詩の紹介 < 五月の風と白い帽子 > 菊間順子
犬の目と犬の気持ちで書いた詩でしょう。純粋な時代の純粋なこころ。なんともういういしい作品です。現代人が失ったものが、そこにあるのです。(紹介者・江素瑛)
「五月の風と白い帽子」 菊間順子
白い帽子の女の子を見なかったかい
いつも坂の上から白い帽子を振りながら
小犬といっしょに駆けて来たんだ
五月の風と光に笑顔がまぶしくて・・・・・
約束をしたんだ 五月の誕生日が来たら
ボクにキスをしてくれるって
そっと云ってくれたのに
風と光がシットしてつれて行って
しまったのかな
ボクの白い帽子のあの女の子
詩誌・放物線 No.16 1983年 9月 東京渋谷区
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