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2008年7月 5日 (土)

文芸時評「讀賣新聞」西日本版・夕刊7月4日・松本常彦氏

《対象作品》小笠原瑛次『三角形の鍵』(文芸社)/相加八重「還暦」(「21世紀」8号)/都筑均「愛玩」(「城」94号)。
「文學界」の同人雑誌評の消滅は、地方の書き手にとって衝撃的なニュースだった。二十七年間も評者をした大河内昭爾は、特集「地方の文学」を組んだ「国文学」(7月号)に「地方の同人雑誌」という一文を寄せ、「日田文学」、「えとわす」、「龍舌蘭」、「火山地帯」など九州の同人誌にもふれつつ、かつて中央の文壇を志向した同人雑誌が、文壇そのものの喪失とともに、方向性を見失っている現状を指摘している。
(略)しかし、この危機は、誰に向けて何を伝えるのかという問いを受けとめ直す絶好の機会でもある。こういう時だからこそ、活字の力について再考しよう。活字に力があるならば、それは地域を超え、世代を超えることを信じよう。(「文芸同人誌案内」掲示板・日和貴さんまとめ)

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