文芸評論家の東浩紀氏の著作を読んでいない人でも、秋葉原無差別殺人事件について、ワイドショーなどに、若者のネット社会に詳しい評論家として、意見を求められていた丸顔のコメンテーターを見た人が、いるのではないだろうか。
東氏の活動する舞台のひとつに講談社のゼロアカ道場がある。今年の秋の文学フリマでは、その道場破りの企画を引っさげて、文学フリマに乗り込むという。HPでは、その檄(まわしぶみ)を飛ばしている。これを読めば、よいのだが、檄であるから、ここで分載しておこう。PRの増幅版である。
文学フリマは、第1回開催に発起人の大塚英志氏に東氏も協力しており、同時に講談社の異端?気鋭?の編集者太田氏も参加しており、東氏、太田氏とも文学フリマの精神を熟知した上での企画であることを念頭におくと、この理屈っぽさが理解できるかもしれない。
東浩紀の「ゼロアカ道場破り」檄のあるHP
【ゼロアカ道場破りをそそのかす東浩紀氏の檄】(1)
道場生のみなさん、そして道場外の読者のみなさん、こんにちは。
東浩紀です。ゼロアカ道場、衝撃の第4回関門内容はもう読まれたでしょうか。
ゼロアカ道場、いよいよ佳境に入ってきました。自画自賛になりますが、第4回関門は前代未聞の企画です。こんなバカげたこと、東浩紀と太田克史じゃなきゃ絶対にやりません! これから4ヶ月をかけて、挑戦者の制作風景をウェブで公開するなど、さまざまな仕掛けを凝らして盛り上げていくつもりです。
いまだ呼びかけには早いかもしれませんが、観客として読者として、あるいは道場破り参加者として、ぜひ11月9日には文学フリマ会場に足をお運びください。こんなノリが評論家育成企画としてふさわしいかどうか、もはやぼく自身にもよくわかりませんが、とにかく、当日なにか盛り上がることだけは保証します。いや、まじで。
《ゼロアカ道場生と文学フリマ道場破りとの立場の違いについて》
さて。少しは内容があることも書いておきます。
第4回関門の発表会では、10人の参加者が5組に振り分けられました。組み分けは、関門内容発表後、各自に相談なしでその場でパートナー希望者の名前を提出させ、たがいの希望が一致した二人から組になって抜けていく、という方法で行いました。その様子はのちウェブで動画として配信されるはずですが、非モテーズ二人が一回目で無事抜け出して抱き合う場面など、微妙に感動的な光景も見られました。一回目で抜けたのは4人で、つまりは残りの6人は、本来の希望者とは組めないままで第4回関門に臨むことになります。
別途発表の概要では道場破り参加者に不利な面ばかり強調しましたが、じつはここに、道場破りのほうが内部生より決定的に有利な点があります。道場破り参加者は、だれとでも好きなひとと組めます。しかし、じつは内部生の半分以上はそうではありません。わずか100ページの同人誌とはいえ、雑誌は雑誌。全体的なクオリティ管理が求められます。チームワークがうまくいかないままの雑誌作りは、必ず破綻するはずです。今回の関門は、個人プレーでは必ずしも抜け出せないことを、内部生も道場破り参加者も肝に銘じておいてください。
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