みんなに愛され、だれにも愛させなかった飯島愛さんの死を悼む
飯島愛さんが、孤独の中で死んでいたという。TVのワイドショウなどによると、みんなに愛された人柄だったらしい。しかし、その本心を知る人は少なかったようだ。他人に迷惑をかけてはいけないという信条があったとも言われる。昔は、そういうのが美徳であった。昔からの価値観を持った人だったようだ。
が、今は、どうせ死ぬなら誰でもいいから殺して死のうと、いいながら、死なないで生きているような、他人に迷惑をかけないと生きていられない無責任な人種が増えたというのに。
おそらく飯島愛さんは、あくまで自己責任のなかで、独りで生きる中で、死んでしまったのであろう。社会的存在である人間は、誰でもどこかで他人に迷惑をかけている筈だ。人間関係のなかで、他人に迷惑をかけることで、お互いに愛し合う余地が生じるのではないだろうか。もう少し生きていたら、人に少しずつ迷惑を掛け合う人間関係を学んで、誰かに愛させる余地を作れたのかも知れない。残念な死だ。
10代の後半で、家族がピンチになった頃、必死にそこから脱出しようとしていた。その時に、叔母が心配して、大丈夫かい、困ったらこうして、ああして、といわれたので、思わず「いいよ。おれたち一家は、切り抜けられる。大丈夫だよ」と、断った。すると叔母は言った。「お前、そういうのを冷たい言い方というんだよ」。と怒った。叔母が亡くなった今でも、妙にその場面を忘れずにいる。可愛げのない、愛させることない自分だった。突っ張っていないと崩れてしまう自分があった。そんな余裕はなかった。
人は、社会的であるが故に、誰かに迷惑をかけて、迷惑をかけまくって生きることを、避けることはできないような気がする。
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