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2009年4月24日 (金)

同人誌「R&W」第6号(愛知郡)(2)

【「何処へ」山本進】
 妻も子供も先に亡くなってしまっている76歳の扇造は大腸がんを患う。信頼している医師が、手術をすれば、元通りの生活ができるという。それを信じていたら、その医師が病院を辞めたらしく、説明のないまま別の医師が担当することになった。すると、新しい医師は、手術をすると悪影響がある。手術をしないで抗がん剤や放射線治療の方が良い、と判断して告げる。信じていた人を失って揺れる心。しかし、扇造は手術を希望し、それは意外にも良い結果をもたらす。そこから病後の孤独な生活が始まる。まさに、彼は次の危機に出会うまで、何処に向かうのか。
 とりたてて、ドラマ的な要素がないのに、表現が的確で存在感のある筆力は、格別である。病気と死生観の変化を語るなかで、人間の心理の動きを見事に描き、作品として独立させているのに感心させられた。

【「夢のかけら」松本順子】
 他人の夢のなかに潜入することができる少年の不思議な体験の物語。発想が面白く、想像力にすぐれ、期待を裏切らない進行をみせる。面白い話術に才気を感じさせる。別の欄にエッセイで夏目漱石の「夢十夜」の論評があり、漱石の名がなくても読者を魅了させるエッセイが存在することを語る。いわゆる作品を作者名の問わなくてもよい独立した「テクスト」として成立させることを考えているようだ。文学的な創作に対して意慾的で、向上心の強さが示されている。
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