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2009年1月 9日 (金)

同人誌「楔(くさび)」第25号(横浜市)(2)

【「銀次郎の日記――年金生活も未知への冒険の一つ」青江由紀夫】
 この日記によると、作者は3日に2冊のペースで本を読みこなすことを目標にし、すでに63歳8ヶ月から、69歳1ヶ月までの5年と5ヶ月でこの実績であるという。これは読書による老人の能力開発の実験であるという。
. 青江氏の本名が川村博旨氏であることを知らされた。大学教授として、法律の商法特に会社法を専門とした、学長を13年務め、新興市場の株式上場企業の役員にもついている。その人が、専門分野以外の本を中心に1441冊まで読み進んでいるという。沢山の本を読み、沢山の文章を書き、沢山の回数を推敲する。この文筆訓練・修業の三多主義を盲進して精進努力しているのである。
 こうしたことをするのには、陳師道(ちんしどう=1053~1101、48歳没)という人の影響で、その人は詩人でもあり、「山空にして花自ら紅なり」という詩を残しているという。
 その他、自作の詩歌が中に盛り込まれている。
 作者の実践的なこの試みは、高齢化社会の日本の最大の課題に取り組むもので、意義深いような気がする。なるほど、こういう自己把握の表現もあるのか、と参考になった。その他、短歌、詩など創作力を発揮しているので、大変興味深く読めた。これまで仕事人間であったが、これから同人誌などの自分史を書いてみよう、などと思う人には、手本になるスタイルになっている。

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