« 同人誌時評(1月)「図書新聞」09.2.7志村有弘氏 | トップページ | 文芸同人誌「照葉樹」第6号(福岡県) »

2009年2月 9日 (月)

「春の文学フリマ2008」アンケート結果を発表

 文学フリマ事務局では、昨年5月11日に秋葉原の東京都中小企業振興会館で開催した「春の文学フリマ2008」のアンケート調査結果をまとめている。アンケート調査は「出店参加者」(回答者54人)と「来場者」(回答者87人)に分類して実施された。 (「文学フリマ」サイト)
 これは「春の文学フリマ」であるが、その後の11月の開催では、ゼロアカ道場の参加者が各グループが500部をほぼ完売し、5時間で約3000部を販売するという、企画した講談社も前代未聞の結果に驚くほどであった。その意味で、平常はこのくらいという目安になると思う。
【出店者からのアンケート】
 回答した人たちの性別は、女性30%、男性70%である。年代層は、16歳から65歳までで、幅広い年代層が同時に出店参加していることがわかる。
 「何人で参加したか?」では、1~3人がほとんどで、なかには13人というのもあった。
 同人誌即売会に対する経験度では、文学フリマしか知らない=25%。他の同人誌即売会に行ったことがある=70%。無回答=5%である。
 他に行ったことのある即売会では、コミケ、コミティアがほとんどで、その他、コミックシティ、関西コミティア、創作畑、TAT-HON、ふたけっと、ぶんぶん、サンクリ、02E、みみけっと、M3、コミックライブ、SF大会コミケ、博麗神社例大祭、東京ポエケットなど。
 「今後も文学フリマに参加したいか?」との設問では、次回以降も出店したい、時間があれば出店してみたい、が全員。100%が次回参加を希望していた。
 「文学フリマへの参加をしたきっかけ」では、過去に出店した経験があるから=50%強。来場したことがあるから=25%。インターネットで知った=10%。その他、友人・知人からの情報、チラシでみた、何で知ったか覚えていない、などがあった。
 「どれだけ売れたか?」という質問には、30冊以上売ったというグループが12組いる。その事例を挙げると次のようなものがある。カッコ内は売上金。90冊(9千円)、55冊(1万6500円)、54冊(7万8900円)、50冊(1万7500円)、50冊(2万円)、40冊(2万円)、39冊(3900円)、32冊(1万2千円)、31冊(5500円)、30冊(1万2千円)、30冊(4500円)など。
 好きな作家と雑誌名に関して挙げられたのは、次の通り。カッコ内の数字は挙げた人の数。
《好きな作家》=熊谷達也、豊田徹也、小林恭三、大塚英志、乙一、伊坂幸太郎(2)、アーサー・C・クラーク、埴谷雄高、田中ロミオ、灰谷健一郎、浅井ラボ、川上稔、村上龍(2)、バルザック、浅田次郎、小野冬美、井村君江、萩原規子、仁木悦子、赤江漠、坂口安吾など。
《好きな雑誌》=「本の雑誌」、「ドラゴン・マガジン」、「新潮」、「電撃文庫」、「ダ・ビンチ」(4)、「LO」、「IKKI」、「ジャンプSQ」、「アフタヌーン」、「特撮ニュータイプ」、「近代麻雀」、「活字倶楽部」など。

【来場者からのアンケート】
 回答した人たちの性別は、女性45%、男性55%である。年代層は、15歳から46歳までとなっている。
同人誌即売会に対する経験度では、「文学フリマしか知らない」と「文学フリマが初めて」という人が=45%。他の同人誌即売会に行ったことがある=55%である。
 「行ったことのある即売会」では、コミケ、コミティア、サンシャイクリエイションなどが多かった。
「同人誌を買うとしたら、幾らぐらいなら買うか?」という質問では、1500円以下が圧倒的であった。
 会場で買った本の数と使った金額は、「5冊以内」=47%で、使った金額は最高で3000円である。平均は900円。「6冊以上」=35%で、使った金額の最高は、1万円である。平均は2500円であった。「買わなかった」が5%。その他は無記入。
 「会場で印象に残ったグループや本がどれですか?」という質問には次ぎのような結果が出た。カッコ内の数字は挙げた人の数。
 《印象に残ったグループ》=NMTP、新月お茶の会(6)、ICU、NOWHERE,AZURE、天竜川&螺咲狂、AURORE、物書き同盟(2)、B-59、HEADZ/BRAINZ/VECTORS(3)、神楽同盟、零文学、左隣のラスプーチン、古い夢、山羊の木、ぱるけん、MAD TEA PAVTY、ヴィンテージミステリクラブ、西岡兄妹、小説カメラ、えらぷち、パンチライン+少女症、SKIPJACK、パクさん家、53、COCONY177OUS、ピアノ・ファイア・パブリッシング、アララギ派、筑波批評社、CHUN BEAN、アーカイブ騎士団、破滅派、詩学同人、文章向上委員会、三十両。
 《印象に残った本》=「ライトノベル+フォント」、「月猫通り」(3)、「清龍五号」、「テニプリ」(2)、「CUT-CUT-CUT」、「飄々」、「漫画をめくる~」、「アラザル」(3)、「ケータイ小説レビュー」、「風の王国」、「零文学」、「文芸誌この一年」、「凡TIME」、「暮」、「猫筆屋弐」、「MAD TEA PAVTY―VOL4」、「人殺しの女の子の話」、「かいこ横丁」、「パンチライン」、「百物語」、「オタサー!」(2)、「マンガをめくる冒険」、「19NOVEMBOR」、「ナノヅキ」、「物語の根拠」、「十二ケ月」。
 好きな作家と雑誌名に関して挙げられたのは、次の通り。カッコ内の数字は人数。
 《好きな作家》=グレッグ・イーガン、スタニスワブレム、ルディ・ラッカー、舞城王太郎(3)、佐藤友哉(3)、横溝正史、ろくごまるに、笹本裕一、宮の沢伊織、川上弘美(2)、タニス・リー、マイクルムアコック、ポー、マンディアルグ、泉鏡花、シュペルヴィユル・ツアラ、高畑京一郎、奈須きのこ、土山しげる、桜庭一樹、大槻ケンジ、シェクスピア、古川日出男、吉田修一、福永信、小林恭三、星新一、村上龍、山本文緒、乙一(2)、秋山端人、島田雅彦、桐野夏生、江戸川乱歩、海野十三、酒見賢一、島尾敏雄、後藤明生、阿部昭、野坂昭如、森見登美彦(2)、堀江敏幸、小川洋子、筒井康隆、高村薫、古処誠二、森絵都、吉田篤敬、海棠尊、倉本由布、三角みづ紀、光瀬龍、片山憲太郎、神林長平、西尾維新、北村薫、金城一紀、エドワード・ゴーリー、J・D・サリンジャー、谷崎潤一郎、司馬遼太郎。
 《好きな雑誌》=「群像」、「本の雑誌」、「月刊アフタヌーン」、「ファウスト」(2)、「文藝」(2)、「SFマガジン」、「真夜中」、「キャンキャン」、「グラマラス」、「VIVI」、「Chou Chou」、「ダ・ヴィンチ」(3)、「メフィスト」、「るしをる」、「コバルト」、「現代詩手帖」、「EDGE」、「ユリイカ」、「創」、「JUNON」、「サライ」。

|

« 同人誌時評(1月)「図書新聞」09.2.7志村有弘氏 | トップページ | 文芸同人誌「照葉樹」第6号(福岡県) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 同人誌時評(1月)「図書新聞」09.2.7志村有弘氏 | トップページ | 文芸同人誌「照葉樹」第6号(福岡県) »