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2008年7月 8日 (火)

女性誌「付録合戦」バッグに髪飾り、夏物の扇子、ビーチサンダルも

ビーチサンダルや折りたたみ傘など、付録花盛りの女性誌 書店に並ぶ女性誌が最近、やけに分厚くなった。有名ブランドの様々な生活グッズが付録についてくるからだ。バッグに髪飾り、夏物の扇子、ビーチサンダルもある。雑誌離れが進む中、生き残りをかけた出版社の戦略だが、はたして特効薬となれるか。
 米国デザイナーが手がけるミニバッグをつけたのは、「MORE」(集英社)の7月号。通常より1万~2万部多い56万部が売れた。「sweet」(宝島社)7月号は、国内有名ブランドの化粧ポーチを2個セットにし、46万部を販売。「セブンティーン」(集英社)は9月号から隔週を月刊化する代わりに、「回し読み解消のためにも不可欠」(越崎義治編集長)として、毎号に付録をつける。
 “付録合戦”が起きたのは、各社が相次いで、ブランドメーカーなどとの共同企画を実現させたためだ。大半はオリジナル商品。付録をメーンにして小誌をつけたムック本には、厚さが5センチ以上の折りたたみ傘やキャミソールなどもある。
 昨春、公正取引委員会が景品基準を緩和したことも追い風になった。景品の限度額は1000円未満の雑誌で100円から200円に上がっただけだが、オリジナル商品のため、海外などに発注して製造コストも安く抑えられるという。
 昨年から全雑誌に付録をつけた宝島社は、「In Red」を10万部台から30万部台に、「sweet」を20万部台から40万部台に押し上げた。桜田圭子広報課長は「部数増のための先行投資」と位置づける。「mina」「Ray」などを発売する主婦の友社第2事業部の佐藤一彦編集部長も「読者に実物が届くというメリットを生かしたい」と意欲的だ。
 豪華付録は、日本雑誌協会が材質や大きさなどを緩和した2001年にもブームになった。しかし付録がつかない号が売れず、休廃刊する雑誌もあった。それだけに各社とも共同企画に望みをかけるが、「時間も手間もかかる」(主婦の友社の佐藤部長)、「やはり記事を読んで共感してほしい」(「MORE」の杉野潤子編集長)との声も。
 同協会によると、女性誌の昨年の売上高は、10年前のピーク時の約3割減にまで落ち込んだ。高橋憲治・協会主管は「雑誌低迷時代にあって、付録は売れ行きを左右する有力ツール。でも本来は、編集内容の延長上にあるのが理想的だ」と話している。(西田朋子)(08年7月8日 読売新聞)

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