹿島茂さんの詩集「山麗の村」が選ばれた。そのなかの「再会」という作品には、40年前に莚(むしろ)旗を押し立て、農林省に共に押しかけた農民運動家が、米や青果類をスーパーに仲卸をして、大手商社と組み、年商200億円を豪語するまでに変わった男の姿を浮き彫りにしているものがある。

 作家で詩人の伊藤桂一氏は「東北の農民の辛苦を愛情もって描き、あわせて行政への批判も忘れない。日本農民文学会ではもっとも長い経験があり、常に指導的な立場で活動されてきた。農民文学でなければ生まれない詩集である」とその重みを評価する。

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2009年5月 5日 (火)

農民文学賞の贈呈式に出席

027【写真は、懇親会での作家・伊藤桂一氏】
選者の伊藤桂一氏や南雲道夫氏、淡路島文学の北原文雄氏などとも久しぶりに談話。
「詩人回廊」のサイトをセレクショアンした本「詩人回廊2009}を伊藤桂一氏に手渡す。最近の詩には、行を変えただけの散文が増えたので、散文詩をふくめた「詩人回廊2009」本を発行したことや、歴史的な作家たちとの作品の同時掲載で、昔のプロと自分達の作品を較べれば、無言の批評になることなどを説明。「それは、いいことだよ」と認めてくれた。

第52回農民文学賞(上)=遺影への贈呈式!「里山の冬」で受賞の山脇和之さん
第52回農民文学賞(中)=小説「TAKARA」で酪農の現実と希望を描いた森厚さん

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2009年5月 3日 (日)

文芸時評4月(東京新聞4月23日)沼野充義氏

《対象作品》佐藤亜紀「アナトーリとぼく」(SFマガジン5月臨時増刊号)/諏訪哲史「ロンバルディア遠景」(群像)/中村文則「掏摸(すり)」(文芸・夏季号)/安藤礼二「霊獣『死者の書』完結編」(群像)/同、単行本「光の曼陀羅」(講談社)/同、評論「砂漠の薔薇」(「神奈川大学評論」62号)。

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2009年5月 2日 (土)

TDL本「最後のパレード」自主回収「著作権侵害複数あった」

「最後のパレード」 東京ディズニーランド(TDL)にまつわる逸話を集めたとされる「最後のパレード」(中村克著)の盗用疑惑で、版元のサンクチュアリ・パブリッシング(東京)は1日、同書の自主回収を始めた。
 取次店や書店によると、同日午前、版元から「社内調査の結果、著作権を侵害するものが複数存在していることがわかった。結果を厳粛に受けとめ、書籍の回収をすることにした」と連絡があったという。
 同書については、収録されていたエピソードが、「小さな親切」運動本部のキャンペーン入賞作を無断引用していたことが判明し、同本部が新聞への謝罪文掲載や自主回収を要求。サンクチュアリ側は同本部に謝罪したものの、自主回収は拒否して販売を続けていた。しかし4月30日午後、同本部の代表らが記者会見し、あらためて自主回収を求めていた。
 サンクチュアリ・パブリッシングでは1日昼の時点で「個別の取材には応じられない」としている。(産経09.5.1)
<関連ニュース>
TDL本、盗用された女性が声明「聖域へ土足で踏み込まれた」
 東京ディズニーランド(TDL)にまつわる逸話を集めたとされる「最後のパレード」(中村克著)に、自作を無断で転載された大分県在住の70代女性が30日、「小さな親切」運動本部を通じて、「大切な思い出の聖域へ土足で踏み込まれたような不快感を覚える」と中村氏と版元のサンクチュアリ・パブリッシング(東京)に抗議するメッセージを発表した。
 女性は、元のエピソードはTDLではなく、「家の近くの遊園地」での出来事だと明言。中村氏に対して「人の文章を寄せ集め、都合よく書きかえて本物の感動が得られるとお思いでしょうか」と疑問を投げかけた。また、サンクチュアリ社には「おわびがあって然るべきではないでしょうか」と釈明会見を求めた。
 女性は「あひるさん、ありがとう」というタイトルの文章を「小さな親切」運動本部のキャンペーンに応募し、平成16年度の日本郵政公社総裁賞を受賞した。サンクチュアリ社は「最後のパレード」にこの作品を「無断引用した」と認めたが、運動本部側の求めた自主回収には応じていない。
 メッセージは同日、都内で記者会見した運動本部の関係者が明らかにした。(産経09.4.30)

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文芸時評4月(毎日新聞09年4月27日)川村湊氏

「ロケットと小説の類似」社会との手応え感じられるか/軌道に乗ってこそ成功
《対象作品》牧村真有子「夏草無言電話」(群像)/青山七恵「ミカウさんの近況」(文学界)/中村文則「掏摸(すり)」(文芸・夏季号)/藤沢周「キルリアン」(新潮)/原田ひ香「失踪クラブ」(すばる)/玄侑宗久「残り足」(文学界)/伊藤たかみ「安定期つれづれ」。

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2009年5月 1日 (金)

西日本文学展望「西日本新聞」4月28日朝刊 長野秀樹氏

《対象作品》 船越節さん「霊視の刻」(第七期「九州文学」第5号、福岡県中間市)
紺野夏子さん「可燃物の日」(「南風」25号、福岡市)、「季刊午前」(福岡市)は創刊40号、特別記念号。記念企画として二千字特集。天谷千香子さん「雲のベッド」、香月真理子さん「『路上に咲いた二人展』という名の展覧会」、「九州文学」柿添元さんの遺稿詩「一つの差」(「文芸同人誌案内」掲示板・日和貴さんまとめ)

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