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2009年5月20日 (水)

第55回江戸川乱歩賞受賞の遠藤武文さん(43)

 選考日の朝は神社に参り、夕方から「七福人」という居酒屋で銘柄に「一番」とつくビールを飲み連絡を待った。験を担ぎまくったのもミステリー最難関の新人賞だから。「昨年、書き始めたときは想像だにしなかった」。朗報に驚きを隠さない。
 受賞作「三十九条の過失」は、交通刑務所で起きた密室殺人の謎が多様な思惑をはらみ二転三転する。読者をけむに巻くトリックの冴(さ)えが評価された。何年も必死に挑戦する作家志望者も多いこの賞を、初めて書いた長編小説であっさり射止めた運と実力の持ち主だ。
 早大卒業後、故郷の長野県で暮らし、今は損保会社で交通事故の示談交渉に携わる。事故の悲劇を見つめてきたことが創作を後押しした。ホームズを読みふけった中高生以来、作家はあこがれ。10年前からシナリオの賞へ投稿してきたが、原点に戻りミステリー小説に挑戦した。
 記者会見では「いきなり書いて取ったので今後が大変」とため息も。だが、大沢在昌選考委員が「将来大化けするかも」と期待を寄せると、「ホームズみたいな名探偵もいつか描きたい」。緊張が笑みに変わった。(文化部 佐藤憲一)(09年5月20日 読売新聞)

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