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2008年10月23日 (木)

同人詩誌「るなりあ」21号(神奈川)読後録

氏家篤子、荻悦子、鈴木正枝の3人による詩誌。各氏が2作づつ全作品で6作品だけが掲載されている。

萩悦子「ポゾゾル」は、地球の寒冷地の地下の存在するものに思いを馳せる。温暖化で地球が炎上しても生き残れるのか、とも想像させ、微生物的世界から宇宙にまで意識を誘う。同「翌朝」落雷の夜明けに小鳥の幼鳥が死んでいるのを見る。日常の生と死の意識を表現。

鈴木正枝「路肩」老いた病身の、孤独に思いつめた心情を描く。愛憎の情念を生きる力にかえて、どこまでも生きる。同「じかんを じかんを」我々の漂う時間は、その時々にのび縮みする。生きることは時間との戦いである。思弁的世界に引き込む作品。

氏家篤子「海の扉」朝の海の潮の香りを漂わせた光景と夕べの海の無関心さとを、人間的心情を窓をあしらって、さらりとギリシャ的に描く。同「秋」カマキリ、ドングリ、雹でも降ったのか、突然われたガラス扉。ダイナミックに秋を感じさせる。

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