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2008年12月 5日 (金)

第56回菊池寛賞を受賞する 宮尾登美子さん(82)

「60年前、小説を書き始めたときから耐えて前進する女性に引かれてきた。その軌跡を認めてもらったのでしょう」。芸の道を極めた「一絃の琴」や「陽暉楼」、歴史の転換期を生きた「天璋院篤姫」……ヒロインたちの凛々しさがこの人と重なる。
 「女の生き方という命題」を得たのは、専業主婦だった母が、離婚後、生き生きと食堂経営をした姿へ感銘を受けたから。大陸の難民生活や結核との闘病を経て22歳で文学の道を目指した。だが、36歳で新人賞を受賞するも10年間は鳴かず飛ばずで、「惨めでつらい挫折も経験した」。
 徹底的に文章を磨き、プロ作家になれたのは47歳で太宰治賞を受けた「櫂」。芸妓紹介業の家で育った少女時代の自分と、優しかった母がモデルだった。「今でもね、母が恋しくなる」
 NHKの大河ドラマ「篤姫」始め、作品の大半が舞台や映像になった。「24年前の本が今年、全国的な広がりとなったのは女性が社会で認められてきたからでしょうね」とほほえむ。1年前に夫が他界、「錦」の刊行後、寂しさのあまり筆を止めていた。「来年は仕事のことも考えたい」。受賞が励ましとなった。(文化部 佐藤憲一)(08年12月4日 読売新聞)

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