詩の紹介 寸詩寸感(抜粋) 作者・坂上清
<紹介者 江素瑛>
** こころ
朝 電車の網棚に置き忘れ出勤する
昼 プログラムをセットされ仕事をした
夜 電車の網棚を探したが見当たらない
< 仕事をしたくない気持ちなのか、忘れられたこころは誰かにどこかへ持ち去られたのかも知れない >
** 開発の街 (8)
空を切りとって
人々が住んでいる
パンツやシャツがベランダでゆれている
本当の空はあの中にある
< 海の埋め立て、河の河川敷、空の宇宙船、自然を絶えずに侵していく人間の欲望はどこまでも広がる >
**平成の情景-夏休み
昆虫網を買って貰った
野球帽は三つ買って貰った
虫籠も三つ買って貰った
蝶々・トンボ・甲虫は百貨店へ買いに行った
< いつの間にか百貨店全体は、きっと大量な昆虫達が、繁殖し占拠していくでしょう >
( 坂上清詩集より )
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