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2008年7月30日 (水)

フリーターからフリーライターへ赤木智弘氏

あかぎ・ともひろ=1975年、栃木県生まれ。専門学校を卒業後、会社勤務を経てフリーターに。親と同居しながら今年3月まで深夜のコンビニ店員として働いていた。
 月刊誌「論座」2007年1月号で「『丸山真男』をひっぱたきたいー31歳フリーター。希望は、戦争」を発表。論客からの反論や指摘に応える形で、同年6月号で「けっきょく、『自己責任』ですか?」を掲載。同年11月に論座掲載の文章などをまとめた「若者を見殺しにする国 私を戦争に向わせるものはなにか」(双風舎)を出版。ウェブサイト「深夜のシマネコ」を主宰している。近く、東京へ出てくるという。
 結局、社会の閉塞感からの脱出は、戦争でもなければ何とかなるのではないか。という論から執筆生活の糸口を掴んだようだ。ネットに書き込んでいたときから、論座からは連絡があったようだ。社会を観察し、その現象を自分なりに解釈することで、知らない人が読んでくれる。
 彼の論には、歴史的にもあてはまることがある。第2次世界大戦は、日本人と軍部の閉塞感から起きたと考えられるし、敗戦という破滅によって、社会の自分の利害にしがみつく人々も、一般人と共に死んでしまった。
 いわゆる現在の役人や官僚がみんな死んでしまったのと同じだ。その結果、役人からのおこぼれがなくなり、みな貧乏になり、格差がなくなった。そこから戦後の奇跡的な成長がはじまったのだ。だから戦争で破滅すれば、農民より多い農協の役員とか(農民にたかって生活するひと)、社会保険庁の職員とか(金を集めるのに、人などそんなにいらない)とか、変な仕組みがなくなる。
 現在でも、自殺者3万人、交通事故死者約1万人だから、若者が半分としても2万人の死ぬ戦争をしているのと同じである。イラクでもそれほどは死んでいないであろう。

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